電子書籍
しっかりしたニュータイプの本格ミステリ
2021/01/25 23:53
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初はラノベの話か、とあまり読む気にならなかったのですが、読み進めていくとどんどん面白くなりました。次第に虚構と現実の境があやふやになり、かつてない設定と仕掛けに魅されました。途中から論理的な説明には脱落気味で読んでいましたが、本格ミステリとしてのエッセンスはしっかり取り入れられていました。見事な挑戦作だったと思います。
紙の本
物書きに読んでほしい1作
2023/07/04 12:51
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投稿者:いつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は「うわ、こういやつか……」と文体で辟易したけれど、読み進めていくうちに創作者の創作物にたいしての倫理観というテーマに引き込まれていった。
キャラクターの生死を操れる作者だからこそ持たなければならない哲学や倫理観に身をつまされる思いだった。
私は小説を書く創作者だからそう思ったのだと思う。マンガや小説など、物語創作をする人にはぜひ読んでほしい1作。
電子書籍
優しいお話
2021/03/27 23:51
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人の若い子らしい優しい話やなあ、と思ってしまう。この路線で、どこへ転んでいくんだろうと思ってたら、割と壮大なとこに着地して、びっくり。『果てしなき流れの果に』かよ。自由意志や虚構と実存をめぐる哲学的な議論も面白いが、多世界解釈をめぐる自由意志の問題では、時間の流れの存在と自意識の在りかが重要であることが分かった。世界が分岐するとき、分岐したことが誰に意識されるのか。分岐する「前」と「後」ということは、時間の経過が前提となるが、ということ。まあ、ハッピーエンドっぽくっていいか。
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帯に新井素子「・・・絶句」と書かれたら読まないわけにはいかないなと。正直「・・・絶句」ほど面白くはない。
一人称小説の難しさを改めて感じさせられた。関西弁てこともあるかもしれないけど、くどくどと書きすぎでキモオタの妄想をひたすら読まされてる感が拭えない。あのオチだとSFにもなってないし。
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野崎まどの「2」などの影響を受けてるように感じられたが、レトリックを巧みに使った作品としては非常に楽しめた。あの日ラノベを貪るように読んだ全ての元・オタクたちに読んで欲しい一冊。
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2018年96冊目。入りの地の文で危険な香りはしたけど、読み進めるうちに慣れていった。この突き抜けてる感じは嫌いじゃない。最後がややこしくなってしまったのは致し方ないとは言え勿体なかった。
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読ませられた、という感じ。序盤はどうなるのかなと思っていたけれど、読み進めていくと不思議な感覚に陥った。
作者さんの熱量が伝わる。楽しく読めた。
ただ後半は良くも悪くも二重三重と重なってくどく感じた部分はある、かなぁ。
読者を選ぶ作品ではあった。
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初名倉。メフィスト賞受賞作。初めての異世界モノで勝手がよう分からんけど、他もこんなもんなの?最終的にはキャラクタ愛をトコトン追求する作品。まあまあ楽しめました^^ 星三つ。
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この本を読み終わると優しい気持ちになれたし、みんなに優しくしていこうと思った。
今まで見たことのない小説の形で読み進めるうちに何度も驚かされて、文章が関西弁なところもなんだかほっこりした。
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第58回メフィスト賞受賞作だそうである。SNS等でタイトルは知っていたので、何となく手に取ってみたものの…自分にとっては難物であった。歴代のメフィスト賞受賞作の中でも、かなり読者を選ぶのではないだろうか。
読み始めてすぐ、肌に合わない文体だと感じた。難解ではないが読みにくい。舞城王太郎氏との類似性を指摘する声も見かけたが、まったく比較にならない。さっさと読んでしまおうと、機械的に文字を追う。やがて飛ばし読みに近くなる。
そもそも本作は、ミステリーかどうか以前に、小説なのか? そんな疑問すら浮かんでくる。どちらかといえば、作者の創作論と捉えた方が腑に落ちる。はたまた禅問答か、哲学か。作者の自問自答が、ぐるぐると渦を巻く。
小説にしろ漫画にしろ、キャラクターというのは発表された時点で読者のものになる。作者と読者それぞれの、キャラクターへの愛のスタンスは、異なるだろう。例えば、作者が重要視していないキャラクターに、大ファンがいるかもしれない。
名倉編という新人作家は、作者側と読者側、両方の立場で板ばさみになっているような印象を受ける。商売と割り切る作家の方が多数派だろうし、それが悪いとは思わない。こんなことで悩んでいたら、商業作家としてやっていけない。
誰でもネットという場に作品を発表できる時代である。自分だって「いいね」されると嬉しい。だから、玉石混交のネット空間に、ダイヤの原石が埋もれている可能性を否定はしない。名倉編とは、既存の枠にはまらない才能には違いない。
などとぐだぐだ書いてみたものの、やはり、小説の体をなしていないと言わざるを得ない。自分には、本作を受け入れる度量がなかったということだ。
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これまた奇抜な作品を選んだなぁメフィスト賞。
もう何が現実で何が小説で何が異世界なのか分かんねえよこれ。
関西弁なのはいいとしても平仮名ばかりで読みにくいよこれ。でも関西弁だと平仮名になっちゃうのか。
まぁなんか最後までよく分かんなかったけど、面白かった。ような気がする。
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あああ、すごかった…
この小説には読み進めていくと、いくつかの仕掛けがされていることがわかります。それがとても楽しい!
そして、やっぱり主人公がいい人すぎなのです。
全部救おうと悩み、考え、実行する。
創作をされる方には手にとってほしい!キャラクターが作者の自己満足であらぬにはどうすればいいのか?
とてもおもしろかったです!
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「まじめに。正直に生きていれば。きっとさいごにはしあわせになれます」
『真相はまだない。犯人も。正当化も。これからおれが推理するとこではじめて決まる。
書かれるまえの小説のように。
それがおれの推理 ー いや。創造であり想像。』
『答えるまえに答えはなく。答えてはじめて答えが生まれる。そういう問いに答えることは「発見」ちゃう。「創造」やとおもう。』
『おれがこの世界にもちこんだ小説が
この世界を変えた。
京極夏彦が西尾維新が森博嗣が舞城王太郎が村上春樹が村上龍が町田康が円城塔が冲方丁が野﨑まどが鳥山明が荒木飛呂彦が冨樫義博が増田こうすけが柴田ヨクサルが林田球が美川べるのが尾玉なみえが。
この世界を大きく変えた。んか。』
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小説投稿サイトに自らの小説「臥竜転生」をアップする名倉編はその小説世界に飛ばされる。小説世界と現実世界を行き来する事で、小説を手直しする必要に迫られ…不具合を正すために、更に新たな世界を作り…と、現実と小説世界でとてもややこしいが、事が起きるたびに、厳しいルールをかいくぐり、様々な策で解決させる名倉編の手際がスゴイ!そして、後半はミステリーの様相まで呈してくる。読んでいると本当にややこしいんだけど、ズルズルとこの世界に引きずり込まれた。それにしても名倉編、なんて優しい男なんだ!!
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地の文の癖がすごいなーと思って読み進めていくと思いがけないお話に転がっていき、最後には整理がつかず混乱するような禅問答、という感じでした。