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紙の本
春情蛸の足 (講談社文庫)
著者 田辺 聖子 (著)
「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現でき...
春情蛸の足 (講談社文庫)
春情蛸の足
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商品説明
「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり…。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。【「BOOK」データベースの商品解説】
文化勲章作家による食い倒れ熟年恋愛短編集高すぎず安すぎず、食べたいおでんを求め歩く表題作をはじめとした、食と恋にまつわる短編8編。読めば必ず食べたくなる、大人の恋もしたくなる!解説・小川糸。【「TRC MARC」の商品解説】
「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり……。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。
食べ物のある所には、人間だけに許された喜怒哀楽、笑いや涙がある。
「あー、美味しかった。ごちそうさまでした。」――小川糸(解説より)
「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり……。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。【商品解説】
収録作品一覧
春情蛸の足 | 7−49 | |
---|---|---|
慕情きつねうどん | 51−90 | |
人情すきやき譚 | 91−131 |
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紙の本
お腹が空いて困った!!
2009/10/11 21:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
目次を眺めただけで、じんわりと食欲がわいてくる。
読めばなおさら、だ。美味しいものを囲む男女の場面が実に見事で、その味わいはもちろん、漂う湯気まで伝わってきた。
ああ、私もそのテーブルにつきたい!
8つの物語は全て「食べ物」と「情」が絡んでいる。
薄情、多情、無情、同情…。
人と人が出会うとき、食事を無しに語ることは稀だろう。
同じ食卓で美味しいものを味わう。
共有する時間は、2人の中を深めるか否か?
そんな駆け引きも読んでいて楽しい。
食べるという日常不可欠の、ありふれた行為が、こんな世界を生み出すこともあるのだ。
食べられるって、幸せなことなんだなあ…。
紙の本
あの時代の気分を思い出しながら読むと、さらにいい
2018/05/23 15:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和が終わる少し前(1987年)に編まれた、食べ物と恋をテーマにした短編集の表題作となったのが、この作品。
あるいは「24時間戦えますか」という栄養剤のCMが流れたのが1988年だから、そんな時代の気分が、この作品の主人公杉野にはある。
かといって、あのCMのようにバリバリの企業戦士でもなく、39歳、4歳と2歳半の男の子を持ついたってどこにでもいる男だ。
ただこの小説の場合、この時代の雰囲気がとっても生きている。
さて、この杉野であるが、奥さんとは最近とんとご無沙汰なのである。
田辺サンはそのあたりのことを「淡泊」と書いたり、「寝てるほうがエエ…」なんていう奥さんの台詞で表現しているが、この作品全体がこういう際どい表現で書かれていながら、ちっとも不快も欲情もわかない。
田辺サン、さすが。
その杉野がある日ばったり幼馴染のえみ子と出会う。
久しぶりに会った二人が向かったのがこじんまりしたおでん屋。
「大根が薄いべっこう色に煮えて行儀よく重なっている。じゃが芋は、だしに煮含められて琥珀色である」と、おでんを表現する田辺サンの名人芸にしばし舌なめずりしよう。
きっとこの短編は、このおでんを味わうだけで、半分以上満足できる。
何十年ぶりかで再会した杉野とえみ子だが、やけぼっくりに火がつきかけて、杉野はするりと身をかわす。
なぜか。
杉野はおでん鍋の具材を眺めつつ、じっくり味わいたい男だったのだ。
きっと彼は「24時間戦う」気など毛頭ない。
紙の本
食べ物、酒、恋愛、いずれも自分好み。
2016/02/29 11:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雲絶間姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
関西育ちのため、言葉、食べ物が非常にフィットしていて好きな作家さんです。あとは主人公の女性の多くが自立していて(懐かしいフレーズですがハイミスのキャリアウーマン)自分と重なる所も多いので読みやすい。田辺聖子さんの描く食べ物は、いずれ劣らぬおいしそうな関西の食べ物。関西と言えば今では粉もん、串カツのイメージですが、そうではない、関西の人が普段食べている物やちょっと「ええもん」まで生き生きと描かれています。
紙の本
大阪に行きたい
2023/11/30 10:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中に溢れた料理の中で自己の核を形成しているものは、何の変哲もないシンプルなお料理だったりしますが、それに付随する昔の思い出がまたスパイスとしてより強く心に残っています。
紙の本
ああ、きつねうどんが食べたい
2022/12/06 09:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく読んでいたらお腹が空いてくる小説、とくに寝る前に布団で横になって読んではいけない。「飯蛸」「きつねうどん」「すきやき」「お好み焼き」「くじら」「たこやき」「てっちり」「白みそ」と大阪らしい食べ物が次から次へと登場する、夫婦が仲良く長いこと寄り添うことができるのは、「こうやって、うまいものを(しかも安い)二人で食べて、うまいなあ、おいしいね、と言い合っていられるのが人生の幸福というものであろう」と登場人物の一人が語っているとおり(語っていた彼は独身であったが)だと思う。好いた惚れただけでは何十年も寄り添えない、私たち夫婦も趣味がともに食べることというのがよかったのだとしみじみと思う。小芋の煮いたん、蕗の煮いたん、筍とわかめの煮いたん、が美味しいと思えてきた今日この頃なのだ
電子書籍
お料理と恋物語
2021/06/02 07:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
それが、自分が普段使っている関西弁で語られているのが一層親しみがあり好きになる…と思ったら、田辺聖子さんの著書だから納得いった。
本当にお腹がすく本だ!
