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- カテゴリ:一般
- 発売日:2021/08/10
- 出版社: 岩波書店
- レーベル: 岩波科学ライブラリー
- サイズ:19cm/128p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-00-029706-6
紙の本
カイメン すてきなスカスカ (岩波科学ライブラリー 生きもの)
著者 椿 玲未 (著)
脳も心臓も胃腸もない。どこを切ってもスッカスカ。そんな存在感のないカイメンが、生態系を牛耳っていた!? サンゴ礁の海も、世界一透明な湖も、彼らなしには成り立たない。人間も...
カイメン すてきなスカスカ (岩波科学ライブラリー 生きもの)
カイメン
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商品説明
脳も心臓も胃腸もない。どこを切ってもスッカスカ。そんな存在感のないカイメンが、生態系を牛耳っていた!? サンゴ礁の海も、世界一透明な湖も、彼らなしには成り立たない。人間も紀元前から利用してきた、その正体に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
脳も心臓も胃腸もない。どこを切ってもスッカスカ。動物?植物?そもそも生物? 海に行けば普通にいるが、印象が薄い。そんな存在感のないカイメンが、じつは生態系を牛耳る黒幕だった?! サンゴ礁の海も世界一透明な湖も、彼らなしには成り立たない。人間も紀元前から利用してきた。ジミにすごい正体にせまる。【カラー頁多数】【商品解説】
目次
- はじめに
- カイメンギャラリー/カイメンの世界/暮らしのなかのカイメン/カイメンの生活環
- 第1章 ヒトとカイメン
- 歴史の影にカイメンあり/カイメン漁師の栄枯盛衰/甘くはない養殖への道のり/カイメンから薬をつくる/カイロウドウケツの契り/美しいだけではない、形に隠された意味
- COFFEE BREAK 那覇の繁華街でカイロウドウケツに出会う
- 第2章 生き物としてのカイメン
- スカスカの体は何のため?/カイメンは動物/最古の動物はカイメン? クシクラゲ??/現生カイメンの系統関係/スカスカと巨大化の深い関係/すりつぶしても死なない/体を支える骨格/カイメンのふえ方/海を漂う幼生
著者紹介
椿 玲未
- 略歴
- 〈椿玲未〉1985年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科で博士(人間・環境学)を取得。サイエンスライター。東京大学総合研究博物館、海洋研究開発機構でカイメンの研究も進める。
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紙の本
スポンジのスカスカから見えてくるもの。
2021/10/10 10:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
カイメン。英語ではSpongeスポンジ。でもスポンジと言うと人工的に作られた台所のアレをまず思い浮かべてしまいがち。スポンジはもともと海の生きもので、それに似せて作られたものがアレなのに。ちなみに漢字では海綿。こっちからは「植物?」と思われそうだがカイメンは動物である。
本書はそんなカイメンについて一般向けにまとめた本。基本の知識としての構造や生態、人間の利用の歴史など様々な側面が取り上げられている。面白い話ばかりではなくお勉強的で難しそうな部分もあるけれど、どの部分にも著者の「好き!」な気持ちが感じられて楽しく読めた。
1万年も生きる長生きなカイメンや肉食のカイメン、カイメンを利用するイルカなど、初めて知って面白かった。
あまり動かない、スカスカで柔らかいなどなど。その特徴を人間以外の生きものも様々に利用する。カイメンを利用する動物の話から海で唯一の真社会性動物の話も出てくる。生き物の利用する物質の循環にも、カイメンは大きな役割を負っているようだ。
「一つの生きものにこだわって、しつこくその糸をたぐり寄せていくと、いずれ生物学の、もっというと自然科学の遠景がうすぼんやりとみえてくる」。「おわりに」にある著者の言葉である。いいかえれば「一つの山でも登っていけば、全体がどうなっているのかが少し見え始めるという感じだろうか。この言葉は、何かを学ぶ人すべてに感じて欲しい言葉だと思った。
スポンジの「素敵なスカスカ」からもこんなにいろいろみえてくる。