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紙の本
少年のブルース (偕成社文庫)
著者 那須 正幹 (著)
科学・宇宙・未来・生物などへの子どもの果てしない夢、そして日常の中にひそむ恐怖を、ユニークな発想でみごとに結晶させたショートショートの傑作集。【「TRC MARC」の商品...
少年のブルース (偕成社文庫)
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商品説明
科学・宇宙・未来・生物などへの子どもの果てしない夢、そして日常の中にひそむ恐怖を、ユニークな発想でみごとに結晶させたショートショートの傑作集。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
大人にも読んでほしいSFショート・ショート名作集
2003/06/23 10:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
74編のブラックでシュールなショートストーリーズ。メルヘンあり、ファンタジーあり、SFあり、ホラーあり。児童書のジャンルに入っているので、子供が読むことを想定しているのだろうけど、このクール&ドライ感は子供だけのものにしておくには勿体無いほど。好意がある日変容する。たわいない無知が取り返しのつかぬ事態を呼び起こす。誠意が意味をなさぬ世界。この本を読むのは、果てしない暗黒に満ちた海を泳ぎながら、波間に煌くなにものかを垣間見るにも似て、膨大なダーク・マターにただただ圧倒されてしまう体験であった。
リアルな描写で、怪奇味が全くないことが逆に印象深い「山でまよって」、ヤバさ爆発の「日記帳」、悲しみに満ちた「ビスケット」「あかぎれ」「かくれんぼう」。なかでも白眉は、魔力に震える「だれもいない」。どれもが淡々とした描写で恐怖をあおる名作。ひとごととは思えぬ「ぼんやり病」、珍しく爽やかな「新しい町で」ブラックさがたまらない「いたずら」「お星さまの涙」、シュールな「人の年」「十一個目のキャラメル」「寝台列車」「非行少年」、SF「羽ごろも」「見学記」「移植時代」「きのこ」、オチが強烈な「キリン」「ラブレター」「血ぬられた館」「たぬき」。
いずれにせよ、人間の常識など思い込みにすぎず、安定などどこにもないのだと世界を覆してくれる妖しい1冊であった。