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商品説明
【小学館ノンフィクション大賞(第24回)】新・世界遺産から黙殺された島があった! かくれキリシタンの歴史に光を当てた、長崎「潜伏キリシタン関連遺産」だが、長崎県が作ったパンフレットからは生月島の存在が消されていて…。カトリック史の重大タブーに迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
新・世界遺産から黙殺された島があった!
250年以上も続いたキリスト教弾圧のなかで信仰を守り続けた「かくれキリシタン」たち。その歴史に光を当てようとしたのが日本で22番目の世界遺産となる「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」だ。
ところが、PRのために長崎県が作ったパンフレットからは、「最後のかくれキリシタンが暮らす島」の存在がこっそり消されていた。
その島の名は「生月島(いきつきしま)」。
今も島に残る信仰の姿は、独特だ。音だけを頼りに伝承されてきた「オラショ」という祈り、西洋画と全く違う筆致の「ちょんまげ姿のヨハネ」の聖画……取材を進める中で、著者はこの信仰がカトリックの主流派からタブー視されてきたことを知る。一体、なぜ――。
第24回小学館ノンフィクション大賞受賞作。選考委員激賞!
◎高野秀行(ノンフィクション作家)
「世界遺産の意義とは? キリスト教とは何か? 奥深い問いを投げかける作品だ」
◎三浦しをん(作家)
「いまを生きる『かくれキリシタン』たちの生の声が胸を打つ。綿密な取材に感動した」
◎古市憲寿(社会学者)
「『ちょんまげ姿のヨハネ』をはじめ、謎めいた習俗を紐解く過程が抜群に面白い!」
【編集担当からのおすすめ情報】
「かくれキリシタン」を描いた作品では、作家・遠藤周作氏の小説『沈黙』があまりに有名です。
“弱き転び者”に寄り添う作品を世に送り出した遠藤氏は、生月島で信仰を守り続ける人たちをどう見ていたのか。この点についても、著者は意外な事実を明らかにしていきます。【商品解説】
目次
- 序 章 ちょんまげ姿の洗礼者ヨハネ
- 第一章 蔑ろにされた「聖地」
- 第二章 とても長い祈り
- 第三章 受け継がれる儀式
- 第四章 「かくれキリシタン」か「カクレキリシタン」か
- 第五章 壊し合いの歴史
- 第六章 「復活」を選ばなかった理由
- 第七章 バチカンからの視線
- 終 章 信じ続ける意味は
著者紹介
広野 真嗣
- 略歴
- 〈広野真嗣〉1975年東京都生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2002年に猪瀬直樹事務所にスタッフとして入所。データマンとして活動した。15年よりフリーランスとして独立。
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紙の本
彼らの信仰は純粋だ
2020/02/16 21:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はこの本を読むまで、ずっと事実誤認をしていた。幕末、ローマカトリック教会が「信徒発見」と呼ぶ日本にも日本にも信仰を続けていた人がいることをしる一連の出来事で「かくれキリシタン」と呼ばれていた人々はすべてカトリックに「復活」したものと思っていた。どうもそういうことでないことを初めて知った。遠藤周作の「沈黙」の中に「五島や生月の百姓たちがひそかに奉じておるデウスは切支丹のデウスと次第に似ても似つかぬものになっておる」という記述がある。遠藤氏は生月の信仰はもはやキリスト教ではないともエッセイでも断じているという。確かに同じ家の中に弘法大師と神棚とマリア様が同居しているのはおかしいといえば、おかしいのであるが彼らの祈りが純粋であることは否定できない。まして「カクレキリシタン」という全く別の信仰として扱うなどもっての外と私も思う