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- カテゴリ:一般
- 発売日:2017/04/13
- 出版社: 新評論
- サイズ:19cm/325p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7948-1058-8
紙の本
菜食への疑問に答える13章 生き方が変わる、生き方を変える
お乳や卵はいいんじゃない? 動物も他の動物を食べるけど? 菜食への質問を取り上げ、人の自然な感覚や良心にもとづく回答を示すことで、菜食への理解を促すと同時に、それを出発点...
菜食への疑問に答える13章 生き方が変わる、生き方を変える
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商品説明
お乳や卵はいいんじゃない? 動物も他の動物を食べるけど? 菜食への質問を取り上げ、人の自然な感覚や良心にもとづく回答を示すことで、菜食への理解を促すと同時に、それを出発点とした倫理的な生のあり方を考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
「植物なら食べてもいいの?」「食の楽しみは?」「動物も他の動物を食べるけど?」――菜食という習慣には多くの疑問が寄せられる。けれどもそれに対する回答をしっかり聞いたことのある人は、おそらくそれほどいないのではなかろうか。
実は、非菜食の人が発するこうした何気ない問いは、倫理にかなった生き方を考える上で、とても大事な問題提起になる。菜食を志す人の中には、健康を気にしてこの生活スタイルを選ぶ立場の他に、動物への思いやりからそうするという立場がある。後者の人々は、動物製品の消費が動物への暴力を後押しすることに気付いて、肉・乳・卵その他を生活の場から一掃しようと考える。かれらは動物をいたわる思いを突き詰めた結果、菜食という選択に行き着いた次第で、その根底には倫理的関心がある。動物製品の消費を当たり前の習慣として受け入れている私たちは、そんな思考を不思議に、奇妙に、時には偽善的にさえ感じ、色々な質問をしてみたい気になる。倫理観にもとづいて行動を変えようと決心した人と、それに首をかしげて問いを発する人、両者が論を交わせば、人の正しい生き方をめぐる有益な対話が生まれうる。
本書は菜食の実践者に寄せられる典型的な質問群を取り上げ、人の自然な感覚や良心にもとづく回答を示すことで、菜食への理解を促すと同時に、それを出発点とした倫理的な生のあり方を探求する。人間が他の動物を食べるのは正当なのか不当なのか。筋の通った暮らしとはどんなものなのか。菜食問答は食の次元から私たちの日常を問い直し、人ならぬ生命をも視野に入れた新しい道徳の地平を切りひらく。本書が人と他の動物にとってよりよい社会をつくる一助になれば幸いである。(いのうえ・たいち 翻訳家)【商品解説】
著者紹介
シェリー・F.コーブ
- 略歴
- 〈シェリー・F.コーブ〉ハーバード大学法学院を卒業し、最高裁判事ハリー・A・ブラックマンの助手を務める。コーネル大学法学院法学教授。動物の権利、男女の平等、刑事訴訟法等を担当。著書に「性が問題になる時」など。
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紙の本
生き方を良い方に変えてくれ、支えてくれる本。
2018/03/20 11:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずこの本は、肉を食べている人達を否定・攻撃しない。「かつては私も知らなかった、食べていた」と振り返りながら、疑問を持つ人たちの気持ちに共感しつつも動物を食べることを良しとする認識の誤りを指摘し、なぜその誤りが生じるのか、解決策はどんなものか、その解決はどんなに世界の状況を良くするかが明確に書かれている。諸々の問題の根底には全て暴力と差別があり、解決策は全て思いやりと配慮を土台としていると教えてくれ、疑問を持つ人には答えを、疑問に晒されながらうまく答えられずに困っているヴィーガンには自信を与えてくれる。
この本の分かりやすさは第一に論理的で、狂信的・妄想的な部分がないこと。また、生活そして食という生存に直結することでありながら、日々の話題にはほとんど上がらない畜産や動物実験などについて無理なく理解が促されるように、身近な物事に置き換えた例えや比較を多用していること。
これは、疑問の「答」と「答え方」を示してくれる有難い一冊と思う。
また、これだけ多岐に渡る内容(健康、環境問題、生命倫理、歴史、文化等々)が簡潔な文体と整った構文で、また平易な言い回しを保ちつつ訳されており、訳者の文章力の素晴しさにも瞠目させられる。
海外の書なので、宗教や中絶論争のように日本では馴染みのない思想があったり、読み手の知識不足のために「初めて知る単語や概念」というものは出てくるが、「わかりにくい文章」というのは出てこない。
その馴染みのなさに対して訳注をつけるポイントと内容も絶妙で、曖昧さや誤解や違和感を残さない。訳者にも深い知識があり、単に文を訳するだけでなく著者の意と日本の読者の理解の両方へ細やかな配慮がなされていると感じた。
この本を読むと、世界にはたくさんの問題があり、その解決の道筋は既にあり、そこを歩く力も自分たちに備わっているのに、問題自体が隠されているために…そして何より私達自身が目を背けているためにその力が発揮されず、問題も野放しに深く広がっていることがとても良く分かる。
常に基本として、また何かあればたち戻る原点として何度も読み返したい本である。