紙の本
推進・廃止の両方の意見がわかりやすい
2016/10/26 17:26
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投稿者:ルイージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがは池上さんの面目躍如、原発ゼロ宣言を賞賛するのではなく、推進派からの様々な意見も取り上げて、判断を読者に委ねている。
紙の本
どんどん発信してほしい!
2015/10/11 13:55
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投稿者:さんぴん - この投稿者のレビュー一覧を見る
原発ゼロの世界を創ることは誰にも否定できないのではないか?どう考えても矛盾を抱えているのに電力安定供給に話をすり替えてします。いまさら電気のない社会も想像つかないけどね。でも原発って・・・論旨の飛躍。小泉さんがんばれーー。買い。
紙の本
小泉さんを筆頭に、原発反対の政財界人ってけっこういるんだ!
2020/11/06 14:46
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の柱はふたつ。
ひとつは、2013年ごろまでの、原発に言及した小泉さんの主たる発言を集め時系列に並べ、分析するという趣向。発言は、原発の安全性を信じていた首相時代の2003年・2006年のモノから、政界引退後、2011年5月に初めて「原発の依存度を下げるべき」と言い、以降、彼の考え方の変遷をたどる構成。
本書発行前までの小泉元首相の「原発ゼロ」発言にまつわる記事・記録のほぼ全文が載せられているのが大きな特長。
テレビなどで報道される内容は、どうしても断片になってしまうので、この件が気になる読者は、全文を掲載された本書を読む。読んで、いろいろ自分の考えをまとめるのに、非常によい資料になるかと思います。
もうひとつは、小泉氏の恩師であり、一貫して日本の電力事業の問題点を指摘し、原発にも反対を唱えていた経済学者・故加藤寛氏の主張。池上さんが教鞭をとる東京工業大学の学生たちの意見集。他、政財界の方たちの意見などなど。
個人的には、政財界にも反原発&脱原発方向に舵をきろうとするヒトがたくさんいるということに加え、そっちの原発を手放した未来のほうが、やはり非常に希望にあふれているんじゃあないの?と思った一冊。
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小泉元首相の「原発ゼロ」宣言が話題になっている。しかし、小泉さんは最近になって急に言い出したものではなく、3・11以後、徐々にこの路線へとカジをきってきた経緯があるそうだ。ぼくの家では『毎日新聞』をとっているから、小泉発言をとりあげた山田孝男さんの「風知草」(なんと読むのか?)を読んで「へえ~」と思ったことがある。フィンランドの使用済核燃料処理場オンカラを、原発推進派の人たちといっしょに見学したあとだったから、よけい説得力があると思った。池上さんは、小泉さんには直接取材していないが、かれの発言を時間列にそって集め、その変化をたどるとともに、山田孝男さんはもちろん、今話題になっている細川元首相へのインタビュー、信用金庫として最初に脱原発の声をあげた城南信用金庫の吉原理事長、元三菱銀行取締役NY支店長の末吉さんのインタビューを合わせて載せている。取材は細川さんが東京都知事に立候補する前であったから、本書の出版はとてもタイムリーである。東京は日本の首都で多くのエネルギーを使っているから、エネルギー政策は国の管轄だから東京都は関係ないとは言えない。細川さんの立候補は、現在やや下火になった脱原発の運動をもう一度高めることになるだろう。ただ、細川さんが「安部首相が日本は原発問題があるからオリンピックを辞退すると言ったら、日本の評価はもっとあがっていた」というところは、今度の選挙で相手からつっこまれる点かもしれない。ところで、ここに出てくる吉原さん、それに末吉さんは信用金庫の理事長、銀行マンである。金融がなぜ脱原発を唱えるのかと疑問に思う人がいるかもしれないが、吉原さんには信用金庫は地域のためにという高い理念があるし、末吉さんには自然エネルギーは新たな需要を生み出すという理念があることだ。(これは孫正義さんの主張でもある)目先のことばかり考える経済界の中で、こういう声がもっとあがってほしい。
