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紙の本
愛に似たもの (集英社文庫)
著者 唯川 恵 (著)
母親のようにはなりたくない。美貌と若さを利用して、すべてを手に入れてやる(『真珠の雫』)。親友の真似をして人生の選択をしてきた。ある日を境にふたりの立場が逆転。その快感が...
愛に似たもの (集英社文庫)
愛に似たもの
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商品説明
母親のようにはなりたくない。美貌と若さを利用して、すべてを手に入れてやる(『真珠の雫』)。親友の真似をして人生の選択をしてきた。ある日を境にふたりの立場が逆転。その快感が(『ロールモデル』)。過去の失敗は二度と繰り返さない。たとえ自分を偽っても、今度こそ結婚までこぎつけなければ(『教訓』)。など、幸せを求める不器用な女たちを描きだす8編の短篇作品集。第21回柴田錬三郎賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【柴田錬三郎賞(第21回)】【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
真珠の雫 | 9−37 | |
---|---|---|
つまずく | 39−78 | |
ロールモデル | 79−107 |
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なんかいやだ。
2009/11/15 16:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野棘かな - この投稿者のレビュー一覧を見る
「愛に似たもの」は、2007年9月に刊行され、第21回柴田錬三郎賞受賞している。
8人の女たちを主人公とした8編の短編集だ。
愛に似たものは、決して愛ではない。
愛もどき、恋愛もどきのいかにもありそうな話が、いかにもありそうな人間関係の中で、いかにもそれらしく見え隠れする。
読み始めると、ちょっといやな感じになった。
鈍感でいたいと思うどこかの部分がピリピリして、落ち着かない。
ぐずぐずしていると巻き込まれる、これはまずい、早くとっとと、読んでしまおうと、一気に読んだ。
案の定、読み終わるとぬぐいきれない後味の悪さが残った。
なんだかねー、こんなんでいいの?と独り言。
マイナス思考も、コンプレックスも、妬みも、嫉みも、恨みも、大なり小なり誰にでもある。
心がピリピリするのは、きっと8人の主人公の女たちの中に自分の何かを見ているのだと思うが、ここまではっきりしていないし、ささやかな不幸の芽程度のものでしかない。
それに、ちょっと不幸なんていやだし、ちょっと運が悪いのも絶対避けたいから、そうならないように努力している。
努力という言葉を使ったのは、誰でも楽なほうに行きたいという思いがあるのを知っているからだ。
同じ人間でも女性にも男性にも種類がある。
人種など外見や知能での種別は勿論だが、思考の種類もある。
存在の軽さから重さ、声の透明さから不透明、匂いの種類、感情の種類など。
出会った女性に、この人とは女の種類が違うとはっきりわかることがある。
したたかだな、それはずるいよ、要領がいいね、がさつだな、もう忘れたの、浮気もの、調子いいね、無視できるの、あきれた。
そして、そっと静かに距離を置く。
本書の解説に、あ、「わたし」のことが書いてある・・・・・。
という言葉を見つけたが、そこまで素直にみとめていいのでしょうかと焦った。
人には、もっとたくさんの思いや感情があり、置かれた環境も違うのだから、同じパターンなんてないはず。
それに、こんな女たちばかりだと、女の世界が荒れ果てて、女の砂漠が広がるばかりで、愛なんて永遠にさがせない。
結婚がすべてではないし、勝った負けたの世界ではないし、愛は、男女の愛だけでなく、親子愛、友愛(今旬の言葉)、隣人愛、同性愛など、様々ある。
この本の中の8人の女たちに言いたい。
いずれかで、愛を補給して、ちょっと幸せになって、本当に求めている愛に巡り逢えるよう祈りますと。