「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
天空の約束 (集英社文庫)
著者 川端裕人 (著)
〈微気候〉の研究者・八雲は、雲のアーティスト・かすみ、夢で天候を予知する早樹との運命的な巡り会いから、自分たちが代々受け継ぐ“天候を感知”する能力を知るが…。果たして「空...
天空の約束 (集英社文庫)
天空の約束(空の一族シリーズ)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
〈微気候〉の研究者・八雲は、雲のアーティスト・かすみ、夢で天候を予知する早樹との運命的な巡り会いから、自分たちが代々受け継ぐ“天候を感知”する能力を知るが…。果たして「空の一族」とは? 壮大な気象エンタメ。【「TRC MARC」の商品解説】
身の回りの空間の気候〈微気候〉の研究者・八雲助壱。元教え子と共に「雲の倶楽部」なる会員制のバーを訪れ、不思議な小瓶を預かることに──。天気を予知する空の一族の壮大な物語。(解説/荒木健太郎)
【商品解説】
収録作品一覧
雪と遠雷 | 7−11 | |
---|---|---|
微気候の魔術師、招かれる | 12−45 | |
眠り姫は、夢で見る | 46−80 |
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
『雲の一族』の歴史
2019/12/15 09:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史に見え隠れする捉えがたい『雲の一族』のたどった足跡をたどる。戦時中、周囲に忌み嫌われ迫害された一族の闇の歴史が明るみになる。戦争協力させられた親から引き離され子供たちを集め隔離監視するための学校に着任した新任の女教師の目線で、子供たちとの学校性格と、周囲の村人たちのいわれのない差別、偏見と憎悪。はしかの流行さえ子供たちのせいだと風評が広がり教師は子供たちを連れて逃避行に出る。この一篇だけでも読み応え充分。現代の一族は過去の苦い経験から身を潜めていたり、その能力をひた隠しにしているので、その子供たちには能力への自覚さえも乏しくなっている。「眠り姫」や「雲のアーチスト」として世に出るかすみ、微気候を操る建築家。みな個性的というよりむしろ没個性的で夜から隠れるように生きている。そうしたばらばらの存在が後半で次々につながって、一族としてのアインデンティティに到達する。この一族の物語をもっと読んでみたいと思ったのだが、書き込まずにあっさりしすぎているのがこの作者の欠点であり長所。他の作家なら、恋愛に発展したり内面に立ち入って行くのだろうが、川端裕人はそうした方向に行こうとしない。ただ、彼らの異能もおそらく科学の進歩とともに「無害」なものになり、一族は拡散して一般人の中に埋もれていくように予感されている。
これは良かった。