紙の本
超好きです。
2020/08/30 20:15
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ベトナム人留学生が日本人のミュージシャン彼氏に叫ぶめちゃめちゃ良いシーンがあってそれについて語りたい。超好きです。
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(多分)初めてSF小説を読んだ。宇宙から謎の知的生命体がやって来て、彼らを「難民として受け入れるか」が問題となる。とはいえメインは人々の日常生活を中心に描写され、宇宙からの難民Xとリンクしながら話が展開されていく。
それとなく社会問題としての「難民問題」も暗に示していて考えさせられるところが満載。内容は違うが、SFがらみもあってか『アバター』を観た時に近い心境になった。
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派遣、貧富の格差、性別、いろんな現代の問題を描いていて暗くなりそうなところを、SF仕立てで描いて不思議にカラッと読める。ヒネリの利いたストーリーもよかった。「高学歴でも派遣の女性」って「逃げ恥」の主役と一緒なのだけど、ここまで毛色が違うか、という感じで面白い。
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著者の小説処女作で小説現代長編新人賞受賞作。ニッポン複雑紀行の望月優大氏の記事(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75061?page=1&imp=0)を読んで興味を持ち、読了。
アメリカが宇宙からの「惑星難民X」を受け入れるという公式発表を行った世界。舞台は日本。主に3人の主人公の視点で物語は語られる。文学部で院卒の派遣社員(女性)。40代、コンビニと宝くじ売り場のアルバイトを掛け持ちしている女性。ベトナムからの日本語学校留学生(女性)。
宇宙からの難民を受け入れるかどうかという大きな物語の中で、目の前にあるのは日本にいる外国人という小さな物語がアナロジーとして描かれる。現代の日本の移民問題を考えるためにも重要な作品。
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なんじゃこら、という話ではあったけど、
おもしろく読めました。
惑星X人を難民として受け入れようと世界が動き出している中での、三人の女性の日常を描いています。
それぞれ、大学院まで出たけど派遣だったり、男運のないバイトかけもち店員だったり、外国人留学生だったりと、社会の敷くレールからはずれそうになって生きづらそうにしている女性たち。彼女たちは男性からの理不尽な言葉や暴力にも苦しんでいます。
ドカチンが日本をつくっている、というセリフなど、社会の構造をこれでもかというくらい突き詰めた上での、惑星難民Xという異質な存在の登場。
作者さんは脚本家らしいですが、それもあってか、小説というよりはストーリーの企画書を読んでいる感覚になりました。おもしろいけど、情緒的な深みには欠けているような。
あと、惑星難民と三人の女性とのつながりがあるようで、そこまで劇的なSF展開にもならないので、主張したいことはわかるけどもうちょいひねってほしかったなと思いました。
次々にページをめくってしまう勢いはありました。
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とても良かった。3人の女性たちの日常、ちょっと大きな出来事、もう少し些細な出来事、共感できた。生きづらい社会の中で、それでもささやかな幸せを願いながら毎日を生きる女性たち。
ベトナム人留学生の気持ちになって考えたりしたことはなかったので良かった。コンビニと宝くじ売り場のバイトをする女性の気持ちにもなれた。登場人物に感情移入しやすい書き方がされていた。
作中人物だけど、3人ともこれからも元気に生きていってほしいと思う。自分とほとんど何の共通点もないが、分身たちよ、元気で頑張ってくれ!と思う。
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時代を鋭く捉えているが同時に既視感もある。その正体は、難民や移民を超えた普遍的テーマへの問いかけなのだろう。漠然とした不安や繋がり、バランスが壊れたように噴出する暴力。淡々とした日常に主題が潜んでいる。
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3人の若い女性,それぞれ現状に圧迫感を感じ生きることに疲れている.コンビニを舞台に彼女たちが交差し普通の小説であるはずが,惑星難民Xという味付けで風変わりであっと驚くような物語に仕上がっている.
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淡々と進むヒューマンドラマ。
惑星難民X受け入れを進める社会や各登場人物が丁寧に描かれているからか、斬新な設定をすんなりと受け入れ一気に読むことができる。
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異星人が人間社会に分からないように溶け込んでいて、それを概ね人類も受け入れている世界。完全に人間をコピーしているので誰にも分からない。そして異星人は人間を傷つけるつもりも支配するつもりもない。
さて、自分の世界に異星人が紛れ込んでいるとしたら。もはや自分だって異星人の末裔かも。
とても興味ぶかい本でした。
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もし宇宙人が難民認定されたらあなたは受け入れることができますか???
