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紙の本
遺訓 (新潮文庫)
著者 佐藤賢一 (著)
明治9年。沖田総司の甥で天然理心流の遣い手である芳次郎は、西郷隆盛の警護を命じられる。死闘を重ねるうち、人には力に勝る強さがあることを知る−。最後のサムライたちを描く時代...
遺訓 (新潮文庫)
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商品説明
明治9年。沖田総司の甥で天然理心流の遣い手である芳次郎は、西郷隆盛の警護を命じられる。死闘を重ねるうち、人には力に勝る強さがあることを知る−。最後のサムライたちを描く時代長篇。【「TRC MARC」の商品解説】
沖田総司の甥にして、天然理心流の遣い手たる沖田芳次郎は、旧庄内藩重臣から西郷隆盛の警護を依頼された。青年剣士はやがて西南戦争という激流に巻き込まれてゆく。西郷、大久保という二つの巨星。悲恋、戦塵をくぐり抜けながらの成長。戊辰戦争ののち西郷と庄内侍の間には熱い絆が結ばれた。『南洲翁遺訓』を後世に伝えた鶴岡に生を受けた著者が、深き感慨をこめて描く、本格時代長篇。【商品解説】
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庄内・鶴岡から見た西南戦争
2021/05/03 18:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治6年の政変による西郷隆盛の下野から西南戦争、大久保利通の暗殺までを旧庄内藩士たち、とりわけ新徴組隊士、沖田芳次郎の視点を中心に描いた作品。
西南戦争に至る過程の中で、大久保利通の我欲の強さが際立つ。崇高な目的のもと維新を成し遂げた大久保が、その意思を保てなくなり、利己的な行動に走った。
幕末に薩摩藩が幕府側に仕掛け庄内藩が乗っかってしまったことで、戊辰戦争が始まった。同じことを大久保は西郷(鹿児島の私学校)に対して仕掛けた。庄内目線の本書でその点に言及されていることが印象的。
一方、戊辰戦争では官軍を破りつつ降伏せざるを得なかった庄内の士族たちが、西南戦争に呼応して立つ準備をしたにも関わらず、戦わずして矛を収めざるを得なかった。山形県庁に出頭する場面は、その無念さを押し殺した中の誇り高さが清々しかった。
戦ったことによる憎み合いは負の連鎖しか生み出さない。それをかみ殺して前に進もうとした者に、光明が差すことを教えてくれる作品である。