ビアズリー怪奇幻想名品集 増補改訂版 （ＴｏＢｉ ｓｅｌｅｃｔｉｏｎ）

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カバー絵にもなっているサロメの首を持っている絵が一番好き。指からビーム出してる絵がないなあと探してたけれど、ビアズリーとモローを混同していることが判明した。同じ「サロメ」だけどぜんぜん違う。『リューシストラテー』以降の絵は過激だけれど、こういう絵がちゃんと「作品」として残っているのがすごいね。人としても画家としても短命だったのは知らなかった。

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作品だけでも十分心酔してしまうだけのビアズリーに、解説がついたらもっと豪華でしょ！ 断然お買い得だと思います。
最近、同年代に活躍したアーサー・ラッカムの作品集を見たりもしましたが、やはりそこでもビアズリーは時代の寵児として書かれていました(「イギリス1890年代はビアズリーの時代」)。本書では、夭逝の天才画家ビアズリーの絢爛たる作品群と、彼の生涯が浮き彫りになることで、私の中でビアズリーへの印象がグッと良くなった印象を受けます。現代もそうですが、ビアズリーってめちゃめちゃ影響力あったんだなぁと思いました。
いいなぁと思ったエピソードは、ビアズリーが、崇拝するほど憧れていたホイッスラーに批判されてしまい、それから太宰治みたいにホイッスラーをバカにし始めるのですが、『髪盗み』の挿絵でホイッスラーに「私は今まで間違っていた、オーブリーは本物の芸術家だよ」と再評価されたとたん、ビアズリーは泣き出してしまった、というエピソードですね笑。

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ビアズリーとあるとどうしても手に取ってしまう。白と黒の画面に吸い寄せられる。最初に1894年、22才の時の横顔で頬に手をあてた写真が載っている。

表紙は「おまえの唇に口づけしたよ、ヨカナーン」1893年。オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」に触発されて書いた。「スチューディオ」誌第1号（1893年4月）に掲載。「サロメ」の挿絵にも「クライマックス」という題でほとんど同じ絵があるが、「スチューディオ」誌が版権を持っていたため、「サロメ」には新たに描かれた。

初版のものに31ページ追加したもの。

2014.3.1初版第１刷　2021.3.25増補改訂版第１刷　図書館