紙の本
現実化する2030年
2015/03/29 00:42
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投稿者:鎌倉ニック - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんなに遠くない2030年。この本を読んでから数か月経過したが、
この本に書かれていることがリアル化している、あるいはしつつある
ような気がする。
今度読めば3度目になるが、若者も是非読んで、これからの世の中で生きていくうえでの一助にしてほしい。
紙の本
アメリカが2030年までに辿る道
2013/08/10 16:58
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投稿者:D5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このレポートは、アメリカ大統領選によって選ばれた大統領が、アメリカ情報機関に渡され必ず読むレポートだそうです。
アメリカのアジア戦略が中国中心に傾いている現状に納得。
それに続くインドや、成長するアフリカ諸国。
成長が停滞する、現先進国のEUや日本。
アメリカの新エネルギー。
基本的にアメリカ中心に語られています。
紙の本
やはり米国らしい分析です
2017/09/15 17:17
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投稿者:セーヌ右岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を手に取って初めて、2030年までを見通し、米国国家情報会議が大統領選に合わせて4年に一度本レポートを新しくし、新大統領就任前に渡し、国家戦略を練る材料としていることを知り、さすが米国だと思った。本書は2012年の大統領選後のものであるが、内容は、権力の拡散、人口構成の変化、食料・エネルギー問題の連鎖等の構造変化のメガトレンドと世界経済、国家の統治力、大国衝突の可能性、地域紛争等のゲームチェンジャーについて分析し、見通しを立てているものである。全体に興味深い見通してあるが、一番関心をそそられたのは、国力比較の新モデルでは、中国が米国に並ぶのは、2040年以降と一般的にいわれるより後ずれすること、インドの経済成長が伸び、「世界一の経済大国」としての中国の地位は以外にも短命となる可能性があること等でした。4年前に初めて読んで以降、現在でも本レポートの分析は的を得ていると思います。トランプ大統領は最新のレポートをどのように読んだのか知りたいところです。
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米国の政策の基礎となる未来予測
2014/01/03 15:15
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投稿者:pappy - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国国家情報会議による近未来予測で、とくに米国の政策の基礎となるビジョンが示されている。この予測が当たるかどうかではなく、米国政府はこの予測を基に政策を決定していることに注目するべきだろう。
本書で繰り返し強調されているのは中国の台頭であり、未来予測で最も好ましいとされているのが「米中協調」型シナリオである。当然、現アメリカ政府はこのシナリオの実現に力を入れている。中国が衰退する可能性として、労働人口の減少と生活水準の向上に伴う民主化運動の活発化を挙げているが、その可能性は低いだろう。中国の労働人口は戸籍にないものを含めればかなり豊富で、マスコミやインターネットの監視も強力に行なわれているのでほとんどの民主化運動は早期に潰すされてしまう。
しかし、国民の不満をガス抜きする目的での日本批判は今後も継続されるだろう。そして、このような中国の行動に対して、「米中協調」型シナリオの実現に勤しむ米国は中国に強い熊度で対応してくれることはない。中国がバックにいる限りは、米国は北朝鮮にも強い対応をすることはないのだ。
いち早く高齢社会に至った日本は、もはや復活することは考えられない。今年の新規予測では、ギリシャ同様にオリンピック後の日本の経済破綻の可能性に言及されているかもしれない。
中国が覇権を取った後のことはあまり書かれていない。現在の中国の日本への対応は、国民の不満のガス抜きにしては行き過ぎている。年10%を超える軍事費の増加を考えれば、対外的野心があるのは明らかだ。日本は米国に頼らない中国への対応策を真剣に考えなければいけない。
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「米国国家情報会議」というアメリカの組織が大統領選挙に合わせて4年に1回作成しているものです。大統領はじめ、各種重要機関が政策を考える際に参考にする資料の一つであり、大変信憑性の高いものとされています。
以前に、「2052 ~今後40年のグローバル予測~」という40年先の予測本を紹介したことがあります。今回は17年後という、そんなに遠くない未来の予測です。
「「超」入門 学問のすすめ(ダイヤモンド社)」では、日本は重大なマイナスの出来事から約20年かけて復興し、大きく飛躍してきたと述べられています。倒幕後の明治維新、第二次世界大戦後の高度経済成長などです。この考え方からすれば、東日本大震災から約20年後にあたる2030年ごろには、新たな道が開けている可能性があるとしています。しかし、今回の「2030年」では、日本は先進国の中で「最も不安定な国」と位置付けています。最も大きな理由は毎度おなじみですが「少子・高齢化」と「人口減少」にともなう労働力の減少です。IMF(国際通貨基金)は、日本に対して、一時的な政治的混乱を招いたとしても、財政上のバランスを長期的に保つ大規模な政策転換を実施すべきと進言しているそうです。短期的な経済成長を犠牲にしないと膨らむばかりの負債を解決できないからです。
