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紙の本
ごみ収集とまちづくり 清掃の現場から考える地方自治 (朝日選書)
著者 藤井誠一郎 (著)
新型コロナ対策、大量廃棄、災害対策、労働差別…。清掃現場の労働体験と参与観察を通して、現場で活躍している人々や清掃行政、清掃差別の実態を活写。現代日本が向き合う課題と可能...
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商品説明
新型コロナ対策、大量廃棄、災害対策、労働差別…。清掃現場の労働体験と参与観察を通して、現場で活躍している人々や清掃行政、清掃差別の実態を活写。現代日本が向き合う課題と可能性を浮き彫りにする。【「TRC MARC」の商品解説】
緊急事態宣言後、巣ごもり生活が続き大量のごみが毎日排出されている。エッセンシャル・ワーカーと称されるごみ収集に従事する人々への関心は一時集まったものの、日ごとに薄れていき私たちは日常に戻りつつある。だが、ごみ収集とはさまざまなイシューを背景に持ち、共存と共生の示唆を含む、社会を照らし出す鏡でもある。本書は、ごみ収集という清掃事業の奥深さを伝えるとともに、清掃事業を体系的に理解するための手がかりを提示する。コロナ禍での東京都北区での清掃労働体験、新宿二丁目での参与観察などを通し、現場で活躍している人々を活写し、同時に清掃行政、清掃差別の実態に迫る。また、女性の活躍、住民と行政の協働による繁華街の美化、さらには産業廃棄物業界の概要とそこで推進されているDXまでにも視野を広げる。「顔」のある人びとの場で共に歩き視線を同じにして追った、著者のフィールドワークの集大成。<目次>はじめに/第1章:大都市の清掃事業/第2章:清掃の現場/第3章:行政改革と今後の清掃事業/第4章:コロナと清掃行政/第5章:感謝の手紙と清掃差別/第6章:清掃現場と女性の活躍/第7章:住民参加と協働による繁華街の美化/第8章:事業系廃棄物と産業廃棄物業界のDX/おわりに【商品解説】
著者紹介
藤井誠一郎
- 略歴
- 〈藤井誠一郎〉1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。大東文化大学法学部准教授。著書に「ごみ収集という仕事」「住民参加の現場と理論」など。
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紙の本
10年前と同じにならないように
2021/11/29 13:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ごみ収集について地方自治、行政学を専門とする大学研究者がその業務を自らも体験して、 研究を深めた。ごみ収集、処理だけでなく関連して、連帯による地域創生とまちづくりに発展した事例も紹介しながら論考したものだ。昨年のコロナ禍での収集作業への影響なども詳細に記されている。
ごみ収集作業は、住民にとって日々の生活に不可欠な公共サービスの中で、普段は感謝することさえ忘れ去られているものの一つである。行政改革によって真っ先に削減された現業と言われる部類の業務である。職員が削減された部分は次第に民間委託が拡がり、行政側の職員も少数化・高齢化が進んでいる。そのこともあり、災害時などの非常時には大混乱し、サービスが一時停止することもあり、今次のパンデミックのもとで現実化した。一方で、コロナ禍で見直され、住民にも感謝されたのだが、その気持ちも数ヶ月ぐらいしか持続しないらしい。
コロナ禍のゴミ行政を体験した著者は言う。
「・・継続的・安定的な行政サービスの提供という大局的な視点を持つのであれば、これまでの新自由主義的な改革路線が果たして私たちの生活や福祉にとって有効であったのかを考えていく必要がある。
今回のコロナ問題はゆきすぎた効率化に対する検討を促す機会を提供するものであったともいえ、行政に限らず、我々一人一人も社会のありようについて考えていく機会になったのではなかろうか。・・・」
我々一人一人の中には当然議員や政治家なども入ると思うが、そのような方々で指摘されたことを自覚している人はどのくらいいるのだろうか。喉元過ぎて以前のままにならぬことを少しばかり期待しているのだが、さてどうなるのか。
紙の本
いつもありがとうございます
2021/10/19 17:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて犯罪都市であったニューヨーク市を安心して住めるようにしたのは、どのような施策であったか。それは地下鉄の落書きの清掃であったり、ゴミのポイ捨て禁止といった美化活動にあったという、有名な話があります。
そういうことから考えて、この本のタイトル「ごみ収集とまちづくり」は決して突飛な組み合わせではありません。
実際本書の中でも紹介されていますが、ゲイバーが多く立ち並ぶ新宿二丁目でのごみ収集と美化活動の取り組みは「世界一清潔なLGBTの街」という、今までのイメージを払拭する新しい街づくりを目指す取り組みの事例です。
この本の著者である藤井誠一郎氏は、45歳で大学職員から研究者の大学教員へと転じた経歴を持っています。
そして、学府内にとどまらず、積極的にフィールドワークをこなしていきます。
具体的にいうと、ごみ収集車に乗って実際のごみ収集業務を経験しています。
そういう経験を通して、「仲間と共に汗を流し、協力しながら街をきれいにしていく仕事は、非常にやりがいがあり尊い仕事であると思える」という一文にたどりつけたのでしょう。
さらに、2021年8月に刊行されたこの本ではコロナ禍でのごみ収集の困難さも描かれています。
コロナ禍が蔓延した際、清掃従事者へ謝意表すの貼付が広がりました。
しかし、著者はそれよりもまず「ごみをしっかり分別し、ごみ袋をきちんと結び、所定の箇所に収集しやすく並べて置く」方がより大事だといいます。
ここから、住みやすいまちづくりが生まれていくのだろうと思います。