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紙の本
マルクス 生を呑み込む資本主義 (講談社現代新書 現代新書100 今を生きる思想)
著者 白井 聡 (著)
人々が「自分のもの」と信じて疑わない意識、感性、思考のなかにまで、資本主義が浸透し、深化するとはどういうことかを、マルクスの理論を通じて検証。マルクスの思想の核心部に迫る...
マルクス 生を呑み込む資本主義 (講談社現代新書 現代新書100 今を生きる思想)
今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義
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商品説明
人々が「自分のもの」と信じて疑わない意識、感性、思考のなかにまで、資本主義が浸透し、深化するとはどういうことかを、マルクスの理論を通じて検証。マルクスの思想の核心部に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
資本という得体の知れない他者が、全地球を、人間の心をも包み込み、圧迫し、窒息させていく。労働力にとどまらず、われわれの感情までも「商品化」される現代社会を、「包摂」という概念をもとに読み解く。
われわれ一人一人が「自分のもの」と信じて疑わない意識、感性、思考のなかにまで、資本主義が浸透し、深化するとはどういうことか――。
【本書のおもな内容】
●それでも資本主義は終わらない
●働く者が自らの労働の主人でなくなってしまう
●社会は自己内部の矛盾によって変化する
●「富一般=商品」となる資本主義特有の現象
●商品物神・貨幣物神・資本物神の下の平等
●資本とは不断で無制限の価値増殖運動
●自分のための労働と資本家のための労働が区別できない
●「最良の労働者」の誕生――新自由主義段階の包摂
●「協働」や「共感」も商品となった――受動性の果てに
「イメージ的に述べるならば、資本主義とは一つのシステムであり、それはそのシステムの外にあるものを自己のなかに次々と取り込んでゆく。「外にあるもの」とは、天然資源であったり、より一般的に自然環境であったり、あるいは人間が生きていくうえで取り結ぶ社会的関係であったりする。さらには、単に取り込んだだけでは終わらない。資本は、資本独特の運動=価値増殖に役立てるために、取り込んだ対象をその運動に適したものへと変容させる。取り込まれたものは、資本主義のロジックによって浸透され、変容させられる。資本主義が「深化する」とは、端的にこのことを指している。しかも、その変容=深化がどこまで続けられるのかは、誰にもわからない。資本主義のロジックのなかに、その限度はない」――「はじめに」より
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100ページで教養をイッキ読み!
現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!
1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)
テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
「一気に読める教養新書」です!
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著者紹介
白井 聡
- 略歴
- 〈白井聡〉東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(社会学)。京都精華大学教員。「永続敗戦論」にて石橋湛山賞など受賞。
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最後の章がリアル
2023/03/29 09:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルクスの思想についてわかりやすく、焦点を絞って説明してくれていて分かりやすい。「包摂」ということばについても、社会学などでいまよく使われている、社会的「包摂」とは違う意味であることなどを説明していてくれて混乱しないですむようにしてくれている。
最後の方の章では、オリエンタルランドの個別具体的なケースがちょっと出ていたり、最近の日本での労働争議の数の減少のことを言っていたり、現在のリアルな状況との関連にも触れられていて主張がはっきりしている。
だからどうすればいいのか、について考えることは、読者にゆだねられている。