電子書籍
おもしろい
2020/11/12 11:03
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投稿者:megu - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても良かった
主人公の心の成長が細かく伝わってきた
紙の本
期待しすぎました
2023/11/16 04:53
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯やあらすじから、もっと刺激的な衝撃を期待していたので、正直「これのどこが…?」と思ってしまいました。ここは省けるのでは、という箇所も多く感じたし、過去の事件の犯人も突然で…うーん、とにかく合いませんでした。
定時制もこんなにみんな仲良くないよ、なんて冷めた気持ちになってしまったので残念です。
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タイトルに惹かれて読んだ本。初めての作家さんで、目の前で手首を切った女性に遭遇という入り口に、ライトノベル?と思ったら、出口が全然違って、人生は何がきっかけでどういうふうに変わっていくかわからないものだなと思った。
低周波で不定愁訴が起きるのは知っていたけれど、人工的なものだけでなく山から吹き下ろした風が低周波を起こし、登山者が異常行動を起こして命を落とすこともあるというのは初めて知ったので、ものすごく勉強になった。
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総合的にはミステリー小説でしたが、部分部分に着目すると、恋愛に発展?や定時制学校のヒューマンドラマ?、何でも屋の日常的なミステリーなどあらゆるジャンルが含まれていました。読み進めれば進むほど、着地点がわからない状況になっていくので、展開に良い意味で裏切られました。
そして、要となる11年前の殺人事件が、後半に登場するのですが、それまでの様々なエピソードがキーワードとなります。それらを総合して、殺人事件へと結びついていくので、壮大な作品に仕上がっているなと思いました。
この作品では、様々な生と死に関する感情・気持ちが、はびこっています。十人十色、みんな違う願望を持っており、なかなか全てを解決することはできません。しかし、他人がいることで、自分はもしかしたら考えを変えられる事ができるかもしれません。前に進もうとしている登場人物たちの姿に温かな感動がありました。
もちろんミステリーとしての醍醐味もあり、徐々に明らかになっていく殺人事件の全貌が、興味をそそられました。
表紙の雰囲気からホラー的な感じを想像したのですが、そういった場面は少なく、日常な生活にピリッとビターな要素をアクセントに加えた作品かなと思いました。
殺人事件のバックボーンが重厚で、それを色んなエピソードに散りばめているのは、読み終わってみて改めて素晴らしいなと思いました。
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「愚者の毒」と同じ作者だったので。
もともと、できる限り事前の情報が無い状態で本を読みはじめる。
読み始めるように、している。
電車の中の煽るような広告や、
口の上手い落語家の書評に痛い目にあったせいもあるし、
シリーズものを愛する反動なのかもしれない。
とくにこの作者は、
ミステリーなのか、ホラーなのか、ファンタジーなのか、
どこに進むのかわからないピンボールを見守るどきどきがある。
今回は、突き落とされたり、穴に落ちたり感はなかった。
リストカッターの女性に出逢ったことで、
ひきこもりから定時制高校生になった主人公。
同級生が住み込んでいるリサイクルショップにも通うようになる。
飛び降り事故の謎、狸の謎、リサイクルショップの謎。
謎が解けた時、親友となっていた同級生は旅立った。
人が成長していく過程は美しい。
つぼみが開いて、花開くごとく。
読み終わって、映画の「Stand by Me」を思い浮かべたのは
私だけではないはず。
いつもより、優しくて甘い「お話」だった。
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カバーを隠してどんな内容の本か先入観持たずに読み始めた。
最初は自殺願望のある者同士のライトノベルかと思い、なかなか読み進まなかったのだが、途中から、あれ?これは少年探偵団の推理ものか?と。
しかし色々な伏線が明らかになるにつれ、物語はそれはそれはもう壮絶なものに。
『罪の声』を思わす壮絶さに。
でもあれとは違い救いがありよかった。
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いろんな要素がぽつぽつ出てきて、
それが一つずつ繋がって、
最後に落ち着きました。
様々な生死感があって、
同じものを共有することの難しさを感じました。
ただ、誰もが死を想像することで、
生きることができるんだなと思いました。
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学校に馴染めず中2で引きこもりとなった隆太は、公園で目の前で手首を切った女性に引き寄せられるように、彼女が通う定時制高校に入学した。隆太が所属する「浅見クラス」にいたのは、様々な事情を抱えた同級生たちだった。やがて、同級生の大吾が住み込みで働くリサイクルショップ兼便利屋「月世界」を手伝うことになった隆太は、店に持ち込まれる厄介な相談事を解決していく。
些細な不思議と疑問に端を発して、いつしか11年前に起こった一家殺人事件へと踏み込んでいく。それは、隆太の人生をも変える道だった・・・・・・。
「月世界」に持ち込まれる奇妙な相談事を生き物の習性に着目して解決する前半は、さながら「探偵ガリレオ」のようで、これならなにも長編じゃなくても連作短編の方がすっきりするのになぁ~などと思いながら読み進める。
だけど、謎が次の謎に連なり、隆太が、大吾が、ショップの社長・タカエが抱える闇が明らかになるにつれ、長編でしか語れない壮大な物語が見えてくる。
全ての要素が収まる所に収まり、殺人事件の真相も明らかになり、隆太と大吾をはじめとする浅見クラスの生徒たちの今が描かれるラストは、爽やかでじんわりと涙も・・・。
ミステリでもあり、少年たちの成長物語でもあり、社会派の要素もありとさすが宇佐美さんといえる充実の物語でした。
文庫本書き下ろしっていうから、失礼ながら期待してなかったのですが、読んでよかった!
