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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/11/01
- 出版社: たばこ総合研究センター
- サイズ:26cm/94p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-88065-535-2
紙の本
談 Speak,Talk,and Think no.125(2022) 特集ゆらぐハーモニー…調性・和声・響き
著者 伊藤 友計,源河 亨,沼野 雄司,たばこ総合研究センター (編集)
「音楽」のなかでも西洋のクラシック音楽に焦点を絞り、調性的和声音楽における「ハーモニー」の「美しさ」が絶対的なものではないことを解明。さらに、音楽と感情の関係、ハーモニー...
談 Speak,Talk,and Think no.125(2022) 特集ゆらぐハーモニー…調性・和声・響き
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商品説明
「音楽」のなかでも西洋のクラシック音楽に焦点を絞り、調性的和声音楽における「ハーモニー」の「美しさ」が絶対的なものではないことを解明。さらに、音楽と感情の関係、ハーモニーや響きの未来について語る。【「TRC MARC」の商品解説】
ハーモニーの語源は、ギリシャ神話の調和の女神「ハルモリア(harmonia)」で、「和音」あるいは「和声」などと訳され、時には「調性(tonality)」そのものを指す場合もある。和音(chord)は、ドミソやシレソのように、複数の楽音がタテに同時に響いてひとつの集合音になっている二次元の「単体」の状態のことであるが、和声(harmony)は、和音を構成するそれぞれの音(声部)の動き方や並び方、およびその組み合わせを指し、いわば、三次元となった「複合体」のこと。ひとつの「音」の横の並びが「メロディ(旋律)」、複数の音の重なり具合が「ハーモニー(和声)」、タテに並んだ瞬間の組み合わせが「コード(和音)」、そしてそれらの体系や秩序が「調性」ということになる。つまり、西洋クラシック音楽が体系付けた「ハーモニー(調性のシステム)」というのは、複数の音が「協和する」関係にある(と人間が認識する)ことであり、「音楽表現」とは、それを人為的に変化(操作)させることだといえる。ゆえに、「協和」の探求こそハーモニーにとって最も根源的で普遍的な問題なのだ。
「響き合いの世界」の2回目は、西洋近代(=西洋クラシック音楽)を基礎付ける最重要概念「ハーモニー」を考察する。ハーモニーは、はたして「自然」なのか。そして何よりも「ハーモニー」に未来はあるのか。【商品解説】
目次
- 〈音楽と自然〉「和声的調性音楽は“自然”なのか…自然は楽器も音階も和音もつくらない」
- 伊藤友計(東京藝術大学、明治大学非常勤講師)
- 現代の調性は、モンテベルディの革新によって現出し、理論面においては、1722年のラモーの『和声論』によって決定的に定位されるところとなった。もとより、音楽を考えるにあたって、拍子やリズム、音色や音色が重要であるのは言うまでもないが、西洋音楽という輪郭を明確にかたち付けたという点で、「調」「調性」「和声」の発見/発明は決定的であった。
- 和声的調性音楽は、ひとつの予定調和の世界をつくりあげている。しかし、予定調和の音楽が、和声的調性の音楽でなければならない理由はない。閉じられた予定調和の外には計り知れない数の音楽が存在し、現にそうした「外を目指す音楽」は、日々量産され続けていることも、事実である。にもかかわらず、人々が耳にする音楽の大半は、いまだに和声的調整音楽である。われわれの意識のなかでは、「音楽=自然」という不動の等式すらでき上がってしまっているようにも思える。
- 和声的調整音楽の圧倒的浸透力。「調」「調性」「和声」の誕生、成立、発展を追いながら、その浸透力の秘密に迫る。なお、サブタイトルの文言は『和声の理論』の著者M.シャーロウによる。
- 〈音楽美学と心の哲学〉「悲しい時に無性に悲しい曲が聴きたくなるのはなぜ?…音楽と情動の不思議な関係」
- 源河亨(九州大学大学院比較社会文化研究院講師)
著者紹介
伊藤 友計
- 略歴
- 1973年生まれ。東京藝術大学、明治大学非常勤講師。著書に『西洋音楽の正体:調と和声の不思議を探る』(講談社選書メチエ 2021)、『西洋音楽理論にみるラモーの軌跡:数・科学・音楽をめぐる栄光と挫折』(音楽之友社 2020)、訳書に『自然の諸原理に還元された和声論』J.-Ph.ラモー(音楽之友社 2018)他
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