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紙の本
源平絵巻物語十巻の中で、唯一民話的な語りのユーモラスな物語『武蔵坊弁慶』、お子さんと一緒に赤羽末吉さんの描く弁慶の姿を楽しんでみませんか。
2005/01/19 17:31
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投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
源義経を中心に描き、語られた源平絵巻物語の第二巻『武蔵坊弁慶』には、弁慶の出生おいたちから、義経と五条大橋で出会い家来となるまでが語られています。
弁慶は、関白藤原道隆の子孫で、熊野三山でもっともえらいお坊さんの弁昌と二位の大納言の娘との間に生まれた大きな赤ん坊でした。生まれた時から、三歳くらいの大きさであったと言い伝えられています。
髪の毛は黒々と肩まで下がり、歯もはえそろっている丸裸の大きな赤ん坊が描かれています。父親は「鬼の子じゃ。捨ててしまえ」と言います。悲しむ母親の元におばさんがはるばる訪ねて来て、赤ん坊の弁慶を都に連れて帰りました。
おばさんから鬼若と名づけられた弁慶は6歳の時に、「ほうそう」という流行り病に罹って、ますます恐い顔に…。少年弁慶の顔を赤羽末吉さんはどのように描いているでしょうか。それは、この絵巻物語を読んでからのお楽しみです。
比叡山延暦寺の桜本の僧正のもとに預けられた弁慶は、小僧たちから「鬼の子」といじめられ、それに負けじと乱暴を働くようになりました。そんな鬼若に手をあぐねてしまった桜本の僧正。
鬼若は、頭を坊主にして、「武蔵坊弁慶」と名乗り、自ら修行の旅に出ました。摂津、阿波、伊予、そして、播磨の国の書写山の円教寺という名高いお寺…荒くれ者弁慶の修行の旅がユーモアたっぷりに語られ、描かれています。弁慶の生い立ちについては全く知りませんでしたので、非常に興味深く読みました。
再び都に舞い戻った弁慶は、夜になると道行く人の刀を片っ端から奪ってゆき、九百九十九本の刀を集めました。さて、千本目の刀を奪うために五条大橋に向かった弁慶が出会ったのは…。
長い間、語り継がれて来た五条大橋での牛若丸と弁慶の対決、牛若丸が弁慶を仕留める場面には、思わず、絵の中の牛若丸に「あっぱれ」と声をかけたくなるほどの迫力で描かれています。
弁慶に関する歴史的な資料は史実としてよりも、伝説として多く語り継がれてきたようです。語り手の今西祐行さんは史実を重要視すると同時に、私たち日本人が語り継いできた伝説をも大切に物語るように心がけています。 赤羽末吉さんの絵は、美しいだけでなく、子どもの心に訴える不思議な力があります。赤羽末吉さんの美しい絵と今西祐行さんの誠実な語りによる源平絵巻物語第二巻『武蔵坊弁慶』は、源平絵巻物語十巻の中で、唯一民話的な語りのユーモラスな物語です。お子さんと一緒に赤羽末吉さんの描く弁慶の姿を楽しんでみませんか。
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