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商品説明
「男らしいスポーツ」の世界で活躍するたくましい「女性アスリート」達はどう語られたのか。日本の女子スポーツ界を取り囲む家父長制的、国民主義的、異性愛主義的、シスジェンダー主義的言説を明らかにし、抑圧の構造に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
「女らしくしろ」「女になるな」
日本の女子選手たちは、男子選手ならば経験することのない、こうした矛盾した要求を突きつけられる。なでしこジャパン、女子レスリング……2000年代以降、かつて「男の領域」とされたスポーツで活躍する女子選手の姿をメディアで多く目にするようになった。
強靭な身体と高度な技能、苦しい練習を耐えるタフな精神力や自律が要求されるエリートスポーツの世界。その中でも「男らしいスポーツ」とされるサッカーとレスリングの世界で活躍するたくましい「女性アスリート」たちはどう語られたのか。メディアの語りから見えてくる「想像の」日本人の姿とは。そこに潜むコロニアリティとは。また、トランスジェンダーへの差別が絶えない社会で、トランスジェンダーやシスジェンダーでない選手たちは、女子スポーツの空間や「体育会系女子」をめぐる言説とどのように折り合いをつけ、スポーツ界に居場所を見出してきたのだろうか。
本書は、日本の女子スポーツ界を取り囲む家父長制的、国民主義的、異性愛主義的、そしてシスジェンダー主義的言説を明らかにし、抑圧の構造に迫る。同時に、その抑圧的環境を創造的に克服してきた選手たちにスポットライトを当てることで、「生きることのできるアイデンティティ(livable identity)」、そしてより多くの可能性に開かれた主体性(subjectivity)のあり方を探る。【商品解説】
目次
- 第Ⅰ部 いくつかの前提
- 第一章 本研究の位置付けと理論的枠組みの検討
- 第二章 「男性的」スポーツをする日本女子選手の主体へのアプローチ
- 第Ⅱ部 メディア言説構築
- 第三章 男性的スポーツと女子選手の言説構築とそのトラブル
- 第四章 「日本人」の身体をめぐる言説とコロニアリティ
- 第Ⅲ部 言説の物質化と身体、主体性
- 第五章 スポーツと性差別、ジェンダー規範との折衝
- 第六章 シスジェンダー主義、トランス嫌悪、規範的トランス言説との折衝
- 終章 スポーツ・フェミニズム・クィア
著者紹介
井谷 聡子
- 略歴
- 〈井谷聡子〉1982年生まれ。トロント大学博士課程修了。関西大学文学部准教授。専門はスポーツとジェンダー・セクシュアリティ研究。
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さすがは大学准教授・参考文献がたくさん
2021/04/13 06:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
スポーツを通して、ジェンダー問題を説いた1冊です。
後半、実際にスポーツに励んだ女性たちを「研究協力者」として呼び、対談を踏まえた文章になっていきます。対談の最後は、いわゆるトランスジェンダー論の対談になっていきます。
さすがは著者、大学准教授らしく、大変読みやすい内容です。また、参考文献や各章に用いた文章の「注」の項目がたくさんあり、しっかり裏付けをしてから論じていることに感心しました。見習いたいです。