でもなんで、いきなり文庫本なのかな~モッタイナイ
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登場する人物たちがいい意味で想像することができて、
だんだん身近に感じるようになっていった。
しかし主人公の「親友」とリサイクルショップのお婆さんの関係が、どうしてもそこまでショックなものに思えず…
主人公が悩めば悩むほど冷めてしまった。
でもいろいろな相談を解決する過程は楽しくて、
もっといろいろな話を読みたいな、とは思った。
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死に対するオーラがハンパない。登場人物を詳細に描く割に、犯人が意外なとこから判明したりと、書き込む比率がチグハグな感じ。やたらに長く思ったのは冗長な部分が多かったのか。作者特有の似た様な作品。
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IQが一般のレベルより高く、優秀な頭脳を持っている隆太。それ故学校の先生や生徒に馴染むことが出来ずに不登校になる。ある日公園で本を読んでいると、突然若く美しい女性が彼の目の前に立ち、いきなり手首を切ってみせた。そんな彼女に興味を持った隆太は、彼女が通う定時制の高校に自分も通ってみることにする。
自分の居場所が見つけられない世の中に嫌気がさし、死んでしまいたいと思っている隆太と、手首を切るという自傷行為を繰り返すことで、生を実感することができるという百合子。生きるということに相反する形で向かい合う二人は、やがて恋愛とはかけ離れた場所でお互いによい影響を与え合うようになっていく。
その定時制高校には様々な環境で暮らす個性的な生徒がたくさんいて、隆太はそこで初めて友人と呼べる存在に出会う。
大吾と、大吾が働くさびれたリサイクルショップ『月世界』。
大吾とその場所は、隆太に更なる世界への繋がりと隆太自身の未来の可能性や希望をもたらしてくれた。と同時に、人々の心の中に静かに居座り続ける哀しみと、自分以外の誰かについて心を砕く苦しさと切なさを教えてくれることになる。
リサイクルショップでありながら便利屋も兼ねている『月世界』に持ち込まれる小さな依頼が、やがて色々な人を巻き込み、過去の悲惨な事件へと隆太を導いていく。
読み始めてからすぐに感じたのだが、これは小学生とか中学生向けのような気がする。周りの人たちはみんな優しくていい人だし、自分から勇気を出して踏み出せば、受け止めてくれる場所は必ずある。夢を持って努力すれば、それは必ず身を結ぶ。そういうメッセージが込められた話のような気がする。ミステリーではなく、ひとりの孤独で気難しい(といってもそれほどじゃないけど)少年の成長を描いた青春小説だ。後味の爽やかないい話だけど、わたしには都合が良過ぎる物語に思えて、物足りなさを感じてしまった。
夜の声。
わたしにはもう、その夜の声は聴こえないのかもしれない。
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便利屋「月世界」に依頼された数々の難題。
一見何の関係性もない出来事が徐々に繋がっていく。
バラバラに散らばったパズルのピースが次々に揃い、スッキリした爽快感を味わった。
世の中に絶望し引きこもりとなった青年が、入学した定時制高校で出逢った貴重な経験はその後の彼の道標となる。
人と人との縁…楽しいことも辛く悲しいことも、全てひっくるめて糧にして前進することの素晴らしさ。
膝を抱えもがき苦しんだ夜の底から見事に這い上がった姿が眩しく清々しい。
宇佐美さん初読み。
噂と違いそんなに怖くなくてほっとした。
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手首を切った女性の出会いから始まり、それに導かれるように定時制の高校へ。そこで大吾と出会い、彼がアルバイトする何でも屋「月世界」と出会う。最初はとりとめなく、どこか中二病的に展開する感じが馴染めなかったけれど、大吾が一家殺人事件の生き残りであり、月世界の主人が被害者と疑われ自殺した男の母であることがわかってからは、すべてのエピソードが一気に絡み合い、ひとつひとつ腑に落ちていく凄まじい展開。面白かったです!
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発売当初から気にはなっていたんだけど、年末のランキング発表の中でもいろいろ目にして、やっぱり入手することに。読み始めの印象のみ、表紙のごとくホラー風味も感じられるんだけど、基本的には普通のミステリ。これはもちろん、出来が普通、という意味ではない。最初のうち、日常の謎系の部分には正直あまり惹かれなかったんだけど、それは後半の本当の謎に至るまでの前フリ。核心に迫る展開はさすがのクォリティで、順次明かされていく各キャラの真相に、いちいち感銘を受けました。
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この作品も善悪で単純に語れない人間の複雑な内面の襞に胸が震える。
心に苦しみを抱えた隆太は入学した定時制高校で気さくで明るい人柄の大吾に出会い、彼が住み込みで働くリサイクルショップ「月世界」に出入りすることに…。外からの刺激に少しづつ動いていく隆太の気持ち。すっかり定時制高校の青春小説のノリの前半が、後半は過去の一家殺人事件の解決に迫っていくミステリーに一転して「月世界」を通じて広がった人々の関係性がスルスルと繋がっていく様が素晴らしい。
長いトンネルの旅が終わって静かにそれぞれの居場所に散る余韻もよかった。