紙の本
食欲をそそります
2023/07/10 09:05
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投稿者:こっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
カレーの歴史が平易な文章で楽しく読めます。著者自身がカレー大好きなのが読んでいて伝わります。単なる知識の羅列でなく、著者の経験談が随所に織り込まれているのが、学術的でなくエッセイに近いところで、本の内容の消化吸収に良いと思います。カレー好きには基礎知識なのかも知れませんが、ためになりました。
紙の本
日本のカレーライスの知られざる歴史と謎を追った異色の食文化史の一冊です!
2020/03/24 13:29
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、私たちが常日頃食べているカレーライスの歴史と謎を解明した異色の食文化史の一冊です。カレーといえば、インドが発祥の地ですが、実は、日本のカレーとインドのカレーとは全く違うものです。というのも、インドのカレーがイギリスに伝わり、それがさらに幕末の日本に西洋料理として伝わったのですが、そこには日本人独特のアレンジが加えられ、現代のカレーライスとなったのです。同書は、膨大な史料を駆使して、我が国のカレーの歴史を読者が楽しめるように平易に解説していきます。そして、ここには日本人の知恵と苦闘のドラマが見え隠れします。内容構成も、「プロローグ カレーはじめて物語」、「第1章 カレー美味の秘密」、「第2章 カレー伝来の道」、「第3章 カレー日本史事始」、「第4章 カレー繁盛記」、「第5章 カレー二都物語」、「第6章 カレーの戦後史」、「エピローグ 日本人の知恵とカレー」と、読者の興味を引くテーマで綴られています。
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一匙のスプーンに乗ったカレーの表紙が妙に美味そうに見えて、思わず手に取った本作。インドで生まれたカレーがいかにして日本に根付いたかをコト細かく説明してくれます。
おかげさまで本作を手にしてからはしばらくカレー三昧。夕飯はカレーライス。パンを買うときはカレーパン。お昼ご飯でそば屋によったらカレー南蛮と、カレー漬けの日が続いてしまいました。
と言う感じでとにかくカレーが食べたくなってしまう本。ただ、日本のカレーに特化している本なので、より広くカレーに関するお話が知りたかったら、やっぱり漫画「華麗なる食卓」がベストかなー、と思いました。
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国民食ともなった「カレーライス」の歴史をたどる名著。
カレーライスとは何か? というところから、明治期にはじめてカレーライスと出会った人たちの感想、そして手軽で美味しい洋食として広まり、レトルトカレーの登場で一気に国民食になった流れが良く分かる。カレーライスの歴史は結構明らかになっている部分が多くて、目新しいと感じた部分は少ないけれども、概説として良くまとまっていて、一家に一冊欲しいなぁと思わせるものがあった。
今や宇宙食にもなっているカレーを通じて、日本人の創意工夫を刺激してやまない美味しさの魅力に迫る。カレーライスって大好きなので、この本を読んだら「今日はカレーを食べよう」という気になるのも良い。あと、本の表紙が食欲をそそるものになっていて、選書メチエ版よりも良いと思う。
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タイトルの通り、日本におけるカレーライスの誕生や発展といった歴史について論じている。
カレーに生卵を乗せる食べ方は関西の流儀だと初めて知った。そういえば勤務先のそばにあるカレー店(大阪が発祥)も生卵トッピングがあるので納得。
明治時代や昭和戦前のレシピも紹介されているが、固形のカレールーが登場する前の作り方は何だか面倒くさそう。。ルーのありがたさを改めて認識した。
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小菅桂子『カレーライスの誕生』講談社学術文庫、読了。本場のインド人が日本のカレーを食べて「うまい、これ何?」と問うカレーライス。本書は、インドを出発し英国経由で日本にやってきた経緯と「日本食」に変容していく歩みをたどる。文明開化からレトルトまで。スパイスの秘密もさぐる食の文化史。
国産初のカレー粉の発売は明治36(1903)年のこと。大阪道修町の薬種問屋今村弥(現ハチ食品)。「洋風どんぶりうちでも作れまっせ!」がキャッチコピー。ちなみカレー丼とカレーうどんも大阪生まれとのこと。関東では高級食化するが、関西では生卵のせやソースかけなど多様化という対比も面白い。
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カレーライス大好きなので、本屋の店先でこの本を見つけた時には直ぐに購入。プロローグから第二章のカレーの伝来の道までは知識としてはそうなのかと言った程度で普通な感じでしたが、第三章のカレーの日本史事始から俄然面白くなってきて、後は最後まで一気に読んでしまいました。カレーの大衆化において、阪急食堂での人気から広まっていったのは興味深かったです。恐るべし小林一三。
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本書は講談社学術文庫の1冊だが、学術というには新しい見解や、あるいは卓見があるわけではない。いわば入門書的なものといえるだろう。カレーについて総合的に考察してはいるのだが、残念ながら執着と深みに欠けるのだ。カレーをめぐる考察としては、なんだか頑張った卒業論文みたいなのだ。もちろん、レベルがということではなく、あくまでもそのスタイルがということであるが。しかし、いずれにしてもカレーを語らせれば、森枝卓士に数日の長があることは確かだ。ここにも、あれくらいの執着と、カレーに対するあくなき追求が欲しいところ。
