商品説明
【戦後日本社会の抱えてきた問題、実に大きい問題が、たとえば天皇の戦争責任が問いかけられている――大江健三郎】【東日本大震災で私たち劇作家が何より痛感したのは、井上ひさしさんの不在なんです――平田オリザ】【井上ひさしが生きていたら、その目には、この日本の状況がどう映っていただろう。――没後10年。いまこそ読み直したい、井上ひさしの文学。】大人気テレビ番組「ひょっこりひょうたん島」の脚本をはじめ、岸田國士戯曲賞を受賞した『道元の冒険』、直木賞受賞作となった『手鎖心中』、さらには日本SF大賞や読売文学賞に輝いたベストセラー小説『吉里吉里人』など、多彩な活躍を見せた作家・井上ひさし。本書は、井上に共鳴する人々が、生前の交流を明かしながら、その作品を論じる初の論考集。井上に刺激を受けながら創作活動を行ってきたと明かす作家・大江健三郎をはじめ、国内外から評価の高い劇作家・平田オリザなど、錚々たる創作者がそのメッセージを読み解く。
目次
- はじめに 小森陽一/第一章 言葉に託された歴史感覚 今村忠純 島村 輝/第二章 「夢三部作」から読みとく戦後の日本 大江健三郎/第三章 自伝的作品とその時代 辻井 喬/第四章 評伝劇の可能性 永井 愛/第五章 「日本語」で書くということ 平田オリザ/特別付録 座談会「二一世紀の多喜二さんへ」井上ひさし最後の座談会 井上ひさし ノーマ・フィールド/おわりに 成田龍一/年表:井上ひさしの足跡
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紙の本
この本を読んで俄然井上ひさしへの興味が出てきた
2023/02/12 20:29
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
井上ひさしに関する座談会が5つ。井上ひさしが参加した最後の座談会が1つ収められている。それぞれでは井上ひさしの後半の作品が主に取り上げられている。「吉里吉里人」や「父と暮らせば」は過去に読んで感銘を受けた記憶がある。でも今まで井上ひさしの作品はそんなに読んでこなかった。今となっては何故なのかわからないが。この本を読んで俄然興味が出てきた。あとがきで成田龍一が本書を出版した意図を記しているが、大成功だ。