紙の本
結末の謎
2021/12/18 11:59
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投稿者:Y - この投稿者のレビュー一覧を見る
先入観が無ければ、犯人自体は比較的簡単に解るかもしれない。
随所に時代を感じさせる表現があるものの、ローマ帽子の根本動機のような「そんなことで」感は薄い。恐らく翻訳の工夫だと思う。
以下ネタバレを含む。
レーンが語らなかった、犯人が何故最後に間違いを犯したのか。
読者はレーンが書き写した粗筋しか読んでいないが、元の粗筋にはもう少し先の犯人がバレて追い詰められる展開まで書かれていたのではないかと思ったが、どうだろうか。
残るシリーズを読むと解ったりするのかもしれない。Z、最後の事件も読んでみようと思う。
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ハッター家連続殺人事件。
自殺した当主の夫。卵酒による毒殺未遂、なしに注射された毒。
夜中に殺害された当主ハッター夫人、凶器に使われたマンドリンの謎。
爆発した薬品庫。
2010年10月3日読了
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名作かぁ…。んー個人的に合わなかったかな。探偵のスタンドプレーがヒドすぎるw
ここまでくると神レベルですよ(゜_゜)ラストもしかりだけど。利用されるだけ利用されて警察優しいな。見取り図にもヒントがあるので犯人特定は難しくない。あと6月に牛乳一週間放置はヤバい。
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意外だと言わせる犯人でした。レーンが「敗北」宣言した意味もよくわかります。この事情があって犯人を口にできない展開は好きです。血筋云々はもうちょっとつきつめられたんじゃないかなあとは思いますが。
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こういうずっしりぐだぐだ理屈っぽい本、大好きだ。
重要な幾つかの要素に対し、時代や文化の差異による違和感が拭いきれなかったのは残念だけれども、それさえ受け入れられれば本当に読み応えのある作品。
しかもミステリに欠かせない(と自分が勝手に思っている)仄暗さが、ラストに迫るに連れ深まっていくあの感覚…よい読了感だった。
以下は余談。
自分は有栖川有栖氏の影響でクイーンに手を出したのだが、読み進めるうちに、有栖川氏が「日本のエラリー・クイーン」と称された由縁がよく分かった。手法や語り口に見られる影響(もしくは作為的なものか)が一目瞭然で、本当に興味深い。
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2012 5/9読了。WonderGooで購入。
ドルリー・レーン氏の4部作で最も有名な小説。
奇矯な振る舞いをする人間が多いことで悪名高い「ハッター家」で起こった女主人殺人事件と、重い障害を抱える娘の毒殺未遂事件。
シェイクスピア俳優ドルリー・レーンとサム警視、ブルーノ地方検事ら前作からの面々が謎に挑む。
前作で途中まではサム警視たちがレーンをないがしろにしようとしたのとは打って変わって、今作ではレーンに全幅の信頼を置いている(文句も言うし不快感を隠しもしなかったりもするけれど、レーンの推理を疑うことはしない)。
しかしそのレーン自身が、自分の推理から導かれた結論に思い悩み、前作のようには振る舞えない・・・というのが今作の最大の特徴か。
論理を積み上げていって「この人物しかいない」と犯人を指摘してみせる推理パートが面白いのはもちろん、そこに至るまでに新事実が見つかっていく過程や事件の驚きの結末等も興奮しながら読んだ。
何より、最後の1ページは・・・や、これ次作からどうしていたんだろう。
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ドルリー・レーンの第二作目。
一般的にはXとYの悲劇が有名だそうですね。
犯人についてですが、まさかまさかとは思っていましたが、こいつが犯人か…とは思いました。
脚立の描写などの描写で、最後の方ではこいつか…?とは思ってはいましたが…。
ただ、あの勘違いは英語ならではだと思うので、日本人には言われてもピンとはきませんね。
あとは動機。殺人を行うのに特別な理由は要らないとは言いますが、何というかあんまり納得できないというか…。
私が一番気になるのは、最後のエピローグの所で、ドルリー・レーンの不審な物言いですね。
何故間違ってしまったのか。…もしかして…。
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日本では、XよりYの方が人気が高いそうだ。
個人的には、Xの方が楽しく読めた。
犯人には納得したのだが、色々と疑問に思うところが残って、色々ググったものの、いまいち判然としないものが残っている。
あと二冊読んだらすっきりするのだろうか。
とはいえ、ドロドロ感のある本作もすごく面白かった。
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人は人の善性を信じ、それを尊厳の源としている。
人は、人の愚かさ、悪性を繰り返し語るが、語る間はどんなに僅かでも善なるものへの信仰を抱いている。
人は、堕落からの回復という夢も信じている。現実には困難でも、どんな人間も、善き方向へ変化できると。
そうでなければ、人は生きて行けない。絶望は、致死性の高い毒だ。
古典的な探偵小説の探偵は、多くの場合、正義の人だ。
捻くれていたり、偏屈であっても、エゴによる殺人を憎んでいる。欲望を動機とする殺人は、人の尊厳を踏みにじる行為だからだ。
故に、真実を明らかにし、殺人者を糾弾する。
人は正義の生き物ではない。そも、正義とは絶対的なものでさえない。探偵は、悪に対しても理解を示す。だが、正義を成せば成すほど、探偵の、人間性は偏ってゆく。これもまた、毒だ。
神ならざるレーン氏は、自己の許容範囲を超えるほど歪んだ悪意に絶望した。もし、彼がもう幾ばくかの悪性や、人に対する失望を持っていたら、無責任に見放すだけだったろう。
レーン氏の行為は、人肉の味を覚えた猛獣を始末したようなものだ。人の社会を守るための止む得ない行為だった。
だが、しかし。
人の善性、堕落からの回復、尊厳。そういったものを踏みにじり、老境に差し掛かった氏を絶望させた少年を、氏は憎まなかっただろうか?
