紙の本
自分の心にある見たくない部分
2017/12/21 08:44
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投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝井リョウ氏の作品は、誰もが持っている「自分の心にある見たくない部分」を容赦なく引きずり出し、これでもかとエグッテくる。
本作も、読みながら「あー」と叫んで、転げ回りたくなるような気分にさせられる(それが快感)。
宝塚を思わせる舞台女優のファンを中心とした連作短編集。
1話目の最初のシーンが、3話(最終話)の最後とつながる構成や、1話目の「アキ」に関するトリック?がお見事。
紙の本
オンナのセカイ
2017/06/08 01:32
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あくまで男性からの女性の世界の話なので、
子宮周りにはせめこまない。
かといってガワの話で終わっているわけではないので、
じゅうぶんな読み応えかと。
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人は誰も現状を劇的に変えてくれる革命を待っているんだろうなと思った。周りは持っているのに自分には無いもの。それを手に入れるのには、もっと真っ直ぐな道があるかもしれないのに虚栄心がじゃまをしてしまう。
第1章
つかさのファンクラブのトップを務める美知代。小学生の同級生だった明元むつ美(アキ)がファンクラブの新入メンバーとして入ってくる。どれだけ待ってても、革命なんて起きない。
第2章
演劇部の大道具で絵を描くむつ美。公演のポスターに描いた絵で弟の嘘がバレてしまう。
第3章
舞踏学校から同期だった円が女優業を引退した。円とは性格が反対で、昔からリーダー的な存在で優等生だったつかさ。少しずつ書き進めていた引退報告のブログ下書き。
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変われるか、自分。
有名劇団のかつてのスター〝つかさ様〟のファンクラブ「ファミリア」を束ねる美知代。ある時ファミリアの均衡を乱す者が現れ、思いがけない現実を連れてくる。切り札はどこに。屈折と希望を描いた、連作集。
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ひとつのお話のようで、各章は3人それぞれのお話。一冊を通して筋が通っていながらも、3人のお話を読んで思い 考えることは別々のテーマであるところが興味深い。
また、特に一章と三章の叙述トリックというと大袈裟だけど、ちょっとしたどんでん返しにはまんまとやられた!!
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女の子は明日も、を読んだ時もそうだったけど、
女子は周りと比較する。
周りとの関係性の中で自分のポジションを図る。
そのめんどくささを上手に描いてくれている。
あさいさん男子なのに!
普段はあんなふざけてるのに!笑
ぐさっ、とくるけど、女子として生まれた楽しさを感じる本でした
この本も、擬音を効果的に使っていました
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私、好きでした、これ。
タイトルは大富豪にちなんでいて、
「ファミリア」というファンクラブのリーダーで統率を取ることで自分の居場所を作る女(スペードの3)、
容姿にコンプレックスがあって変わるチャンスを探す女(ハートの2)、
「普通に幸せ」な人生を送りドラマティックなバックグラウンドがないことを嘆く女(ダイヤのエース)、
の三篇です。
どれも描かれている悩みの本質は、
よくそこに焦点を当てたな!よくわかりましたね!という、女性的なものなんですが、
筋運びは(いい意味で)男性的です。
物語の起承転結がはっきりしている、というか。
現実では、「誰もそんな決定的なこと、言ってくれないよ!」というような類の発言が出るわ出るわ。
しかしいいのです。
だって物語だもん。
そうやってカタルシスを得たいじゃないですか。
みんな、誰かを羨望して、救われたいと願っているのに、
最後は「自分で頑張るしかない!」という結論に至るという。
この三名はみんなすごく孤独で、
周囲に自分を偽っていて、
その本性が知れているのがその、うらやましくて仕方のない相手である、というのが、想像するだにカッとなるような状態ですよね。
でもここから開き直ってほしい、というエールをこめて。
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宝塚をイメージさせる女優を中心に、周りの女性たちを描いた連作短編集。
ミスリードのうまさは感じたし、それぞれ最後には一応の救いがあったので嫌な気分にはならなかった。そこらへんの作り方は確かにうまい。
でも、女優に関係する女性(ファン)を描いてきて、女優本人を主人公にした物語を描くのは違和感がある。違う人を主人公にした物語にしてもよかったのにとは思うり
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トランプの大富豪がタイトルになっている作品。
3部の構成から成っており、それぞれが微妙に関わっている。
相変わらず人間のエゴというか見栄というか弱いところを描かせたら上手いって感じ。
逆に読んでいてその部分が痛かった。
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相変わらず面白くないなぁ。
ミステリでもないのに、良くある手を使ってるのも気に入らない。
桐島、よりは少しマシな気もするけど。
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謙虚さを大切にしようと
思った時点で、もう後戻りできない。
意識して大切にしている謙虚さなど
本当の謙虚さではない。
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心がとても痛かった。
誰でも自分を認めてほしくて、自分の居場所を見つけたくて、あがいている。
いちばんわかりやすいのが、誰かと比べること。その誰かより「秀でている」ことを見つけようと躍起になったり、嫉妬したり…。誰もが女なら大なり小なり経験してきたこと。
痛いなぁと思いながらもページをすすめる手をとめられなかった。
痛々しかった過去の自分ときっと今もそこから完全には自由になれていない今の自分を抱きしめてあげたくなった。
どうして男性の朝井さんがこれを書けるんだろう。
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文章は読みやすく、ボリュームは少なめ。
一気に読める。
舞台女優のファンの世界。
メインの登場人物はすべて女性。
自分にとってまったくの未知の世界ということもあり、次の展開が気になり、どんどん読む。
そして、9割ほど進んだところで、気づく。
あ、もう終わりだ。
各章の主体になっている3人以外の人物のことも、もっと知りたかった。
特に、2章に出てくる志津香とか。あ、飯島ちゃんとかも。
もっと言えば、美知代とつかさは人物像が見えたけど、アキ(メインキャラの方の)に関しては、もう少し続きも読んでみたかった。
まぁ、でも、はじめの一歩を踏み出すまでを描くという意味では、三者とも共通だからいいのか。
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有名劇団のかつてのスターのファンクラブをとりまく3人の女性のお話。連作短編集ですが、それぞれに昔と今、人間関係をうまく織り込んでいて、途中で「おおっ!」ってなりました。
心理描写も巧みで、ちょっとこわくなります(笑)。さすが朝井リョウ、って感じですね。
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このところ続けて読んでいる朝井作品。
うーん、帯にやられたかなぁと言った感じ。
演劇を軸に描かれている三編の連作。
朝井作品の持つ独特な刺さるようなダークさを期待していたのだけれど、私には余り刺さらず。
しかしこの人は女性を描くのが上手だなぁ。