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商品説明
【ことばと新人賞(第4回)】顔も知らない人と待ち合わせをする羽目になった俺、水上。この人と思ったキザキさんは別の男と去ってゆき、代わりに現れたサカナさんに誘われままに居酒屋で飲み明かし…。『ことばと』掲載に書き下ろし「Maxとき」を併録。【「TRC MARC」の商品解説】
知り合いから頼まれて顔も知らない人と待ち合わせをする羽目になった俺(水上)。この人と思ったキザキさんは別の男と去ってゆき、代わりに現れたサカナさんに誘われるままに不思議な居酒屋で飲み明かし、まさに迷宮にはまり込んでゆく、心理的ロードムービーのような作品。ほかに書き下ろし「Maxとき」も収録。【商品解説】
収録作品一覧
銭湯 | 3−116 | |
---|---|---|
Maxとき | 117−219 |
著者紹介
福田 節郎
- 略歴
- 〈福田節郎〉神奈川県生まれ。「銭湯」で第4回ことばと新人賞受賞。
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紙の本
混乱するけどたのしい
2023/06/10 13:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:するめいか - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作はけっこう頭の中なかがわちゃわちゃになった。でもそれが不快な感じではなくて、なんだろう、大人数のバンドを聴いているみたいな、いろんなところでいろんな音が鳴っている感じというか。けどそれで大層な音楽を奏でているよりは、すごくミニマルなパターンの繰り返しのなかにちょこちょこ変なフレーズが、突飛なメロディが聞こえてくるような感じ。わちゃわちゃしながらも最後まで読み通せたのは、文章のリズムとか、書かれていることのくだらなさが私とあっていたからかもしれない。
紙の本
繰り返される与太話
2023/06/06 11:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:madai - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった。表題作の饒舌な文体や劇的なことは特に起きないあらすじは好みがわかれそうだが、個人的にはかなりツボだった。世相や社会状況を描くことによる問題提起も小説の大事な役割だけど、こういうたただだ笑えるだけ(褒めています)の小説があってもいいと思う。というか、もっと沢山あって欲しい。しかし笑えるといっても、コントや漫才のような組み立てられた面白さではない。知り合いが「面白いことがあってね」と体験したことを話すような、日常的な面白さと言えばいいのか。だから、それがまったく伝わらなかったり、「だからなんなの?」としらけてしまいそうな人も多いと思う。小説の語り手もずっと聞き役というか、繰り返される与太話にあきれたり、つっこんだり、ウケたりしている。ほとんど誰かが何かを話し、語り手がそれを聞き、なんらかの態度を示すというその繰り返しだ。でも自分はそれに飽きることなく、最後まで面白かった。最後の最後のちょっとしたオチは胸に迫るものがあった。こういう小説を読むと率直に嬉しく、なんか自分の生活もそう悪くはない気がしてくる。一緒におさまっている「Maxとき」は表題作とは少し毛色がだいぶ違ったけど、こちらは普通に読み物として楽しかった。