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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.1
- 出版社: 合同出版
- サイズ:19cm/125p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7726-0308-5
紙の本
イラク戦争 元国連大量破壊兵器査察官スコット・リッターの証言 ブッシュ政権が隠したい事実
著者 ウィリアム・リバーズ・ピット (著),スコット・リッター (著),星川 淳 (訳)
イラクに対する国連の大量破壊兵器査察が4年ぶりに再開され、イラク政府はレポートを提出した。ところがアメリカはイラク攻撃の準備を着々と進める。アメリカ人元国連査察官が、ブッ...
イラク戦争 元国連大量破壊兵器査察官スコット・リッターの証言 ブッシュ政権が隠したい事実
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商品説明
イラクに対する国連の大量破壊兵器査察が4年ぶりに再開され、イラク政府はレポートを提出した。ところがアメリカはイラク攻撃の準備を着々と進める。アメリカ人元国連査察官が、ブッシュ政権の暴走に警鐘を鳴らす。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ウィリアム・リバーズ・ピット
- 略歴
- 〈ピット〉ボストンで教職につく文筆家・政治アナリスト。
〈リッター〉91年から98年までUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の一員としてイラクで働く。
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紙の本
オープンで公正な議論を!
2003/03/13 23:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sloth - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、ウイリアムズ・リバーズ・ピットという文筆家、政治アナリストが、元国連大量破壊兵器査察官スコット・リッター氏に電話インタビューを行うという体裁になっている。
スコット・リッター氏は、91年から98年までUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の一員としてイラクで働き、2000年の大統領選ではブッシュ陣営を応援した共和党員としての経歴を持つ。リッター氏は、日本のニュース番組などにも出演しており、またアメリカでも積極的にメディアに出演してイラク戦争に反対する意思表示をしているようだ。彼のような経歴を持つ人物が、堂々と愛国主義の立場からイラク反戦を展開しているのが、アメリカの懐の深さを感じさせる。
彼の話は非常にわかりやすいのだ。素朴ともいえるイラク戦争に関する何故という問いに対して、明確な回答を打ち出している。それは、例えば、イラクは大量破壊兵器(核兵器、化学兵器、生物兵器など)を保有しているのか? アルカイダのテロに共謀した可能性? イラクに民主主義をもたらすというアメリカのイラク戦争に対する主張についてなどである。彼はとても具体的に、これらの問いに対して回答をしている。
その内容を簡単にいってしまえば、大量兵器の保有については非常に可能性が低く、アルカイダとの関連はありえず、民主主義を外部から強制することは非常に難しいということだ。彼の意見が絶対に正しいということではないが、彼がイラクの事情に精通していること、そしてその経験から知りえた情報を率直に述べようとする熱意がじんじんと伝わってくる。
とかく政治がからむ話というのは分かりにくいものが多い、それは説明をすればボロが出るから、なるべく説明をしないで済ませたいというようにもとれる。そのため、ややもすると水掛け論に落ちいってしまう。しかし、民主主義を実践しようと思うなら、それはおかしな姿勢である。本当は「知識あるものは,常に理解されるように努力する責任がある」(ピーター・ドラッカー)のではないだろうか。
スコット・リッター氏は、やみくもにイラク戦争に反対しているわけではない。彼が持ちえた情報を考察した結果、イラクを攻撃する正当な理由が見当たらないといっているのである。彼が望むものは、本書にある次の言葉に要約されると思う。
「私が国のためになしうる最大の貢献は、イラク政策についてもっと幅広い議論と対話を促すことです。もし、本当に戦争が必要だとしたら、それもしかたないのかも知れません。しかし、その決定は、少なくともオープンで公正な議論を通じ、確固とした事実に基づいてなされるべきです」。