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紙の本
競馬評論の第一人者が語る競馬とは何か
2001/03/12 20:16
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投稿者:さら - この投稿者のレビュー一覧を見る
「競馬には学術的にも、文化的にも、社会的にもさまざまに興味深いテーマが秘められている。」(3ページ)。
競馬はギャンブルであり、それ以外のなにものでもない。ここまで断定的でないにしても競馬ファンを含めて少なからずの人がもつのが「競馬=ギャンブル」という考えであろう。競馬はギャンブルである、それ自体は正しい。しかしそれだけのものでないことはこの書からわかるに違いない。
冒頭の言葉に従い、筆者は多面的に競馬をとらえ議論は多岐にわたる。
まずサラブレッドという馬の一品種が誕生するまでの永い永い進化の歴史を追い、そしてサラブレッドとはいかなる馬のことなのか、その厳格な定義について述べる。次に近代競馬の成立に至る経緯そして世界的な競馬への発展が語られる。最後にサラブレッドの血統、生産、調教について述べられる。
各章において慎重かつ精緻な議論の組み立てを好む筆者は進化論の知識や英国文化の理解、遺伝学によるアプローチなどを知識を総動員し、読者は筆者の博識振りに驚くとともにわかりやすさが追求された文章により競馬のみならず多くの薀蓄を獲得することができる。知的競馬ファンになりたい人、人はなぜ賭けるのかを知りたい人、近代競馬発祥の地・英国の文化、思考を知りたい人、この本は単なる競馬本ではないことを是非手にとって知って欲しい。