また、「世界の警察」と呼ばれるアメリカは、依然トップ集団にはとどまるものの、中国には抜かれます。その中国の成長がとまるのも2020年代だそうです。要は、ずば抜けてリーダーシップを発揮する「覇権国」がなくなり、不安定な状態に陥ります。北朝鮮が各先進国の度重なる警告にも関わらず強硬姿勢を崩していないところにも、既にこの傾向は現れていると思います。また、通信技術の発達により、一般市民の発言権が強くなり、こういった点でも各国の政府の発言力が相対的に低下するのも特徴です。経済的にも中間所得者層が増大します。
強国の没落と、新興国の台頭という「均質化」が起こるのが今後数十年の傾向であるというのが、各予測本の共通点であるように思います。政治家を選ぶのは我々の国民です。「政治が悪い」と叫ぶのは天につばを吐くのと同じです。一人一人が真剣に未来を学習するきっかけになれば幸いです。
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日本が全く出てこない。特に、日本の潜在能力が語られていない。評価経済大国になるべき。それにしても、「非政府主導団体」が出てくるかが今後15年を占う上で重要。新しい国家も最初は既存国家からみれば非政府主導団体。あり得ると思う。日本の特長を出すのが現役世代の責務。
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久々に日本悲観本を読みました、日本はもはや復活しない、アメリカも中国もすぐにピークを過ぎて、その後は、インドと中国以外のアジアが世界経済を牽引していくという内容です。
その根拠は、中間所得者層の購買力が、その地域では飛躍的に増えるからというものです。この本の著者である立花氏によれば、中間所得者層の比率は、日本の場合、2000年には世界人口の10%もいたのに、2020年には5%,2050年には2%に落ち込むそうです。
最近は、日本の実力を多くのデータを用いて証明した本も出てきているの
で、それと読み比べてみましたが、中間所得者層以外のデータも示してほしかったです。
この本で得た私にとっての新しい情報は、あのサウジアラビアで消費量が増えていて、2037年には原油輸入国になる可能性がある(p113)というものでした。
以下は気になったポイントです
・1500年以前はアジアの帝国が世界覇権を握っていたが、それから500年を経た今は、アジアは再び世界をリードする、2030年までに世界中の多くの国では中間所得者層が主流になる(p4)
・中間層の上位層(アフリカで比較的ゆとりある層)は、2010年の3.3億人から2030年には6.8億人に増加する(p20)
・歴史的に中間層が増えると民主主義を求める声が高まり、大衆迎合型政治や独裁政治が生まれやすい、一方でGDPが1.5万ドルを超えると民主主義が定着して独裁政治に戻らなくなると言われている(p21)
・エイズによる死者は、1年で200万人が亡くなった2004年をピークに減少している、また幼児の死亡率も劇的に減っていて、2030には寿命格差はなくなるだろう(p28)
・2030年までに国際社会の権力構造は、独占から分散となり、1750年以降続いてきた欧米中心主義を反転させるだろう(p32)
・GDP、人口、軍事費、技術投資の4点に加えて、健康・教育・統治を加えて国力統計を算出すると、中国が米国を追い抜くのは、当初予定の2030年ではなく、2040年以降になるだろう(p36)
・米国におけるシェールオイルの生産は、2020年には石油輸出国になる可能性がある、この足枷になっているのが、地下水汚染や採掘現場での事故等の環境問題である(p70)
・天然ガス生産が増量することで、2030年までに石炭から天然ガスへの切り替えが進む、これにより再生可能エネルギーは不発となる(p72)
・サウジアラビアの場合、直近の試算で、財政収支がトントンになる原油水準は、1バレル=100ドルであり過去の試算より大幅に上昇している、国内での消費量も増えていて、2037年までに原油輸入国になる可能性もある(p113)
・2030年に向けて重要な3つの機械化の流れとして、1)ロボット、2)自動運転技術、3)3Dプリンター、がある、特に3Dプリンターでは試作品を作らずに、完成品をダイレクトに製造できるようになる(p132,135)
2013年5月11日作成
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メガトレンドとゲームチェンジャの組み合わせから将来シナリオを導き出すというロジックで、2030年の世界情勢を分析している。読みやすいと思う。
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特に目新しく感じなかった。2013年の本だからかもしれないし、或る程度予測できることが多い、当たり前のことがかかれているからか。
最悪のことを想定して、備えることは大事だと思う。
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予測される17年後の世界が様々な視点から書かれている。
その17年で大きく変わるのは、アメリカの衰退と中国の躍進と衰退、インドの躍進である。
これらの国の対応によって、世界情勢は大きく変化する。
内容から考えると日本はどうみても衰退であるが、本書が指摘する世界を動かす技術をいかに活用するかによるのではないだろうか。
データ処理、スマートシティ、ロボット、3Dプリンター、遺伝子組み換え食品、水管理など、物作り日本の技術を生かせば再び、これらの国と同じ土俵に乗れるのではないかと、甘い期待をしてしまう。
そのためには、他の国よりもさらなる国民の努力が必要となる。
