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- カテゴリ:小学生
- 発売日:2000/06/17
- 出版社: 福音館書店
- サイズ:21cm/489p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-8340-1677-3
紙の本
クオ・ヴァディス 上 (福音館古典童話シリーズ)
著者 シェンキェヴィッチ (作),吉上 昭三 (訳),津田 櫓冬 (画)
北方の蛮族の王女リギアに恋をしたローマ将校ウィキニウスを、さまざまな困難が待ち受ける…。皇帝ネロを頂点とするローマ帝国を舞台に、迫害される初期キリスト教徒たちの姿を描いた...
クオ・ヴァディス 上 (福音館古典童話シリーズ)
紙の本 |
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- 税込価格:19,250円(175pt)
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商品説明
北方の蛮族の王女リギアに恋をしたローマ将校ウィキニウスを、さまざまな困難が待ち受ける…。皇帝ネロを頂点とするローマ帝国を舞台に、迫害される初期キリスト教徒たちの姿を描いた歴史長編。【「TRC MARC」の商品解説】
暴君として知られるネロが独裁政治を行っていた一世紀中頃のローマ。皇帝を頂点とする「権力と物質の力」の世界は、なにものによっても覆されることはないかに見えました。しかし、ひたひたと満ち来る潮のごとく、帝国の足下を浸食する力がありました。愛の教えを説く救い主を信仰する人達でした。本書は、この二つの力が長大な物語の枠組みともなり、主題ともなり展開されていきます。ローマに取材し描かれた津田櫓冬氏の挿絵が圧巻。【商品解説】
著者紹介
シェンキェヴィッチ
- 略歴
- 〈シェンキェヴィッチ〉1846〜1916年。ポーランド生まれ。作家。著書に「火と剣」「大洪水」ほか。
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紙の本
クオ・ヴァディス——汝(なんじ)、何処(いずこ)へ行くや
2000/08/17 15:23
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投稿者:ワヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
暴君ネロ専制下の古代ローマ。美貌の青年ウィニキウスと滅ぼされた部族の王女リギアの恋物語を縦糸に、頽廃的で醜悪な宮廷政治と初期キリスト教徒迫害の物語。
武人ウィニキウスがリギアの愛を追い求めるうち、リギアが信ずる「キリスト教」という堅固な壁にぶつかった。彼のそれまでの概念からは想像もつかない思想の違いに大きくとまどう。苦悩と葛藤の中でウィニキウスが、やがて神の愛に目覚めていく過程を描く前半。(ウィニキウスのこの困惑たるや、まるで初めて自分の恋心に気づいた思春期の少年かくありなん)。
そして後半は、ローマの大火、キリスト教徒の人間松明、猛獣荒れ狂う闘技場での阿鼻叫喚…と、聞き覚えのあるエピソードが次々と現れる。(ああ、この極悪非道のエセ芸術家ネロは、惨劇の血の臭い漂う中で自作の哀歌を奏で、己に酔い痴れ、韻律の整いの評価をこそ何よりも気にかけるのだ。)
読者を案内するのは、ネロの寵臣でありながらも醒めた目でこの世を見据え、「趣味の審判者」と謳われるペトロニウス。舌先三寸どころか一寸の微妙な綾によって、おろかな皇帝を揶揄しつつ宮廷における一抹の良識となり、耽美と快楽を極めつつも常に終わりを見とおす。その美意識ゆえに政争に参加することも潔しとしなかったが、典雅な彼の存在は、日に日に皇帝にとって重荷となっていった。そしてついに終わりのときが。しかし最期まで舌鋒鋭くそして毅然と美しく。
数多の奴隷がかしずく贅沢三昧な貴族生活と、ペテロやパウロが人々に直接語りかけるキリスト教の「愛」。物質世界と精神世界を対比させながら、壮大な人間ドラマが展開していく。久しぶりに文学の美酒に酔う。