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池上彰の「分かり易い」という良さが出た一冊。
一見素っ頓狂な発言にも思える小泉発言から、原発への考え方をまとめており、小泉発言の根元には何があるのか、というのが非常に分かり易い。
一方で、これを読んで納得しておしまい、ではなく、具体的なアクションや、更に深堀して考える、といったことが読者に求められていることを理解すべきでもある。導入で終わっては意味が無いのだ。
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たくさん問題提起されててよかった。
原子力発電のことが分かる解説書ではなく、原発ゼロに賛成するいろんな人の意見を載せた本。
オンカロや電力大量消費社会への疑問など、自分の中で様々な角度から問題提起ができた。
ただスペシャリストに近づけたって感じではない。これから期待してて!って感じかな。きっかけ作りによかった。
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表題ほど小泉さんプッシュになってはいないけど…原発に関するこれまでの在り方がコンパクトにまとめられてて良い。とくに「オンカロ」に関する記事は、知らなかった自分が恥ずかしい。ゴミは自分で始末できなくては、ね。
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尾崎行雄 人生の本舞台は常に将来にあり
1900年 産業組合法で信用金庫、農業協同組合、そして生活協同組合の前身がうまれた
農協、生協、信用金庫は、株式会社や財閥に対抗して、地域の人々の幸せのため、みんなが幸せになれるように働く、という理想の志をもって生まれた
電気の空調をガスを使ったGHPに変えた 電気の1/10の省エネ ガスヒートポンプ
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城南信用金庫理事長の吉原毅氏の箇所を読んだ。右翼と左翼、保守と革新の本来の意味が分かって面白かった。
以下、面白かったところの抜粋。
政治とは、理想と共感、そして公共性です。
いま、私たちの社会の最大の関心事はお金になってしまっているんです。やはりお金は麻薬です。
私の定義では、サラリーマンとは「お金に頭をやられている人」です。
人間には、「流される人」も、「自ら世界を切り拓く人」の2通りあります。
目に見えるのだけを見ている人間なんて、ちゃちな〝子供〟です。
畏れとか、敬意とか、配慮とか、そういうものがあってこそ、初めてまともな人間になれる。現代人はそれを忘れているんです。
左翼とは、自分さえ良ければいい、あるいは自分の考えが絶対的に正しいという人たちなんです。
保守主義は、「独善に陥りがちな考え方を懐疑していかなければならない」というところから生まれているんです。
人間は、他人との関係性のなかで、目に見えないものに囲まれてようやく存在しています。このようなシステム論的で、かつ相互依存的な危うい世界のなかで、人間は、見えないものに心を寄せ、伝統を大切にすることによってようやく存在を保っている。そう考えるのが保守主義です。
自由経済は保守ではありません。
重要なのはイデオロギーではなく、プラグマティズムです。プラグマティズムとは「理想にとって意味のないことはやってもしょうがない」ということ。自分なりの理想をちゃんと持って、それをもとにどういうふうに生きていくかを決断していくこと。それこそがいま、私たちに必要なことです。お金とか損得でフラフラしながら生きることのは止めることです。
あとがきの話しも。
柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会、賛成派も反対派もいる。「君の意見に賛成はしないが、君がそう考える気持ちはわかる」と酒を飲み交わす仲になったらしい。
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自然エネルギーを促進することで、地球環境問題にも貢献でき、エネルギー分野に新たな技術も生まれるはず。
敗戦、石油ショック、大震災、ピンチはチャンス。必要は発明の母。
原発を失ったら発展できないというが、満州から撤退しても日本は発展した。
アメリカも原子力産業を日本に売りたい。だから小泉さんの原発ゼロはアメリカが言っているのではない。
安倍さんの奥さんは家庭内野党で原発反対している。
