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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.4
- 出版社: 論創社
- サイズ:20cm/290p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8460-0663-8
紙の本
ママ、死体を発見す (論創海外ミステリ)
元ストリッパーでいまはブロードウェイ女優のジプシー・ローズ・リーが新婚旅行に出かけた。しかし、旅のお供に彼女の母親と、元同僚たちがついてきたのだから、さあ大変。そのうえ死...
ママ、死体を発見す (論創海外ミステリ)
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商品説明
元ストリッパーでいまはブロードウェイ女優のジプシー・ローズ・リーが新婚旅行に出かけた。しかし、旅のお供に彼女の母親と、元同僚たちがついてきたのだから、さあ大変。そのうえ死体まで…。その死体をめぐって繰り広げられるドタバタの大騒動。新婚旅行は一体どうなるのやら。人気ミステリ作家のクレイグ・ライスがジプシー・ローズ・リー名義で発表したとされるシリーズの二作目が待望の邦訳。森英俊氏によるライスファン必読の解説つき。【「BOOK」データベースの商品解説】
元ストリッパーでいまはブロードウェイ女優のジプシーが新婚旅行に出かけた。しかし、旅のお供に母親と元同僚たちがついてきたうえ、死体まで発見してしまい…。新婚旅行は一体どうなる? ライス別名義の未訳作、登場。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
クレイグ・ライス
- 略歴
- 〈クレイグ・ライス〉1908〜1957年。アメリカのシカゴ生まれ。女流作家。著書に「時計は三時に止まる」「スイート・ホーム殺人事件」など。
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紙の本
いやいや、これは紛れもなくライス。ミステリじゃなくたって充分か。
2006/06/11 00:02
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
それはいかんでしょ、と思った。クレイグ・ライスの代筆であると言われているからと言って、それを堂々と「クレイグ・ライス著」と銘打って売り出すのは反則ではないか? 元々出版された時のように「ジプシー・ローズ・リー著」とした上で、帯にでも「クレイグ・ライス著と言われている」と書いておくか、せいぜい著者名の横に括弧して(クレイグ・ライス)と書いておくぐらいが許される限界ではないだろうか?
などと思いながら読み始めたのだが、いやいや、これは紛れもなくクレイグ・ライスだ。彼女のファンであればちょっと読めばすぐに確信するだろう。あまりのライスらしさに読んでいて笑いがこみ上げてくるくらいだ。
多分、本格ミステリ・ファン、正統派ミステリ愛好家がこれを読んだら許せないだろうなあ。このいい加減な筋運び、ご都合主義の謎解き。きっと「こんなもん、ミステリじゃない!」って言うんだろうなあ、と思う。
これがミステリかどうかを議論しても仕方がないが、少なくともゆる〜いミステリであることは間違いない。そして、その緩さを埋めているのがライス特有の人間描写である。適宜にデフォルメしてあって、小さなことで大騒ぎする憎めない人たち。ライスの代表作であるジャスタス夫妻もの(シリーズ1作目ではまだ夫婦ではないが)におけるヘレン&ジェイク・ジャスタスや、ダニエル・フォン・フラナガン警部補、天使のシティホール・バーのジョー、葬儀屋のリコ・ディアンジェロみたいに個性的で愉快な人物で溢れかえると言うほどではないが、この作品においては主人公であるジプシー・ローズの母親がともかく異彩を放っている。彼女が第1の死体の発見者なのだが、常に余計なことをして事件を混乱させてくれる。その性癖を知っているだけに娘のジプシーは余計に勘ぐって推理が混乱する。他にも芸人やストリッパーなどあまり見上げた存在ではないだけに笑いを誘う登場人物たちが彩ってさらにストーリーは混乱する。ジプシーの夫のビフだけが冷静に謎解きを進めるのである。
あとがきを読むまで知らなかったのだが、こういう小説を「スクリューボール・コメディ」と呼ぶのだそうである。そうだな、ミステリじゃなくたって縦横無尽のスクリューボール・コメディだというだけで充分か。それにライスらしい味付けが随所に見られるし。いや満足満足。
by yama-a 賢い言葉のWeb