紙の本
児童書の名作
2024/03/29 13:25
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投稿者:うめのか - この投稿者のレビュー一覧を見る
一部ネタバレを含みます。
大人にも読んでほしい、児童書の中でも“考えさせられる”本。
まず設定から作者の頭の柔らかさを感じる。「ロボット」という言葉で連想するのは“人間の指示に従い、黙々と働く感情を持たない機械”だが、この本の主人公(ロズ)は野生化したロボット。主人公のロボット・ロズは、はじめロボットらしく論理的で機械的だったが、自然で生きる動物達と接しているうちに人間らしい、感情を持ったロボットとなっていく。ロボットというイメージを完全に覆されたような舞台設定には驚いた。
それだけではなく、ロズのロボットならではの考え方も面白かった。自然の中で生きていくために植物や地面などに擬態したり、動物の言葉を学んだり・・・と、人間ではなかなか思いつかないようなことを実践してくれる。人間とロボット、そして動物の価値観の違いを見直させられるような気がした。
紙の本
野生化したロボットとは何事か。
2021/07/26 18:22
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
続編の「帰れ野生のロボット」から読むという、変則的な読み方をしているが、それでもこのシリーズの好きなところはこの巻から始まっている。
まず、主人公が野生化したロボット、というのがすごい。
人工物の最たるものなはずのロボットが野生化するとは何事か。
読んでいくと、ロボットの学習機能をうまくつかって無理なく納得させられてしまう。
そして翻訳のうまさだと思うが、ロボットであるロズが、ガンのたまごを拾って母親としてふるまうようになり、次第に無性的だった人格が女性化していくように描かれているところがすごい。いつの間にかシームレスに女性化を受け入れてしまう。
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ロボット運送船が嵐で遭難し、箱に入れられた5つのロボットが無人島に漂着する。4つの箱は壊れ一つだけが島に打ち上げられる。好奇心に満ちたラッコたちがやってきて、箱をいじっているうちにロボットの起動ボタンを押してしまう。そして、ロボットが動き始める。
ロボット・ロズは、無人島で一人(一体?)動き始める。次の嵐の日に、ロズは強風で木から落ち卵を温めていたガンとその巣を壊してしまう。親鳥と卵も死んでしまうが、ただ一つ残った卵がかえりヒナが生まれる。ガンの雛は、ロズを母親と思い二人は家族として暮らし始める。
人工知能として野生動物たちの言葉を理解するロズ。冬になると仲間と南へ向かう雛(キラリ)を送り出すロズ。やがて南から帰ってきたキラリから、自分と同じようなロボットがいる他の土地を知る。そして、ロボット工場から嵐で失ったロボットを回収するロボットがやってくる。
SFというよりは、まさにファンタジー。サイエンス部分が無くはないのだが、ほっこりさせる。最後もロズがいつか帰還するのでは、という希望を持たせる終わり方です。
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子どもが必ず夢中になる本。と、帯に書かれていたが、大人にもオススメです。読後はホッコリ。前半部分は緩やかに進み後半部分はハラハラドキドキ最後は少しホロリとする場面もあり、小学生高学年ぐらいから読んでもらいたい本です。私としては、今話題のプログラミングについても考えさせられる内容でした。なるほど野生の動物は天然のプログラミングを持ち合わせている。そしてA I時代への警鐘なのか、作者はそのようなつもりでかいたのではないかもしれないが、ロボットの良い面と怖い面が描かれていて、これから大人になる子ども達には是非読んでもらいたい。しかし、最近このような本を読む子どもが減っているような気がするのは、私だけかしら。
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ロボットは、人間のために働くようにプログラムされていた。しかし、ロズは、無人島で自然や動物について学び、島の動物たちと仲良く暮らしながら、生あるものとしての心を育んでいく。
高学年向けファンタジー。
2018年刊
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優れた童話は、大人の読み手に色々な問題提起をしてくれます。こうゆうファンタシーとてもいいですね。ワシは大好きです。翻訳も秀逸。作者の方に感謝です!