紙の本
おいしい
2013/03/22 02:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふわふわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
食べるの大好きな人にはお勧め。読んでいくとだんだん食べたくなる。そして人と人の付き合いの中で、食べ物を共に楽しめるのはホントに大事なんだなあと納得。今日も腕によりをかけてダーリンのご飯を作ります。
紙の本
味だけではなく、味わうという行為
2010/12/14 23:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく、食べものの描写が美味しそう。
たこ焼き、お好み焼き、すき焼き・・・・・。
あっついところをはふはふしながら
頂くのが最高!という食べものが出てくる。
物語の主役は、この食べものたち。
そして、あっついと言いながら
食べる男たち、女たち。
いつもは脇役になりがちな、
おとなしめの中年男性たちにスポットを当て、
彼らの気持ちを代弁しながらも
女性側の本音をのぞかせる手腕は鮮やかだ。
「慕情くじら」
独身時代に母親がよくつくってくれた鯨肉の鍋。
木津は所帯を持ち中年になってもその味が忘れられず
妻にリクエストするのだが、
妻はそれを食べたこともなく、つくりかたを知らない。
しかも材料自体が年々手に入りにくくなってくる時代のこと。
ますます鯨肉への思いは募るばかりである。
木津が鯨肉の思い出を簡単に忘却できないのは
母とふたりきりで食べた鍋の味に、
亡くなってしまった母への思い。
もう三十年以上も顔を見ていない父への思い。
それらが密接に絡み合っているからである。
ラストでは、思いがけない形で
木津がほんとうに食べたかった鯨肉の料理を
食べられる運びとなる。滋味あふれるシーンである。
全編をとおして、食べものの好みが合う人と
おなじものを美味しく食べられる幸せが綴られる。
パターンとしては、妻と食べものの趣味が違う夫たちが
趣味の合う女性と食事をする、というものが多いが、
それは、食べものの趣味の一致がどれだけ大切なのかを
効果的に描く方便でもあるのだろう。
登場する夫たちは、ほんとうは、じぶんの家で
好物を妻と美味しく食べたいと願ってやまないのだ。
描かれてはいないが、そんな感情が伝わってくるのである。
そして、ここに出てくる大人たちは、
食べものを選択するとき、
食べものそのものの味や評判だけではなく、
どうすればより美味しく味わうことができるのかを
考えているんだなぁ、と、気づいた。
時間の重みを、無意識に大事にし始める。
そういう年代ならではの、甘さとしょっぱさが入っている。
紙の本
食と恋にまつわる短編集
2016/12/20 16:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
食と恋にまつわる短編集。主人公は大体中年男性で、それぞれお好み焼きやらたこ焼きやらうどんやらにこだわりを持っている。しかし、そのこだわりが妻や母などに理解されず、たまたま出会う食の趣向が同じ女性といい感じになるのだが、結局は上手くいかないという話が多い。
とにかく食べものの描写がとても美味しそうで、読んでいると食べたくて堪らなくなる。大阪弁もまたいい味を出してるんだよなあ。ずいぶん久し振りに田辺聖子読んだけど、やっぱりいいねえ。