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- 発売日:2023/06/05
- 出版社: 一般財団法人日本食品分析センター
- サイズ:303×216mm/561ページ
- ISBN:978-4-7821-0462-0
- 国内送料無料
紙の本
食品のカビ検索図鑑 自然環境・室内環境調査にも役立つ
著者 宇田川俊一 (著)
食生活と生活環境の安全性を求めて本書は「食品のカビ汚染と危害」(2003)以後に著者自身が集めた食品のカビ72属238種(関連菌を含む)を基にし,培養コロニーのカラー写真...
食品のカビ検索図鑑 自然環境・室内環境調査にも役立つ
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商品説明
食生活と生活環境の安全性を求めて
本書は「食品のカビ汚染と危害」(2003)以後に著者自身が集めた食品のカビ72属238種(関連菌を含む)を基にし,培養コロニーのカラー写真,光学顕微鏡によるシャープな形態と走査電子顕微鏡(子嚢胞子)の写真を編集した図版を中心に,それぞれの菌の形態・分布と生態(検出食品の種類・環境・作物やヒトに対する病原性),発育条件や耐熱性,関連菌との遺伝子解析による系統分類,カビ毒(マイコトキシン)産生を集めたノートなどが書かれています.本書の魅力は何といっても食品や身の廻りにあるカビが,培養と顕微鏡による細かな観察の結果から,美術デザイナーも驚くほど美しい様々な形をした姿を目にするワクワク感です.私たちの食生活が安全であるために,食品衛生検査では微生物試験が細菌・カビを対象に行われています.AIに基づく品質管理技術がカビの学名同定に対しても適用されるようになりました.しかし,形態による同定の確認が必要です.本書ではカビの同定に対応して,遺伝子情報を基にした新分類システムのマニュアルとして食品のカビを検索できるよう,記載内容を充実しました.特に,重要なカビ毒(アフラトキシン)を産生する種があるコウジカビ(Aspergillus),ムギ赤かび病菌があるフザリウム菌(Fusarium),低温保管の食品に発生が多く,また黄変米菌やチーズの製造菌があるアオカビ(Penicillium)については,カビ毒の解説とともに既応の分類システムの要約,同定法,クラスター(系統分類群)別検索表を示し,容易に試験できるよう配慮しました.本書の特徴として,好乾性菌と耐熱性菌について好湿・中湿性菌や易熱性菌と区別できるように記載しました.好乾性菌については項目を別にし,培養検査での省力化を図りました.好乾性菌の対象は長期保存中の穀類,乾燥や糖分・塩分の多い保存食品での好乾性コウジカビの危害が主でしたが,最近では消費者の嗜好が広まり,チョコレート,ドライフルーツ,ブルーベリー,香辛料,カンゾウ,黒糖などの輸入品から様々な好乾性菌を検出しています.特に好乾性の強い菌では,50%蔗糖添加培地での観察が行われています.一方,めん・パスタ・ピザ・総菜類などの加熱加工品やスポーツ飲料など,製造段階で加熱工程のある食品・飲料からは,思い掛けない耐熱性菌の事故が多発しています.土壌・環境中のカビが食材に一次汚染し,加熱加工により胞子活性化のため発芽,菌糸が発育するのが原因です.耐熱性菌については,形態観察と同定,耐熱性データ情報を重点的に記述しました.
日本には伝統的な食文化があり,外国にない農水産物が作られています.調査対象も多く,多様なカビが見られます.蜂蜜のハチノスカビ,冷蔵生肉のエダケカビ,メロンを腐敗し食中毒の原因になったトマトばら色かび,ソースに発生する好酢菌などのほか,浴室・冷蔵庫・窓などの室内環境に多いカビ・アレルゲン・ヒトや家畜の病原になる黒色真菌などの記載もあります.
著者は1955-92年,国立衛生試験所に勤務,農学博士.(著者記す)【商品解説】
目次
- 目 次
- 第1章| 菌類とマイコトキシン(カビ毒)産生|
- 1.1 真菌の分類体系|
- 1.1.1 生物の分類体系と真菌|
- 1.1.2 テレオモルフとアナモルフの関係|
- 1.1.3 真菌の学名とその一元化|
- 1.2 遺伝子情報の分析による同定|
- 1.2.1 多相分類学と同定の指標としての遺伝子情報|
- 1.2.2 塩基配列の決定|
著者紹介
宇田川俊一
- 略歴
- 1931年東京都生まれ.日本菌学会,日本医真菌学会,日本マイコトキシン学会,日本食品微生物学会,日本食品化学学会各名誉会員.1955年厚生省入省.国立衛生試験所(現,厚生労働省国立医薬品食品衛生研究所) 薬用植物部に配属(後に名称が衛生微生物部に変更).その後,主任研究官,室長として勤務し1991年に定年退官.1960年東京大学薬学部に内地留学,1965-66年カナダトロント大学植物学部在外研究員.1968年農学博士(東京農業大学).この間に薬務行政にあたり,医薬品・化粧品などのGMP制定と施行の調査,輸入食品の国家検査,食品製造の衛生規範策定,環境庁(当時)の室内環境調査などに尽力.研究分野では医真菌を含む菌学研究,マイコトキシンの化学と毒性学の協同研究,有用菌類の探索など多分野に及ぶ研究報告を発表し,1989年に日本菌学会会長となった.定年後は菌学研究の継続と食品衛生学の教育にあたり,1997年第1回日本菌学会学会賞を受賞.1991年より千葉大学真菌医学研究センター(現在)客員教授,東京農業大学総合研究所客員教授,一般財団法人日本食品分析センター学術顧問を務めた.
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