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今夏、スパイスカレーにハマってしまい、それで手に取ったカレー本の一つが本書です。長い歴史の中で、今ブームになりつつある?スパイスカレーは「原点回帰」と言えます。国民食とまで言われるカレーですが、スパイス本来の香り、また素材の美味しさを引き出す効果を知れば、ほとんどの日本人は驚くのではないでしょうか。改訂版には新たな1ページが加わるでしょう。
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幕末の日本に「カレー」と言う言葉を紹介したのは、福沢諭吉翁だった。
そんなことから始まって、明治初期から現代のレトルトカレーに至るまで。
わが国の国民食(そして私の大好物)であるカレーの歴史について書かれている一冊。
文庫本でありながら、巻末の参考文献リストは圧巻の量でした。
連休中の空き時間を利用して読了。
付箋は5枚付きました。
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カレー大好き
日本人は海外の食材メニューを工夫して日本人にあったものにしていく
カレーライスも明治時代には高級な洋食であったものが現代では庶民の人気メニューになっている
即席カレーというアイデアも商品開発に時間がかかってもパッケージ方は多くの食品に利用されている
人気メニューになっていく経緯がよくわかる
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まさかの講談社学術文庫でカレー。しかもこの表紙、素晴らしく美味しそう。伝統的な、食堂で出るようなとろみのあるカレーっぽいですね。
日本のカレーはイギリス経由、というのは美味しんぼを読んだ(ほとんどの)日本人のリベラルアーツと言ってもいいですが、そこらへんから戦後までのカレーの歴史を読みやすく纏めています。
個人的には、ビーフカレー、ポークカレー、チキンカレーのどれが日本のカレーライスの正統なのかを確かめておきたかったのですが、明治5年刊の「西洋料理指南」によると、「鶏海老鯛蠣赤蛙等のものを入て能く煮」という記載があるそうで、鶏の文字があったことよりも「赤蛙」の2文字の強烈さが印象に残ります。ちなみに玉ねぎじゃなくて長ネギというのもポイントで、本著ではそれに着目して文明開化に伴う西洋野菜の普及状況まで追っています。
なお、ポークカレーは結構歴史が浅いものらしく、日清戦争、日露戦争で牛肉の需要が逼迫した結果として明治末期から大正にかけて普及し始めた模様。しかし、大阪では依然として牛肉人気が続いたとのことで、これが現代にまで続くカレーの具は何派?論争に繋がっているのかと思うと感慨深いものがあります。
具材として玉ねぎ、人参、ジャガイモが入ったカレーは明治44年のレシピで初めて登場したそうで、著者はそれを彩りを重視する日本人の気質によるものでは、と書いています。「目で食べる日本人」というフレーズは、確かに初めて聞いたものではありませんが、まぁ肯けるような。
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インドで生まれ、イギリスを経て「洋食」として日本へ入って来た、オレらが大好きなカレーライス。
その、受容と日本化のプロセス・歴史が全部わかる本。
日本のカレーの特徴として野菜(芋玉にんじん)があるようだけど、明治に入って北海道で川田「男爵」やあのクラーク博士によって普及が始まったということもあり、そのくだりが特にエキサイティングだった。玉ねぎなんかも歴史は意外に浅くて、始めは「こんなラッキョのオバケみたいなのが食えるか」という感じだったらしい。カレーでも、当初は白ねぎが使われていた由。
東京の高級化(中村屋)・大阪の大衆化(阪急百貨店、小林一三)や、ライスカレーとカレーライスの呼び名の経緯なども面白い。
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タイトルのとおり。カレーが日本でこれだけ根付いたのは何故か。しかもルーツであるインドと異なるテイストで。の研究を行ったもの。
外国のものなのでそりゃ明治時代くらいから始まったんだろうくらいの想像はついたが、それ以上の事情があった。今や料理初心者がまず作るくらいの庶民的料理が、高級路線だった時代があるとは。関東と関西でカレーの食べ方の違いがあるのも初めて知ったが高級路線と庶民路線から違っていたとは。また、レトルトどころか固形のルーなんて戦後に生まれたとか意外と新しいとは。何故か、は本書を読んで欲しい。
カレーにとどまらず、その具材や同時代に誕生した他の西洋料理のこともへえ!と思うことが書かれている。まぁとにかく、日本人が自分たち流に工夫してカレーを変えてしまうその食に対する執念はホント昔から変わらないんだなあと改めて思った。
講談社学術文庫なのに先が気になってすいすい読んでしまうのは新鮮。何より謎なのは、何故この本が家にあったのか…(家族には料理研究家も食文化研究者もいない)
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「ではどのように〜したのでしょうか⁇」
という文の次に、その件に関することが結局書かれていない、という部分がちょこちょこあった気がする… 〜の部分が知りたいのに‼︎
読解力がなかったのか…⁇