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商品説明
過去2回の米朝合意が破綻した背景や、北朝鮮問題により関係主要国が複雑骨折のような状態にあることを分析。さらに北朝鮮における悲惨な人権蹂躙の模様を詳述し、「戦略的虚構」を活用して問題を乗り越えることを提案する。【「TRC MARC」の商品解説】
いまの北朝鮮は、戦前の日本に似ている。ならば、戦後の日本を世界が受け入れた「虚構」(フィクション)のなかに、北朝鮮問題のジレンマを乗り越える鍵があるはずだ。本書はその「虚構」とは何か、それをどうすれば北朝鮮問題に活かせるのかを説く。日本が果たせる役割は大きく、それによって得られる果実も大きい。
無数の北朝鮮本が出版されているので、読者はまたかと思うかもしれません。北朝鮮を批判するにせよ、擁護するにせよ(これはほとんどないと思いますが)、論点は出つくしたと思われているかもしれません。しかし、この本は違います。
第1章で、過去2回の米朝合意が破綻した背景を掘り下げ、第2章で、北朝鮮問題によって日本を含む関係主要国すべてが複雑骨折のような状態にあることを分析し、第3章で、世襲制独裁の異常国家・北朝鮮で行われている悲惨な人権蹂躙の模様を詳述します。
まるで解決不能であることを論じるためのような材料をこれでもかと提示したあと、最後の第4章で、著者は「戦略的虚構」を活用して問題を乗り越えよ、と提案します。解決不能の度が深いからこそ、この「虚構」が成立する可能性があるという、意表を衝く提案が新鮮です。
内田樹氏(思想家)すいせん
「北朝鮮における人権侵害を抑制しながら、体制保証によって非核化を達成することは可能か? このきわめて困難な(ほとんど不可能な)課題に本書は驚くべき解を提示します。松竹さんのリアリスティックでかつロマンティックなアイディアに僕は同意の一票を投じます」
第1章 また同じ挫折を繰り返すのか――ジレンマの歴史
1 北朝鮮の核開発はこうして始まった
2 第一次核危機と「米朝枠組み合意」
3 第二次核危機と六カ国協議
4 米朝両国の努力にもかかわらず
第2章 「非核化」と「体制保証」は両立できるのか――ジレンマの連鎖
1 北朝鮮の非核化に潜むジレンマ
2 「体制保証」それ自体のジレンマ
3 非核化と体制保証のジレンマ
4 主要関係国それぞれのジレンマ
第3章 北朝鮮の人権問題をどう考えるべきか――ジレンマの底流
1 「ヒトラーの体制でも保証するのか」という問い
2 「ナチスよりまし」とはいえない北朝鮮の実態
3 ポリティサイド国家はこうして生まれた
4 「体制を保証してはならない」という勧告
第4章 日本は「戦略的虚構」による解決をめざせ――ジレンマの克服
1 体制の保証と改革を両立させた日本の先例
2 日本は核問題で本当の橋渡しができる
3 北朝鮮への経済援助は日本の利益になる
4 拉致問題でマイナスをプラスに変える戦略…【商品解説】
目次
- 第1章 また同じ挫折を繰り返すのか――ジレンマの歴史
- 1 北朝鮮の核開発はこうして始まった
- 2 第一次核危機と「米朝枠組み合意」
- 3 第二次核危機と六カ国協議
- 4 米朝両国の努力にもかかわらず
- 第2章 「非核化」と「体制保証」は両立できるのか――ジレンマの連鎖
- 1 北朝鮮の非核化に潜むジレンマ
- 2 「体制保証」それ自体のジレンマ
- 3 非核化と体制保証のジレンマ
著者紹介
松竹 伸幸
- 略歴
- 〈松竹伸幸〉1955年長崎県生まれ。一橋大学社会学部卒。編集者・ジャーナリスト、日本平和学会会員、「自衛隊を活かす会」事務局長。著書に「改憲的護憲論」「対米従属の謎」など。
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読むところは最後だけ
2021/07/05 17:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
民青の専従から日本共産党の幹部になった人による北朝鮮論だが、書かれている事が珍しい、というわけではない。最終章にあたる「わが体験的北朝鮮論ーあとがきに代えて」のみ興味深い。言及されている「凍土の共和国」で解説を書いた佐藤勝巳の「わが体験的朝鮮問題」は文中(334頁)に紹介されているので、この本を読んでいなくても存在は知っているはずだ。「三十八度線の北」の著者の寺尾五郎に近い「中国派」として日本共産党から追い出された人の書名を借りているのは分かるが、「わが体験的朝鮮問題」に見られる自分の意思で物を考える人とは違いを感じてしまう。先輩格の萩原遼や著者と面識がありそうな兵藤達吉に対する日本共産党の所業を見てしまうと、日本共産党の「ソルジェニーツィンやサハロフに対するソ連共産党の人権侵害」批判は色褪せて、日本共産党と朝鮮労働党に共通するレーニン・スターリン的な遺伝子を感じてしまう。何しろ同じ頃に立花隆の「日本共産党の研究」を「特高史観」と罵倒していたのだから。著者は大学生だったのだから知らないはずはないだろう。
それはともかく、党中央の幹部が読むべきと指導された本で日本共産党がソ連批判をしている、と知ったとあるが、別に中国式に言えば「内部発行」の本ではなく誰でも読もうと思えば書店で買える本なので、日本共産党員は党が指定した本しか読めないのか。「わが体験的朝鮮問題」にある党中央の幹部が書いた論文を末端の党員は読んでも理解するのが精一杯というのは昭和30年代の記述だが、今でも事情はそう変わらないのだろうか。講演会で「北朝鮮はそんなに悪い国ではない」という質問を受ける事があったというのは、党中央では北朝鮮を批判していても表向きには北朝鮮を批判しなかったからだ。