我々は次世代に向けてがんばらねばならない。
本としてはとてもわかりやすく書かれていて、すらすら読めた。
この本には様々なシナリオが書かれている。
どのシナリオになったのか、2030年になって再度読みかえしたいと思わせる本であった。
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JR東京駅の丸善で手にした本。本を開くと、最初に立花隆のことばが目に付く。「本書を誤読する人と精読する人では大きな差がつくだろう」。「魔法の書?」というようなタイトルだが、その一角には、未来予測の本がたくさん並んでいた。社会がどこに向かうかわからない不安定な時代だからこそ、世界の未来を予測する「未来本」の人気があるのかもしれない。
この本は、中長期予測のためにつくられた機関である「米国国家情報会議」が、国家戦略を策定する、第一義的にはアメリカ大統領のためにまとめたものだ。アメリカの情報収集能力はずば抜けていると思うが、そういう風に収集した情報を解析し、こういう形にする力もまたすごい。アメリカのこういう力は素晴らしいと思う。
本書の構成は次のとおりだ。
1.世界の今後を語る上で無視できない、4つのメガトレンド
2.世界の流れを変える要素である、6つのゲーム・チェンジャー
3.4つのシナリオ
4つのメガトレンドは次のとおり。
1) 個人の力の拡大
2) 権力の拡散
3) 人口構成の変化
4) 食料・水・エネルギー問題の連鎖
どれも納得性があるが、メガトレンドの1番目が「個人の力の拡大」であるのは興味深いと思った。貧困層が減る一方で、相対的に中間所得者層が台頭する。そのため、「イデオロギーの衝突」が不安材料として挙げられるという解析。
権力の拡散については、アメリカの制圧力が相対的に低くなる中で、派遣国家がない時代に突入する。所謂、Gゼロの世界が現れるという指摘。
6つのゲーム・チェンジャーは次のとおり。
1) 危機を頻発する世界経済
2) 変化に乗り遅れる「国家の統治力」
3) 高まる「大国」衝突の可能性
4) 広がる地域紛争
5) 最新技術力の影響
6) 変わる米国の役割
個人的には、最新技術力の未来予測には驚かされた。3Dプリンターの躍進の予測を指摘している。
本書が指摘する世界を大きく左右する技術は4つあり、それぞれの技術分野は次のとおりだ。
1.情報技術・・・・・・・・・①データ処理
②ソーシャルネットワーク
③スマートシティ
2.機械化・・・・・・・・・・・①ロボット
②自動運転化技術
③3Dプリンター
3.資源管理技術・・・・・①遺伝子組み換え(GM)食物
②精密農業
③水管理
4.医療技術・・・・・・・・・①病気管理
②「能力強化」技術
この部分だけでも読む価値ありだと思う。
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構造の変化の4つのメガトレンド(個人の力の拡大、権力の拡散、人口構成の変化、食料、水、エネルギー問題の連鎖)と、世界の流れを変える6つのゲームチェンジャー(世界経済、国家の統治力、大国の衝突、地域紛争、最新技術、米国の役割)から、2030年の世界を予測している。
可能な4つのシナリオを挙げているが、欧米が没落するでもなく、米中が協調するでもなく、経済格差が世界各地に広がるでもない、第4のシナリオ『非政府主導型』の世界が一番望ましいと感じる。
このシナリオでは、政府の枠を超えて、グローバルな人材がネットワークを駆使して世界を牽引する。環境問題、貧困、腐敗撲滅といった課題ごとに世界中の人が一丸となって立ち向かう社会となるらしい。
あと、一点この本のなかで印象的だったのは、中国の民主化運動。国民一人あたりの収入が1万5000ドルを超えると民主化運動が活発になると言われるが、中国では今後5年以内にこの水準を超える見込みで、国家が不安定になることが予想される。国がこれを抑えるために、近隣諸国との軋轢が強くなるかも、、いかにも有り得そうな話し。
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未来予想。。これは投資を行っている人にとっては大切な問題です。。この本は分かり易く書かれていますのでお薦めです!!
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昨夜Amazonでポチり、今日23時に帰宅して、一気に引き込まれるように読んだ。もちろん原文が分からないのでなんとも言えないが、訳はずいぶん簡単にレベルを落としているのではないだろうか。だからこそ、こんな深夜で眠くてもスラスラ読めた。これを読むと大変日本の将来が不安になった。かと言って僕には国を動かす力はない。多くの知り合いがいる国家公務員に頑張ってもらおう。冗談はさておき、今うちの市でも20年後をどうして行こうかという議論の真っ只中。そんなこともあってこの本を読んだ。前提は厳しいものを採用すべきかな。最悪のシナリオに備えるのが危機管理の基本だから。
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かつてはこの報告書はアメリカ大統領と閣僚、議会有力者などにしか公開されなかったのですが、今は一般に公開されています。大統領には更にディープ版が渡っているそうです。
内容も200ページにも満たず、割合淡泊ですが、2030年をアメリカの国家情報会議はどのような前提で見ている、またオバマはこのようなブリーフィングを受けてどう判断するのか?という興味から読みました。
特に日本について項目を起こし、日本の急速な高齢化と人口減少の中で膨らみ続ける負債をどうするのか?という問題を提議し、IMFの提言を引用して、日本の衰退を危惧しています。というのは、日本の衰退が急激に進んだり、インドの台頭が遅れたりすると、中国覇権型のシナリオに進む可能性が高いのを、アメリカは危惧しているのでしょう。