恐らく、氏はこの先、自己に問いかけ続けるのだろう。
ルイーザの、三重苦にもめげず、勇気を持って生を全うしようする姿勢は、善き人間の可能性を象徴しているように読めた。彼女の静かな死は、この物語の絶望に拍車をかける。
ルイーザの死は終幕後であったが、この舞台に満ちる絶望の深さを、レーン氏は感じ取っていたはずだ。ではなぜ、彼は決断したのだろう。
絶望は致死性の高い毒だ。ヨーク・ハッターのように死を選ばずとも、魂が腐り、無気力な放置を選択することもできた。そうすれば、少なくとも彼は、自分が偽善者という疑いを背負うことはなかった。
それでも彼は、恐らくは確実に手を下した。
絶望による魂の安楽死を拒絶してまで、何故?
老境に差し掛かるレーン氏は、人の善性や堕落からの回復の実例もまた多く知っていた。まだ多くの善きものがある世界へ、悪意の猛獣を解き放つことはできなかった。
これは殆ど私の妄想だ。ただ、エンディングのレーン氏の痛ましさの理由をこじつけたに過ぎない。
痛みとは、生きる者の感覚であり、死するもの、麻痺した者には持ち得ないものだから。
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4
第一幕第四場ルイーズへの事情聴取のシーンが名場面。ピンと張りつめた緊迫した状況、謎とヒントの提示のされ方が絶妙で、本格の醍醐味がぎゅっと凝縮、俄然引き込まれる至福タイム。新訳も好印象。
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Xの悲劇を読了し、「さあ次に……」といった具合にYの悲劇を手に取った。前作は普通の探偵小説という印象を受けたが、今作の衝撃は想像のはるか上をいっていた。
他の方も言っているとおり、勘の良い人なら(あるいはミステリを読み慣れている人なら)犯人には気付くだろう。しかし犯人やトリックを見抜いたところでこの作品の面白さが薄れることはない。
探偵役のドルリー・レーンがどのような心情で事件と関わっていたのかを考えると心苦しくも思う。しかし彼の選択にこそ〝ドルリー・レーン〟という人物が表れているように感じた。
犯人に気付いてしまった人ならば、レーン氏と同様「まさか」という気分を味わいながら作品を読み進めることができると思う。読了後の何とも言えぬ虚無感は流石と言わざるを得ない。
訳もとても読みやすく、決して古くささを感じさせない。是非ともお勧めしたい一冊である。
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小学生の時、読書感想文を書いた。
衝撃的な話だったのを覚えている。
久しぶりに読んでみて、面白かった。
クィーンの葛藤には、あのころは気が付かなかったな。
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状況描写、心理描写が細かく臨場感があり面白かった。ストーリーも良く練られており犯人が分からないように、そして最後に気がつくようにうまく構成されている。第3幕第6場で犯人に気がついたときには、なぜもっと早く気がつかなかったかと自分の想像力の低さに少しがっかりした。面白い、でも、悲劇の中身は楽しい本ではない。
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まず、『Yの悲劇』というよりは、『H(ハッター)の悲劇』と言いたい。
個人的には『Xの悲劇』よりもヒント(?)が分かりやすく、
もしかしたらこの人物が犯人なのでは?と割と早くに思っていたけれど、
その動機や決着のつけ方は作者に任せて流れにのって読み進めた。
結果、ミステリの枠だけに収まらないと思わせる、非常に味わい深い作品だった。
最後の示唆的な終わり方はどう捉えたらいいのか。
犯人のミスを知りながら見過ごしたのか、
それともレーン自身が・・・
おそらく後者か…
だとすればレーンと、そしてそれを知ってしまった
ブルーノの葛藤や苦悩はまさに筆舌に尽くしがたい。
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かなり期待して読んだのだけど、その期待が裏切られることはなかった。
すごいと思った。
まさかの連続だった。
そして、気が滅入る結末。まさに悲劇。
犯人が誰かを知ったらもう一度読む気にはなれそうもない。
最後のサム警視の疑問に納得出来る答えが用意出来ない。
この薬は大丈夫だと思ったの?
でもそれならわざわざ飲まないよね。
でも何か細工したような気配は見つけられず…
私も最後まで計画通りにやってほしかったよ。