フィンランドはロシア恐怖症だから徹底的な合理主義で人口500万なのに、原発が4基もある。
電力会社の圧力が大きすぎて、マスコミも動けない。
小泉さんは本気に日本のことを考えている。サラリーマンじゃないから。
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中身は違う池上氏の本でも書いてあったような内容。池上さん自身の意見も聞きたいものだ。右翼左翼の区別は曖昧になってきているんだなと理解。原発の議論はどこまで進んでいるのか?と思った。
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池上彰の問題処理能力は実に高い。この本は、2013年に出されている。小泉純一郎元首相が、原発ゼロ宣言を発したことについて、その真意を毎日新聞の山田孝男が、風知草というコラムに原発ゼロを書き始めた。
原発推進派は、体制派、保守と言われ、反原発は市民活動家、とびあがりの活動家、なんでも反対の左翼という構図で従来は語られていた。3月11日のフクシマメルトダウンで、大きな変化が生まれている。それが、元首相の小泉純一郎が、原発ゼロ宣言を発したことで、流れが変化している。
小泉純一郎は首相の時は、「政府として安定性にすぐれ、発電過程で2酸化炭素を発生しないという特殊性である原子力発電に推進していく」と言っていた。その後首相は辞任していた。
2011年3月11日以降、5月21日には、小泉純一郎は「今後は原発の依存度を下げるべきでしょう」といい始め、2013年8月23日には「そりゃそうだよ。当時は政治家もみんな信じていたんだよ。原発はクリーンで安いって。3月11日で変わったんだよ。クリーンだ?安全だ?とんでもねぇ。アレ。全部ウソだってわかってきたんだよ。電事連の資料、ありゃ何だって、あんなもの信じる人、ほとんどいない。安全なものは動かせっていうけど、それだってゴミ(核廃棄物)が出るんだよ。それどうしてワカンねぇかな。そもそも、野田総理の収束宣言が間違いだった」「原発の危機感の薄さ。認識の甘さが大飯原電発を稼働させた」と野田総理を批判する。ふーむ。立場が逆だね。そうか。民主党も原発推進だったのか。
さらに小泉純一郎はいう。「でかいよ。歴史の大転換だよ。原発ゼロは難しいし、勇気がいるけどこんなにやりがいのあるテーマはないよ。そのために早く政治が原発ゼロの方針を提示しなければならない。世界に例のない循環型社会へ結束する」
「どうしようもないじゃないか。再稼働したらどんどんゴミが増えるよ。それなのに捨てる場所がないんだから。これが最大の問題なんだよ。だから原発は止めるしかないんだよ」とトイレなきマンション説をぶち上げる。エネルギー多消費社会を根本的に方向転換させることという。
読売新聞は、(正力松太郎が原子力の父と言われているからなぁ)社説で、「小泉元首相発言の原発ゼロを掲げる見識を疑う。あまりにも楽観的であり、無責任」と指摘。
それに対して小泉純一郎は「政治で大切なことは、目標として大きな方向を打ち出すことだ」とのべる。小泉純一郎が、原発ゼロ発言をすることで、その意見に支持する人たちが増えていく。
小泉純一郎の師匠である加藤寛は、「九電力会社が電力を独占していることを批判し、原発ゼロ」を主張する。
2007年に「国際公共政策研究センター」が作られ、小泉純一郎はそこの顧問となった。会長はトヨタの奥田碩、理事長が田中直毅だった。そこがゼロ原発の情報発信の中心となった。
小泉純一郎は、フィンランドの核廃棄物施設オンカロを視察。「自分たちで作ったゴミは、自分達で片付けるのが当然」という。核廃棄物の処理は、電力会社の責任で処理すべきものという意見にも傾いていく。小泉純一郎は「人生の本舞台は、常に将来にあり」をモットーとしていた。
反原発の人は、孫正義、そして、河野太郎。細川護煕。まぁ。細川は、小泉純一郎の支援を受けて、原発ゼロを掲げて東京知事選に出馬するが、敗退する。
この本では、城南信用金庫の理事長古原毅も、信用金庫の成り立ちがロッジテールの理念から始まり、地域密着型であるがゆえに「理想と共感と公共性」が必要であり、原発メルトダウンで、地域が荒廃するという事態を目の当たりにして、反原発を明確にして、持っていた東電の株などを全て売り払って、金融5原則の成長性、収益性、安全性、流動性、公共性を具現化していく。
自ら世界を切り拓き、自分で境を変えていく自立人間の全体性回復を進めようとする。
池上彰の捌き方が、実にいいのだ。おもしろい。私が中国にいた間の空白をうめる重要な動きだ。