紙の本
戦後の女性の姿も提示される
2021/02/10 17:58
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会主義新興国であったソ連がどう戦争を遂行したのか、
その戦争に女性たちがどう参加したのか、
いままで全然見ていなかった、
見ようともしていなかったことを見せてくれる。
2巻目のこの巻では、戦争中における女性の姿だけでなく、
戦後の女性の姿も提示される。
そして、
戦争を語ること、それを伝えること、それを社会が受容すること、
これらの難しさにも迫る。
戦争をいかに伝えるかが、
いかなる国を作ろうとしているか、につながっているのだ。
紙の本
続編が出ました。
2021/01/24 21:48
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投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
知る人ぞ知る。
第1巻は、原作を知らない者でも、
読んでいない者でも、十分に衝撃を受けました。
すごい内容でした。
わかりやすくまとめられていました。
続編が待たれていましたが、
すごいです。
期待以上のものですよ。
紙の本
愛国心や若さゆえの情熱は戦争に使われた。
2022/11/15 16:49
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次大戦中のソ連。男手が戦争に取られ、女性たちも自ら銃を手に戦った。国を守らん為に、若さゆえの真っ直ぐな正義感の為に、軍に入った。
力や体格で劣ってもその働きで負けまいと努力し、男性たちにも認められた。しかし、戦後彼女たちへの待遇は冷たかった。戦友と認めた女性を忌避して、妻は戦場を知らない女性を選ぶ。なにゆえ男性は戦後英雄として戦果を語り、女性は涙と悔恨で戦時の悲惨さを語るのか。
電子書籍
女性兵士への目線がつらい
2021/05/27 20:46
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投稿者:わらび - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前、ツイッターで、「すべての生き物が女だったら生理の間は働かなくても済むような仕組みになってるだろうしメンタルの波もあって当たり前として社会が構築されていたのではないのか」とつぶやいたら、「これこそが『戦争は女の顔をしていない』で書かれていることだ」という引用リプをもらったのが印象的だったな。本編と関係ないですが。戦場から戻った女性兵士への世間の目の冷たさがとてもつらい。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前線に向かった女性の話ですが、後方で待機していた人たちの話も読んでみたいなと思います。どちらもつらいよね。
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前作を読んだ時も思ったが、こんなにも女性の兵士がいたことに驚き。
このマンガに出会わなきゃ、知らなかった事実がいっぱいあると思う。
背けたくなるような話もあり決して楽しい話ではないけれど知っておきたい話でもある。
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戦勝国にとっての戦争とはなんだったのだろう?
敗戦国に生まれた私はずっとそのことに拘り続けてきた。
この著作はその答えを一部だけ与えてくれる。
わかることはないのだから、永遠に。
私たちが、今、この世界で生きていることはまだあの頃よりも良いのだと信じたいから。
今回はアレクシェーヴィチがこの著作を書きかあげるために至った経緯も描かれている。
何度も拒否されて、何度も原稿を返されて、それでも彼女は諦めなかったことに敬意を感じる。
続きも出してもらえることを祈りつつ。
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読まなきゃ良かった……と、言ってしまいたい。これが事実で現実じゃなかったら。 #漫画 #戦争は女の顔をしていない
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本の帯にあるように、「この本は理解するためのものではありません。理解していないことを知るための本です。」なぜ彼女たちが口をつぐんでいたのか、それを考えると胸を抉られるような気持ちになります。戦争に出たのも、そこで経験したのも、それぞれ語る人によって思いは違うが、戦後受けた周りからの目はおそらく同じようなものだっただろう。そう思うとこの本のタイトル『戦争は女の顔をしていない』というのが腑に落ちる。これは原作版を読んで気がついたことなのだが、漫画版も2巻目に入り、少しその辺についても触れられている。どこまでこの漫画版が続くのかわからないのだが、是非ともその、従軍した女性に対する世間の目のことをしっかりと描いてほしいと思う。
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特に冒頭から引き込まれるのは我々が「戦後」を生きる日本人だから。
何故か近年忘れられがちであるが、100人いれば100通りの戦争があるのだけど。
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1巻同様に、可愛い絵柄にカモフラージュされてはいるけれど凄まじい内容。国のためにと女性としての幸せを捨て戦地に赴くことを望んだのは、やはり時代だったのだろうと思う。自慢の長い髪を失い坊主になり、スカートを捨て男と同じ格好をして、彼女たちが得られた幸福とは一体なんだったのだろうか。
敵の骨を砕きながら進む車輪、全滅したせいで大鍋の料理が無駄になったという料理番。彼女たちの心にも、そして読者の心にも決して拭い切れない黒い感情を残していく。
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戦争というものの非情さが迫ってくる。体験者の真の言葉は重い。このような形で伝えてくれている意味はとても大きい。
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原作でとてもつらかった部分が載っている。信頼し、心を預けて語られたものが、その語り手によって否定される。本当に読み応えある。
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戦車大隊衛生指導員であるニーナ・ヤーコヴレヴナ・ヴィシネフスカヤ曹長の話が印象に残る。
若い女性が志願して前線へ向かい、激しい戦火の中で、必死に役割を全うする。
生き残った本人が語る体験談も、必ずしも、事実とは言い切れない部分もあるようだ。聞き手に身内の男性がいることで、言葉が変わったり、実体験した生々しい部分は隠れてしまうこともあったようだ。
体験談を聞く場面と、回想する場面とを行き来し、現代と当時の対比を表現している。
この作品の行末をこれからも見届けたいと思っている。
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二巻めは狙撃兵のマリア.イワーノヴナ.モローゾワ兵長の詳細な話が記載されている
最初はそれこそピクニック気分、40名の女子だけの狙撃兵部隊。膝まであった自慢のお下げ髪を切り、前線へ。であったものが、ナチスの将校を狙撃したことからどんどん成長していく。しかし同僚の戦士等を目の当たりにし、今でも戦争映画などは見られないと言う。
その他のエピソード
食事担当の女性兵士。大鍋にたくさんの食事を作って待っていたが、その部隊は全滅。その食事が食べられることはなかった。
ウクライナの女性兵士。彼女の両親弟たちは皆餓死した。彼女が助かった理由は、彼女だけがコルホーズの厩舎で凍った馬糞を食べたから。(温かいのはとても食べられるものではなかったという…)
戦車兵部隊で対戦車壕を掘る15.6歳の女の子達。突然の空襲警報だが、初めて見る戦闘機に興味津々。黒十字の翼を見たとたん機銃掃射を浴び、共に勉強してきた仲間が倒れていく。
そんなエピソードからも、実にあどけない少女たちが独ソ戦を戦ったのだと実感する。そしてそんな少女たちも戦争によっておかしなことになってしまう。
スターリングラードでは死体が多すぎて馬が死体を避けきれない。馬車の車輪がドイツ兵の頭蓋骨を踏み潰す音。彼女はそれを聞いて嬉しかったという。
人間は戦争の大きさを越えている。