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- カテゴリ:一般
- 発売日:2014/09/25
- 出版社: 桃山堂
- サイズ:19cm/246p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-905342-04-5
紙の本
黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神
黒田氏は目薬商いで財をなし、その後の飛躍につながる土台をつくった−。黒田一族の来歴と目薬伝説の背景を、眼科医学史、金属考古学、民俗学、地名学などの専門家が読み解き、黒田官...
黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神
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商品説明
黒田氏は目薬商いで財をなし、その後の飛躍につながる土台をつくった−。黒田一族の来歴と目薬伝説の背景を、眼科医学史、金属考古学、民俗学、地名学などの専門家が読み解き、黒田官兵衛を生んだ歴史的風土とは何かを考える。【「TRC MARC」の商品解説】
黒田官兵衛の一族は各地を流浪し、住む家もない貧窮の底にあったが、家伝の目薬によって財をなし、その後の飛躍につながる土台をつくった──。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』によって、姫路市の広峯神社を舞台とする黒田家の目薬商いはすっかり有名になりましたが、これが史実かどうかについては賛否両論があります。この話をはじめ官兵衛の所伝には虚実不明の話が多いのですが、眼科医学史、金属考古学、民俗学、地名研究、系図研究など各分野の専門家が伝説の背景から、黒田官兵衛を生んだ歴史的風土とは何かを考えています。
そのひとつは、播磨国における鉄をはじめとする金属の文化です。地名研究者からは、黒田は「鉄」にかかわる地名であり、その居住地を苗字とした一族が黒田氏であるという見解が示されています。黒田氏と鉄の文化とのかかわりを検討することは、本書の柱のひとつです。
黒田家の目薬伝説を信仰という切り口からも探ってみました。
「目」の信仰は「鉄」の文化とかかわり、一つ目で足なえ(片足)の金属神が鍛冶に信仰されていました。この信仰を踏まえると、目薬伝説と官兵衛が足なえと伝わることは関係あるようにも見えます。古代の金属神である一つ目の神は中世において忘却された存在でしたが、戦国時代、金属への需要の拡大を背景として再び、信仰の対象として復活したといいます。没落していた一族の復活を記す黒田一族の目薬伝説と共通する要素があります。
官兵衛は有岡城幽閉のあと、足を傷め、歩行が不自由になったといわれていますが、これが史実かどうかもはっきりしません。武田信玄の軍師・山本勘助も官兵衛と同じく、「大河ドラマ」の主役でしたが、二人には足なえの軍師という共通点があります。死の直前のヤマトタケルも歩行不自由者です。足なえの英雄、足なえの神としての官兵衛も本書の検討対象です。
本書は8人の専門家による語り起こしの論考集です。「目」と「鉄」をキーワードとして、ふだんあまり耳にしない黒田一族にまつわる話を集めました。黒田氏をめぐる現代の説話集のようなもので、このほかの話題は以下のとおりです。
広峯神社の宮司家(広峯氏)の遠祖は、一つ目の金属神を祀っていた/黒田氏の祖地(兵庫、岡山、滋賀)にはそろって一つ目の神が鎮座/民謡「黒田節」を民俗学的に分析し、聖なる槍の物語として読み解く/山中鹿介と黒田官兵衛は血縁者かもしれない?豪商鴻池系図の謎。【商品解説】
目次
- ■第一章 戦国時代と眼科医学 奥沢康正
- なぜ、尾張は眼科医学の先進地だったのか/眼球鉄症/信仰と医療のあいだ/ヘボン博士の目薬
- [関連資料を読む]
- 鉄の神は眼病の神/播磨の信仰としての一つ目の神
- ■ 第二章 鉄の地名としての黒田 浦上宏
- きわめて個人的な研究/備前黒田氏の系図に書かれた官兵衛の「兄」/地名から探る歴史的風土〜鉄の国としての備前/福岡、黒田は鉄地名/刀工と一つ目の神/浦上氏と黒田氏
- [関連資料を読む]
- 近江から備前へ/出雲の黒田は製鉄神の聖地
著者紹介
桃山堂
- 略歴
- 眼科医。眼科に関する医学史研究の第一人者。京都市の生家は天保年間からつづく眼科専門の医家。『眼科医家人名辞書』の著者。
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