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紙の本
キイチゴの世界 生活史の多様性とその適応・進化
著者 鈴木 和次郎 (著)
世界の様々な環境のもとで生育するキイチゴ属種の生活史の多様さを記録し、それを通じ生存戦略を考察する。日本産キイチゴ類の分布・生活史、キイチゴ属個体群の構造と動態、世界のキ...
キイチゴの世界 生活史の多様性とその適応・進化
キイチゴの世界
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商品説明
世界の様々な環境のもとで生育するキイチゴ属種の生活史の多様さを記録し、それを通じ生存戦略を考察する。日本産キイチゴ類の分布・生活史、キイチゴ属個体群の構造と動態、世界のキイチゴ、キイチゴの資源利用などを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
イチゴ属の生活史の多様性を明らかにするため、国内外の山野を歩き調べた研究ノート。【商品解説】
目次
- 和次郎版「キイチゴの世界」発刊に寄せて―和次郎さん、茨木苺の道をゆく 3
- 第1章 キイチゴ属の研究前史 9
- 1.キイチゴとの出会い 9
- 2.河野昭一先生のもとで種生物学を学ぶ 14
- 第2章 キイチゴとは何か? 19
- 1.形態分類 19
- 2.染色体数からみた系統分類 23
- 3.分子生物学的な系統分類 26
著者紹介
鈴木 和次郎
- 略歴
- 〈鈴木和次郎〉1950年生まれ。宇都宮大学大学院農学研究科(林学)修了。独立行政法人森林総合研究所等に勤務。定年退職後は、ユネスコのMAB計画における「生物圏保存地域」の登録と関連事業に携わる。
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キイチゴ属の「特徴的な増え方」研究
2021/09/07 17:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
キイチゴ。ナワシロイチゴやカジイチゴなど、粒々の集まりでできたイチゴの研究をまとめた本である。
1=4章は基本的な知識のまとめ、5章からの生活史詳述が著者の独自の研究。最後のいくつかの章は著者の旅行記や随想のような部分が多いが、全体をとおして著者の地道だが熱のこもった研究調査の経緯が伝わってくる。
キイチゴはちょっと簡単に「こういうもの」と言い切れない一群のようである。
あるものは草本、あるものは木本。木本に分けられていても大木にはならず、株から出た枝は数年で枯れる。栄養繁殖をするが、その規則性を何年もかけて追いかけた研究がなかなか興味深かった。地上茎で(普通の食用のイチゴのように)増える形もあれば地下茎から新しい株を作る種、両方を行なう種もある。
棘だらけであまり研究する人もなかったのだろう、よく見かける植物なのにあまり知られていないその生態。こういうものを調べていくと、定義というものは「とりあえずわかりやすくするためのもの」でしかないのかな、と思えて興味深かった。