✳
本書の主な登場人物はみんな女性です。
派遣社員やフリーター、語学留学生…。
三人とも普段から疎外感を感じながら生きるキャラとして登場します。その姿はどこか惑星難民Xに重なります。
「むしろ自分たち外国人は惑星人と共に排除されてしまうのではないか」
「惑星難民Xは、二十六歳の平凡な自分と何が違うというのだろう」
✳
こういう状況をなかなか想像できませんが、たとえば自分が海外に留学生として住むことを想像するとわかりやすいのでしょうか??
「──私も惑星隣人Xだ」p111
確かにそう思うかも。
今日の教訓:隣人には優しくしよう
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映画館で予告を見た。宇宙人がわらわら登場するのだろうと期待しながら、原作を手に取った。
「惑星難民受け入れ法案がアメリカで可決、日本でも」という、かなりセンセーショナルな舞台設定。
その派手な背景とは裏腹に、物語には不思議な静けさが漂う。
一流企業の若い女性派遣社員、
過去のある40代独身女性、
ベトナムからの留学生の女の子。
今いる場所に存在することに自問自答を続ける登場人物たち。彼女たちに共通するのは、世間からの疎外感、消えない不安、孤独。
(え、惑星難民出てこないじゃん、と、戸惑いながら読み進める。)
「透明になることが社会に適合することだと思っていた」p123
「(辞めたら意味がない、の)意味とはなんだったのか」p21
「ここにいていいのだろうか」p200
頑張っても頑張っても、目指すものの手前に引かれる見えない境界線。「暗黙の了解」の中で、自然に成立する「棲み分け」。p15
ああそうだった、と自分のこれまでの人生を痛みと共に思い出す。彼女たちの痛みがそのまま重なる。
「人間を傷つけるのはいつの世も人間」p213
透明な姿を、スキャンした対象に変えて、ただ平和を望みながらその一生を終えるX。
地球という星では、誰もが在るがままに生きるのは難しい、ということを改めて気づかされる。せめて自分の隣の人の痛みくらい、想像できる人間でありたいと思う。
捕捉
本当によくできた小説だと思うけれど、紗央と良子、二人ともが父親に関する物語のため、少し混乱する。(映画ではその辺りが整理された形になっているのかも?)
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惑星難民XってSFぽい中、登場するのは
3人の女性。
読みやすく、それぞれの境遇が想像できる。
そして、難民問題、移民問題。
問題ってよく言うけど問題ってつくから
難しく考えなきゃいけなくなっちゃうのでは。
Xのように、
自国が住めない状態で、そこにいると命の危険に晒されるんだよ。ただそれだけだよね。
別にその国を乗っ取りたい訳じゃなく、
ただ安心して暮らしたい。
人間は、あくまでも自分のテリトリー内のことは自分ごとだけど、それ以外は他人事だよ。
自分にも戒めていきたい。
ニュースで見た、ガザとイスラエルの戦争で、
ガザのテロリストがイスラエルに侵攻成功したことを祝うパレードがヨーロッパ(国名は忘れた)であったみたい。難民や移民を受け入れると言うことは、戦争が身近になるということだし
関係ないとは言えなくなるんだなと思った。
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身内が映画制作に関わったとのことで読んでみた。
はあ、そうですか、という読後感。
SFのようで何気ない小説のようでミステリーのようで、それらが混ざり合ったような、もやっとした感覚。
外国人の存在も含めて、純粋な何かなんてない、意味もない。そんな風に思った。
くじ、当たってるといいな。
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映画が気になったので原作本を。
なかなかXが出てこなくて、普通の日々を過ごす女性たちの小説かと思いきや、そー絡ませてきたかという感じ。
異星人をどう受け入れるかという問題もそうだけど、ジェンダーとか異国の人に対する態度とかいろんな社会問題も折り込まれてて面白かった。
リエンのXに対するずるいという気持ちが、一番しっくりした。