紙の本
前フリと侮れないネタの宝庫
2001/10/16 18:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:神楽坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
落語には「枕」というものがある。落語本編への導入部であり、古典落語の場合は噺家の個性を見せる意味でも重要なものだ。突然、江戸時代の話に入ると違和感があるので、世相を反映した雑談で客をつかむというところか。その場限りのアドリブかと思いきや、こんな形でまとめられると、案外、入念に練られたネタなのだと感心させられる。話の分かっている古典落語より、枕の方が面白いと思うこともある。バイクやカメラ、パソコンなど、本編の落語とギャップのあるネタが愉快だ。読んでも面白いが、やっぱり生で聞いてみたいものである。
投稿元:
レビューを見る
寄席の経験は一切なし。落語を生で聞いたこともまったくなし。
せいぜい、TVで観たりするくらいでしたが、前作「ま・く・ら」と続編の今作品を手にしてみて、一度は落語を経験してみたいな、と思うようになりました^^
私takaも、幅広い話ができるようになりたいもんです。
投稿元:
レビューを見る
小三治が高座でしゃべったものをテープ起こしした本。小三治の口調がそのまま文章かされている。
小三治独特の間合いや口調を知っている人には、文章を黙読するだけで小三治の声が頭の中で響くことだろう。
枕の部分だけだが、十分おもしろい。
といっても、小三治を生では聞いたことがない。いつか生の噺を聞いてみたい。
投稿元:
レビューを見る
暖かさと、人生にすっと筋の通った様な人柄で
読んでいると面白い。
これを何も見ないで、
特に準備もしないでずーっと語って、
しかも笑えつつ、じーんとできて、スカッとする。
噺家というのはとんでもない職業だ。
投稿元:
レビューを見る
前作で勢いを得て、読み始める。
後書きの最後に「私がおしゃべりをしているのと同じ速度でよんでくれませんか。」とある。師匠の声を頭の中で再生しながら、読み進めた。
あとの演者が来ないので、つなぎで「蒟蒻問答」を演る。なんと45分引き延ばし。ひょいと、楽屋の円生、正蔵(彦六)、小さんの3人の大師匠の姿が目に入る。蒟蒻問答は3人の師匠の教えがそれぞれ違う噺。後はどう演ったか覚えていない。
…初高座。うっかり入ってきた客一人と睨み合う。
などなど、面白い話がたっぷりと。
僕は中学の頃にNHKの円生の「死神」の放送を見た。ほ〜ら、消えるよ。あ、消えた。バッタリ前のめりに倒れる円生。同時に明かりが消えて暗くなる。うわー、怖かった。
本書で、小三冶さんは円生を評して、あの人は自分が名人になりたかった人ですから、なんてさらりと凄いことを。
別の落語家が「死神」を違ったふうに演るなんて新聞で読んで、ちょっと嫌だなと思っていたが、小三冶師匠なら聴いてみたいかな。
投稿元:
レビューを見る
邪道なことに「ま・く・ら」を読まないままに二冊目を読みました。で、読了して最初のも読まなきゃ!!!ってなった次第です。おもしろかったー!
小三治師匠の好奇心旺盛なところがめいっぱい出てて、文章で読むのもまたいいなぁと思いました。デジカメの話に時代を感じます。
投稿元:
レビューを見る
小三治のまくらは、こんなにも長かったのか・・・・。
全てとは言えないが、でも、確かに面白い。
時流を批判し、人情も毒も溢れている。
ふとした出会いが、悲しい結末をにつながる「笑子の墓」には
素直に感動。
長いまくらでそろそろ時間、その時に鳴ってしまった
お客さんの携帯電話の音を、「季節外れのすずむしみたいだね」と
言うことができる余裕が好き。そしてその臨場感が目に浮かびます。
投稿元:
レビューを見る
マクラの小三治とも呼ばれる人間国宝 柳家小三治師匠の マクラを集めた一冊。
※マクラ:落語に入る前のイントロ
作り話ほど劇的ではないが ほろ苦い 笑子の墓の話が印象的すぎる。
投稿元:
レビューを見る
小三治師匠の落語観だけでなく、教育観なども語られていて、とてもおもしろかった。
噺家は落語ができればいいだけじゃなくて、いろいろな知識を持っていないといけないなと思った。
投稿元:
レビューを見る
「手のこんだ、知的な、それでいてどこかバカバカしい笑いに包まれた『噺』」。解説の小沢昭一の言葉に膝を打った。いやまったくその通り。真面目と不真面目の加減が絶妙で、いつまでも読んでいたくなる。
「笑子の墓」が出色。人の縁というものにしみじみと思いをいたす。
投稿元:
レビューを見る
第2弾です。
同じ話をしないからこそのマクラなのであって
いくらでもこの手の本は出せるのではないかと
思いました。
でも、それ以降は続かなかったところを見ると
読む人は一部だけだったのかな、と思ってしま
いました。
第2弾はもうちょっと笑いの小ネタを期待しま
したが、時事ネタが主でした。
それでもトーク力は学べる一冊です。
投稿元:
レビューを見る
小三治師匠が亡くなった。2021年10月7日のことである。その5日前まで高座に上がっていた。文字通り、芸に身を捧げた一生であった。飄々としてつまらなさそうに面白い落語を語る姿が忘れられない。かつて一度だけ、若かりし小三治師匠を見たことがある。落語ではなく、趣味のオーディオの講演会であった。落語を生で聞いておけばよかった、と思うがもう遅い。故人をしのび、小三治師匠の追悼番組で講座を見て、CDで落語を聞き、本書でマクラを堪能した。「笑子の墓」「螢」「パンダ死す」など爆笑の中に、優しさや人情があふれていた。合掌。
投稿元:
レビューを見る
落語に興味を持ち出したのは最近ですが、お噺自体ではなく、まくらの部分に焦点を当てていることが新しいと思いました。
文字で読むだけでもとんでもなく面白かったので、実際にお噺も合わせて聴いたら最高や思いました。
投稿元:
レビューを見る
どの話も面白い。第二弾で噺もてんこ盛りだが、読んでしまうのがもったいない感じ。あとがきにあるように、小三治師匠の喋ってる速度でゆっくり楽しみたくなる。
投稿元:
レビューを見る
最初の俳句の話と、終わりのパソコンの話は面白かったんだけど、あとのはまぁ、自分にはそこまで笑えなかったかなと。にしてもこの落語家さんは、テレビに出てたのも覚えてるけど、一つのものの掘り下げ方が凄い。でもってそれでも、なるほどそういうことは自分でも確かに思うよなってことが多いから、退屈なんだけど、時々「おっ」っていう話も出て来て、読んで良かったかなと。
これで終わりでいいかなと思うんだけど、も一つ、バイクの話ばかり集めたのもあるみたいだから、あったら読んでみよう。