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みんなと繋がれることって素晴らしいことで、人脈って大切と思った。
心温まるけど、現実もしっかり見せてくれる本でした。
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野生動物にふれて学習していくロボット。
そして、ガンの雛に出会うことで感情が芽生えていく様子が本当に感動的でした。
ちょっと悲しいラストだけれど、キラリにまた会えるといいなぁ。
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『野生のロボット』ピーター・ブラウン作・絵、前沢明枝訳
思いがけず野生のロボットの母性に共感。ロボットが人のいない森でその「命」をまっとうするなら、どうなるだろう?不器用なロボットの試行錯誤に、カナダ移民した頃の22歳の自分を重ねた。ロボットと動物たちが教えてくれる「家族」のかたち。#読書 #翻訳
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ロボット×ロビンソン・クルーソー×ニルスの不思議な旅×ピーター・ブラウン
沈没した船から無人島に打ちあげられた1台のロボット。
ビーバーのイタズラから起動スイッチが入り、目を覚ます。
最初は島の動物たちに怪物だと遠巻きにされていたが、ガンの子どものを育て始め、友だちを増やしていく。
家族、子どもの成長、友人、環境、自然の童話。
〇ラピュタの庭園も、こんな感じなのかな。
思春期を迎えたガンの子どもと母さん・ロボットが、とことん話し合う場面が良かった。
〇ビーバーの匠が、調整しながら義足を作るところはリアリティがあった。
〇たくさんの動物たちが擬人化していても、それぞれの動物らしさを残していた。
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「やさしいロボット」ものが好きなので
教えてもらうと手を出したくなる。
無人島に流れ着いたロボットと
それを親と慕う生まれたてのガン。
まるでロボット版のロビンソンのように
島の動物たちの助けを借りて
知恵をつけていき、仲間になっていく。
普通にただ物語を楽しんでもいいけど
時々、おや?と思わせる。
さりげなく、現代が抱える問題が
話の中に組み込まれている感じでした。
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人工知能ロボットのロズは、輸送途中の事故により無人島に流れ着いた。そこで生きていくため野生動物から学んでいく。
ガンの子どもキラリを育てることになり、子育ての仕方をまわりの動物に教わり、みんなに認められていく様は人の親と重なる。その一生懸命さにホロッとなる。
野生の中で人工のロズは異物だったが、受け入れられていくその過程は多くの示唆に富んでいる。
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船に積まれている荷物。
航海中に嵐が来て船が難破してしまう。
下へ
下へ
下へ
船はどんどん沈んでいく。
中の荷物のうち、たまたま5つだけ海の上に浮いた・・・が、4つは島にぶつかって砕けてしまう。
もう一つも同じように砕けそうになったが、ちょうど波が来て島に打ち上げられた。
少したち、海辺のラッコたちが箱の中身を漁ると、中にはツルツルしたものが入っていた。
最初は警戒していたラッコたちだが、動かないとわかると色々いじり始めた。
すると、1匹のラッコが頭の後ろにある何かを押した・・・瞬間に何か音がし始めた。
ラッコたちにはわからなかったが、
「こんにちは。わたしはROZZUM(ロッザム)7134型です。ロズと呼んでください。(略)」
と人間の言葉で言っているようだった。
そう、それはロボットだった。
ロボットは歩き出す。
が、森を歩くのは、容易くはない。
そう、ロボットが森の中を歩くように造られていないのは明らかだった。
それに、島の動物たちにも怪物呼ばわりされてしまう。
・・・が、あるロズの行動をきっかけに次第に動物たちはロズに心を開いていく・・・。
分厚いけど面白い本シリーズ(勝手に作った)
にも入っている本でとっても面白い!
作者の表現の仕方が半端ない!
「下へ
下へ
下へ」
とか、
「〇〇が〇〇をするために作られていないのは明らかだった」
とかも本の中にあったの真似したの。
とにかく面白いから読んでみて!
ほんと面白いから読んでみて!
ちなみに「帰れ野生のロボット」って言う続編も出てるから読んでみて!(自分もまだ読んでないくせに)
そういえばしれっとアイコン変えてる(2022・3・4に変えました)から見てみてね。
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やっぱりロボットというと自走しないといけない。更にはAI。そして無限エネルギー。
こうなると動力系では無敵なので、後は性格だけだけど、これが最高に性格が良いと来ているんだから、まぁ無敵でしょう。チートとというか。
そんな人類の夢と希望というか、欲望と煩悩が詰まった存在が、自然界でも受け入れられるというのは、ある意味必然と言えるのではなかろうか。
しかしこのご時世でもライフル持って鳥を撃つおっさんがいるというのが、アーミッシュ的な、時代に流されない格好良い大人として認知されているのかもしれない。奥が深い。
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森に漂流したロボットのロズ。森の中でロボットは異質。敬遠されるロズ。しかしひなを拾い育てるうちに森の仲間に助けられて徐々に森の一員になっていく。誰かが誰かのために働いてまわりまわってそれが自分に返ってくる。循環。巡る。