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商品説明
通州事件でなぜ225名もの日本人居留民が無惨に殺害されたのか? 事件は当時の日中関係や日中戦争全体にどのような影響を及ぼしたのか? 気鋭の歴史学者が、実証的見地からその全貌を捉え直す。インタビュー資料等も採録。〔初版:星海社 2016年刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
憎しみの連鎖を断ち切るためには、実証的に知ることが必要だ
盧溝橋事件による日中戦争開始から約三週間後の一九三七年七月二九日。北京にほど近い通州で、日本の傀儡政権である「冀東政権」麾下の中国人部隊・保安隊が突如反乱を起こした。
「通州事件」と呼ばれるこの反乱によって、二二五名の日本居留民(うち一一一名が朝鮮人)が殺害された。
現在の日本国内における通州事件に対する認識と議論は、残念ながら日本居留民の殺害のみに着目し、中国人兵士の残虐さを強調し、ひいては中国そのものへの憎悪を煽るプロバガンダ、あるいはヘイトスピーチの水準にとどまるものがほとんどである。
本書は、通州事件の原因や予兆の有無、責任の所在、弔慰金における日朝格差、報道機関によるプロパガンダ利用、被害者家族のその後──こうした諸問題について、資料に基づき実証的な見地からその全貌を捉えなおすものである。
事件発生から八五年が経過しようとしている。隣国への憎悪を煽るためでなく、断ち切るためにこそ通州事件を知り、繰り返さないこと──それこそが、後世に生きる我々のつとめではないだろうか。
※本書は2016年に星海社より刊行された『通州事件 日中戦争泥沼化への道』を大幅に改訂のうえ、新たに第四章、辻田真佐憲氏によるコラム、資料編を加え、再編集を行なったものです。【商品解説】
目次
- 増補新版刊行にあたって
- 凡例
- 第一章 通州事件前史
- コラム 親日傀儡政権を打倒せよ! 中共の抗日秘密工作
- 第二章 通州事件の経過
- コラム 今に遺る通州事件の痕跡
- 第三章 通州事件に残る疑問
- コラム 通州事件の歴史写真をめぐって
- 第四章 通州事件被害者家族の戦後
- コラム 楽土冀東は夢なりき 親日支那政権と軍歌について(辻田真佐憲)
著者紹介
広中 一成
- 略歴
- 〈広中一成〉1978年愛知県生まれ。愛知大学大学院中国研究科博士後期課程修了。愛知学院大学文学部歴史学科准教授。博士(中国研究)。著書に「傀儡政権」「後期日中戦争」など。
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これでは困る
2022/07/14 12:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧版には言及していなかった「天皇さまが泣いてござった」に収録されている「佐々木テン証言」なるものに「資料的価値」を認めて言及している。
「天皇さまが泣いてござった」は奥付によると平成9年に刊行されたとある。この本には昭和60年に故人となった入江相政侍従長が「序文」を寄稿した事になっていて、平成7年に故人となった永積寅彦元掌典長が「現存者」のような形で「序文」を寄稿した事になっている。一方、「佐々木テン証言」なるものには「五十年を過ぎた今でも」(142頁)とあるので、概数ならば多少のズレはあるとしても、常識的に見れば昭和62年に聞き書きされたものとなる。つまり「入江序文」→「佐々木テン証言」→「永積序文」という順序になる。
「天皇さまが泣いてござった」は因通寺に問い合わせて購入したが、一般には流通していない本なので、通州事件ものの読者は読んでいる人は少ないだろう。せいぜい「佐々木テン証言」なるものを抜き刷りしたような自由社の「通州事件 目撃者の証言」止まりだろう。仮に「佐々木テン証言」なるものに「資料的価値」を認めるとしたら、「天皇さまが泣いてござった」の問題点は指摘すべきだ。そうでないとオカルト本に「資料的価値」を認めてしまうようなものだ。