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商品説明
マニキュアをぬったおばあちゃん、クリスマス会で国定忠治の殺陣を演じるおじいちゃん。ボランティアとしてホスピスを訪れた著者が、残された時間を精一杯生きる患者たちとの出会いを描き、生きることの本当の意味を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
甲斐 裕美
- 略歴
- 〈甲斐裕美〉1969年神奈川県生まれ。機械メーカーに勤務の傍ら、執筆活動、ホスピスでのボランティアなどを行う。著書に「ロン」がある。
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紙の本
ホスピスとは?…読めば、命の尊さが見えてくる。
2002/12/17 21:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めだかの兄弟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が幼いとき、末期ガンのおじいちゃんがいた。その、おじいちゃんのお見舞いに行ったときに、「〜カレーのご本」 (本文7P) を読む約束をしたが、おじいちゃんが亡くなり、約束を果たすことができなかった。そのときから、「〜20年たったいまでも宙ぶらりんのまま」 (本文8P) という。著者はその頃から、命について考えるようになる。生とは?死とは?と…。
宙ぶらりんの心をかかえていた著者は、TVで、あるホスピス病棟の様子を見て「あそこには、おじいちゃんがいるんじゃないかしら、って。わたしがおじいちゃんにできなかったことを、あのホスピスにいる患者さんたちにしてあげることはできないかしら」(本文23P)。だれかの役にたちたいという願いを持って、著者はホスピスの門をたたいた。
ホスピスの患者さんの残された時間は、平均して三十日から四十日という。この短い時間の中で、「自分が生きているあいだに、どうしてもやりたかったこと、その夢を実現するために、あとで後悔することのないように、一日一日をたいせつにすごしているのです」(本文38P) とあるように、一生懸命に前向きに生きている人もいるのに、世の中には、自ら命を絶つ人もいる。 <死にたい> と思っている、そんな人たちに命の尊さを、この本は教えてくれる。家族が病気で助からないんだといわれ、泣いているひとにも、本書のガンでなくなった男性などの話を読んでみれば、きっと、少しは今よりも状況がよくなると思う。
ホスピス病棟でボランティアをし、患者さんとの出会いや別れを経験し、著者が、生きていることのすばらしさを感じとっていく。その様子や体験などが、命の価値について、深く考えさせられた。ガンなどの告知については、本人と家族の心の強さを信じ、逝く人、残される人、おたがいに <ありがとう> と感謝の想いを伝えあうことが、理想であり大切だと感じた。それには、普段から告知について、話し合うことが必要であるということも。
私自身の祖父も末期がんだったが、家族が告知できず、自分が何の病気か知らずに死んでいった。もし、この本に早く出会っていれば、祖父も私たちも、何かを残せただろう。それを思うと、残念でならない…。