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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.8 5件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2022/06/22
  • 出版社: クオン
  • サイズ:20cm/189p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-910214-28-3

紙の本

引き出しに夕方をしまっておいた (セレクション韓・詩)

著者 ハン ガン (著),きむ ふな (訳),斎藤 真理子 (訳)

ある日 運命が訪ねてきて 私に声をかけ 私があなたの運命なのだよ、私のことが気に入ったかい、と尋ねるなら 私は静かに彼を抱きしめて ずっとそうしていることだろう。(「序詩...

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引き出しに夕方をしまっておいた (セレクション韓・詩)

税込 2,420 22pt

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商品説明

ある日 運命が訪ねてきて 私に声をかけ 私があなたの運命なのだよ、私のことが気に入ったかい、と尋ねるなら 私は静かに彼を抱きしめて ずっとそうしていることだろう。(「序詩」より) 小説家が綴った詩集。【「TRC MARC」の商品解説】

回復に導く詩の言葉

ハン・ガンによる詩60篇を、著者の小説を手掛けてきた翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳により刊行。
巻末に収録した翻訳家対談では、韓国における詩の受容や詩人としてのハン・ガンなど、広く深みのある話が繰り広げられており読者を韓国の詩の世界へ誘う格好のガイドとなっている。
...........................................

ハン・ガンの小説は美しく、同時に力がある。
繊細さだけではなく強さがある。
その元にあるものがこの詩にあらわれている。
――斎藤真理子

ハン・ガンにとって詩は
内密な自分自身の声に正直なもの。
詩を書くことで、心身のバランスや
問いを直視し続ける力を回復していく。
――きむ ふな
...........................................【商品解説】

目次

  • 一部 明け方に聞いた歌
  • 二部 解剖劇場
  • 三部 夜の葉
  • 四部 鏡のむこうの冬
  • 五部 真っ暗なともしびの家
  • 対談 回復の過程に導く詩の言葉──訳者あとがきにかえて

著者紹介

ハン ガン

略歴
〈ハンガン〉1970年韓国生まれ。延世大学国文学科卒業。作家。2005年、李箱文学賞受賞。「菜食主義者」で2016年にアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞。

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書店員レビュー

固まった詩

ジュンク堂書店福岡店スタッフさん

登場人物がつらい境遇にいることが多くても、雪のように美しい小説があります。ハン・ガンさんの小説は、まさにそれだと思っています。
この本はハン・ガンさんの詩を集めた本。小説でも、いくつもいくつも心に残って、読んだ翌日も、その翌日も甦ってくる言葉がありますが、詩を読んだら、いったいどうなってしまうのだろうと思っていました。
「血を流す目」という詩で、彼女は「私は血を流す目を持っている」とつづります。目から流れるのは通常涙であり、血ではありません。比喩だとしても、血を流すしかない状況というのは、きっと普通ではない。しかし、そのことについて彼女は多くを語りません。読み進むたびに、口に、複雑な味のする固いものを、何個もつめこまれたような感覚になります。わかろうとするけれど、あまりにも濃くて飲み込めません。スープのような彼女の小説が、さらに凝固したコンソメになって、次々にそれを噛み砕いているみたいだな、と思いました。

みんなのレビュー5件

みんなの評価4.8

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

間(あわい)の時間

2022/10/22 16:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:林濤 - この投稿者のレビュー一覧を見る

私もやはり若いころ、葡萄色の夕暮れを心の引き出しにしまった記憶がある。
夕方、それは学校や職場から解放されて自分だけでいられる時間だ。それに家庭での
役割も果たさなくてよい自由な時間。ぽっかり空いた時間。
 そうした間の時間帯に日常生活では表現し尽せない本当の自分が現れる。それは
おどろおどろした血みどろの世界かもしれず、切ない思いかもしれない。
 この詩集は、多くの隠された自分を発見しようとしている読者自身の夕方を思い出させてくれる、大切な一冊。できれば同じ著者の『採食主義者』も併せて読むと、もっと
理解が深まるだろう。

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