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商品説明
子宮内胎児死亡のため、妊娠34週で死産した。泣き声をあげることのなかった子どもに、もう一度会うために。暗くて静かでちょっとあたたかい夜の海みたいなこの部屋を出て、私と夫は旅に出た−。妊娠中の日記を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
妊娠34週、子宮内胎児死亡。
もう少しで産まれるはずだった娘「小夏」を死産した。
死産前夜から宣告の瞬間、心臓を止めた赤ん坊の出産。赤ん坊がこの手にいない産褥期、夫婦で耐える日々。新生活の準備が整っていた部屋で否応無く始まる日常、そして夫と二人で抱える孤独。
「私」の手元にそのとき有効なお手本はなかった。どうすればこの難局を切り抜けられるのか。朝起きるのでさえ苦痛を伴うこの毎日を。それでも、赤ん坊の記憶を抱いて生きていくしかない。
そのときの「私」の希望はただ一つ、「私」のような体験をした人がその後どのように日々を歩んでいったのか。それを知りたかった。それだけだった。
日々克明な日記をつけていた筆者が、そのときのことばを再編集。情けない弱音も、失意の中の小さな笑いも、黒い気持ちもそのままに。そしてリアルで切なる手記ができました。妊娠経験のある女性の、実に41%(※)が流産や死産を体験しているという現代において、かならず誰かの心の拠り所になる、これはそんな本です。
※NHK福岡「九州沖縄インサイド」(2010年9月24日放送)より【商品解説】
目次
- はじめに
- 1章 その瞬間のこと。
- 2章 転院。
- 3章 産まれる。
- 4章 誕生と葬式。
- 5章 ここは棺桶ではなかった。
- 6章 私の中を確かに通り過ぎたもの。
- 7章 子どものいない産褥期。
- 8章 月命日を数える。
- 9章 あの暗い闇の一番奥へ、もう一度。
著者紹介
川上 夏子
- 略歴
- 〈川上夏子〉1974年生まれ。福岡県出身。グラフィックデザイナー。著書に「ぼくらのいえができるまでできてから」「福岡のまいにちごはん」など。
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