紙の本
不安定な設定でも読まされた
2022/09/04 15:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本橋三越の大理石に貼られたケロケロケロッピのシール
秋田の廃鉱山のテーマパークのマネキン人形のツトム
テレワークで部屋で仕事をしている夫
亡くなった母親
全てが現実感が無く繋がりも理解し難い。
場面は秋田のテーマパークのツトムに会いに行く小波と落盤事故で坑道に埋められたツトムの物語が交互に語られるが、繋がりが無いのに危機迫る二つの物語がシンクロして読むことが出来る。
不思議な感じ。
ラストまで読んでも繋がりが一致しないが、不安定な場所に立って揺さぶられたような読後感が残る。
電子書籍
幻想なのか偽りなのか
2022/08/12 21:22
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小波という女性が、日本橋三越の柱に、実家に貼り付けたシールの貼付を発見。母親から父親だと刷り込まれてきたツトムという坑夫……これって?登場人物は少ないのに、なんかリアリティー無くて。二度読んでもよく分からなかった
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背筋がゾクゾクするような恐怖感。血が飛んだりするのではなくて人の内面を少しずつ抉り取っていくような、そんな怖さ。
小波という主婦が日本橋三越の柱に、実家に貼り付けた「けろけろけろっぴ」のシールが貼ってあるのを発見したことから話が始まる。母親から父親だと刷り込まれてきたツトムという坑夫のマネキンの妄想と、家庭という現実の世界が行き来する。
主体性を持ってツトムという架空の父親を求めるあまり、妄想の世界から戻ってきて失うものもあった。歪な子供時代の家庭で得たものは大人になっても癒えることはないのかも
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よくわからないまま、でもこの不穏な感じが気になり、ずるずると、抜けだせない…
そんな感じで最後まで読んだ
でも、何が現実?やっぱり私にはわからない
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帯にある通りスピード感はあって一気に読み終えたのですが、全編のうち9割以上が狂気の中(場面によって狂気の種類が違うだけ)で、実際には何が起こったのか想像するしかない結末の読後感は決して良いとは言えませんでした。私には分からない世界です。
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何が何だかわからないまま読み終わりました。
小波の中ではつながっているんだろう「なにか」すらわからなかった…。
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2022年芥川賞候補作、が発表された時、この書籍のタイトルが他にない実に色々な内容を想起させ、きっとしゃれっ気に満ちた小作品であるに違いない…と思い受賞するしないを別といて読むこととした。
いざ読み始めて見ると、主人公(夫婦だが)の珍奇な、そう珍奇な人物として形容されがちなふうたいやしぐさ、考え方、物の見方、が伝わってきて、興味本位に読み進めることができた。
また、ストーリーの展開的には、これまた不思議な、現実(小波という主人公)と創作あるいは過去の事実(ツトムというマネキン人形)が交互に重なったり離れたりする「パラレルワールド」の描写の体をなしているようでもあり、人によって好みはあろうかとは思うが、私は飽きずに読み切ることが出来た。そこには小波の神経質なおどおどとしてしかし時に大胆な、何をしでかすかわからない特質をうまく捉え描写している、という事があるのかもしれない。
全体を通して、どちらかというと(必要以上に)明るい内容の小説では無いのだが、先に述べたような主人公小波を取り巻く不思議な世界観、を主とした小説であると思う。時間の許す限り、この世界に没頭して、スペクタクル的な内容を楽しむことは、決して損では無いと私は思う。
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正直、何を表現したいのか理解し難い内容でした。文章力はあり、比喩表現などは
唸るようなところも多く、擬音も独特で
くせになる。所々、主人公の罵詈雑言が炸裂し作者の方の魅力に繋がるのかなとおもいました。が...いかんせん内容が!
他の方の感想や考察が楽しみ。
なんで、二度楽しめるかなぁ。
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冒頭からめちゃくちゃ好きで、久しぶりに味わうこの感覚にドキドキした。
虚構と現実が混ざり合いながら、まさに侵蝕し合っているという感じ。
狭い世界の中で、その1つの頭の中で繰り出されているだけなのに、自分だけが激しく錯乱している様に滑稽さを感じて、それが奇妙にこの小説の狂気を深めていて痺れた。
物語の展開に混乱させられながらも、確実に激しく心が揺さぶられて鳥肌が立つ感じがとても好き。
もう一度冷静にちゃんと考えて書きたいけれど、芥川賞候補作を全て読んでみて、理由なく1番好きだったこの作品がとってほしいな〜という気持ちから、安直で拙い感想だけれど取り敢えず。
芥川賞発表までもうすぐだ〜、楽しみ!
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独特な感性だなと、読み終わって感じました。
主人公の小波が、小さい頃から父だと思っていたのが、ある鉱山の跡地に出来たテーマパークに置いてある杭夫をイメージした人形。その名は「尾去沢ツトム」そんなツトムが、大人になった小波の元へ
出現する。現実と虚構がいいリズムで、文章に表現されていて、スピーディーな展開で読みやすかったです。ちょっと怖かったですが。
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梶井基次郎の檸檬のような小説。
現実はあまり変化ないのに、心情面が変化していて、追うのが大変だった。
主人公の小波と
ツトム視点の回想シーンが交互に繰り返される。
主人公、母、ツトム、夫の4人ほどしか登場人物がいない。
既にツトムは亡くなっているのに、主人公の妄想で出現するので時間関係が判明するまでに時間がかかり、正直読みにくかった。
けど、心情描写、比喩には作者の面白い感性が感じられた。2度読みして咀嚼しないと、、。
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なんか気味悪い感じ。
日常っぽいのに、細部が気味悪い。
鉱山に飾ってあるマネキンを父と言われて、それをそのまま受け入れてるって、どういうことだ?
夫の発言は何?
誰がホントのこと言ってるの?
そもそも何が現実で何が幻?
夫も幻?
小波の話と坑夫の話は、交わるの?
結局、交わりそうで、交わらないよね?
何がなんだか分かんないんだけど…
メチャクチャ煙に巻かれて終わった。
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初めてこの方の作品は読みました。
村上春樹に通じるものを感じています。
現実なのか、幻想なのか、何んだかわからない。始まりのケロケロケロッピのシールは一体何だったのか?度々、現れたツトムは何だったのか?そして、そんなよくわからない世界でありながらも高い表現力で吸い込まれる感じが村上春樹の世界と近しく感じています。
また、いつの機会かにまた、この方の作品は手に取るかもしれません。
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芥川賞候補となる純文学は苦手で読まないのだが、この作品はタイトルとあらすじから狂気が溢れていたので気になった。狂気と現実の境が曖昧。夫が言ってたことは本当なのか?
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主人公は、何の病気(精神疾患)だろう?と思った。
短くていつの間に読んでしまうが、幻覚が見えたり、人形を盗んだり、そのあと後悔したり、生きづらすぎる。
週5フルタイムで働くことは、トライアスロンを完走するように壮大に思えるっていうのは共感した。