「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
遺伝子・多様性・循環の科学 生態学の領域融合へ
生物と環境との相互作用の中で、どのような遺伝子が残って進化が起きるのか。進化と生物多様性はいかに関わっているのか。進化と群集と生態系の交差から生まれるこれからの生態学を展...
遺伝子・多様性・循環の科学 生態学の領域融合へ
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
生物と環境との相互作用の中で、どのような遺伝子が残って進化が起きるのか。進化と生物多様性はいかに関わっているのか。進化と群集と生態系の交差から生まれるこれからの生態学を展望し、地球と生命の未来を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
自己複製の担い手たる遺伝子は,生命の多様性を育て,その多様性が物質とエネルギーの流れを生み出す.そして出来上がった自然こそが,生態系という新たな生命の揺籠となる.遺伝子と生態系をつなぐ自然原理を目指し,生態学者の新たな挑戦が幕を開ける.【商品解説】
目次
- まえがき
- 序 章 遺伝子・多様性・循環の科学とは [門脇浩明・立木佑弥]
- 第 I 部 進化と生物群集をつなぐ
- 第1章 進化から群集へ,群集から進化へ
- ──階層間相互作用の意義 [内海俊介]
- 第2章 チョウ類とそれを取り巻く生物群集
- ──急速な進化と断続平衡 [大崎直太]
収録作品一覧
遺伝子・多様性・循環の科学とは | 門脇浩明 著 | 1−14 |
---|---|---|
進化から群集へ,群集から進化へ | 内海俊介 著 | 17−50 |
チョウ類とそれを取り巻く生物群集 | 大崎直太 著 | 51−71 |
著者紹介
門脇 浩明
- 略歴
- 〈門脇浩明〉京都大学学際融合教育研究推進センター・特定助教。
〈立木佑弥〉首都大学東京大学院理学研究科・助教。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
複数の要因が影響しあい変化し続ける状況の研究法。変化させたものを取り除くだけでは元の状態には戻らない。
2020/08/30 11:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年の研究で進化の速度は意外に速いことがわかってきている。環境の変化で生き物が変わり、それによりまた環境が変わる。生きものと環境の変化に進化がどのように関わるのか。本書は遺伝子・種・生態系の間のフィードバックをカギに、研究の成果を紹介。今後の生態学の方向・あり方や人間の関わり方などを扱っている。
2014から京都大学で開催された「進化群集生態学シンポジウム」をまとめたもの。あとがきには「成果を多くの方々に伝えたい。」と書かれてはいるが、後半にはいるほど少し理論的すぎたり専門すぎたりで門外漢には読むのに苦労だった。しかしようやく「複数の種の集団の進化・環境変化」を実験的にも理論的にも扱うことが可能になり始めたのだという現状への理解は進んだように思う。
複数の生物種が環境により影響しあって変化=進化する。それが環境の変化を引き起こす。要素が多くなればなるほどどう変化するかの予測は難しいだろう。それでも実際の湖沼汚染の例などを読むと、外来種により生物相や環境が変化したとしてもその外来種を取り除くだけでは元には戻らないということの理論的裏付けができ始めていると分かる。
いくつかのシミュレーションからは「多様であることは安定につながる。」という結果が示されている。「生物多様性を守らなくてはいけない」という昨今よく聞く言葉の理由づけの一つがここに示されていると思った。
分野の融合の重要性がかなり強調されていたが、どんな分野も確立するためには「他との違い」を明確にするためにある意味「孤立」していかなくてはいけないだろう。そしてしっかりと成長したその次には拡大・融合などの方向がでてくる。生態学、さらには学問についてだけではなく、あらゆるものの「新しいものの創出・確立・成長」過程を見るような気持にもなったことを最後に感想として記したい。