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  • 販売開始日: 2011/06/03
  • 出版社: 新潮社
  • ISBN:978-4-10-113311-9

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電子書籍

官僚たちの夏

著者 城山三郎 (著)

日本人の誇りを取り戻すべく、固い信念で通産行政を強引、着実に推し進め、次官への最短コースを疾走する“ミスター・通産省”風越信吾。高度成長政策が開始された60年代初め、通産...

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官僚たちの夏

税込 616 5pt

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日本人の誇りを取り戻すべく、固い信念で通産行政を強引、着実に推し進め、次官への最短コースを疾走する“ミスター・通産省”風越信吾。高度成長政策が開始された60年代初め、通産省という巨大複雑な官僚機構の内側における、政策をめぐる政府・財界との闘いと、人事をめぐる官僚間の熱い戦いをダイナミックに捉えた城山三郎の代表作!

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みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

あなどるなかれ、”官僚力”

2009/08/26 17:06

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る

1960年代、池田隼人(59年通産大臣、60年内閣総理大臣)佐藤栄作(61年通産大臣、64年内閣総理大臣)政権下、日本が途轍もなく元気な時代に活躍した風越(モデルは佐橋滋通産次官)を筆頭とする官僚たちの話である
世間に反官僚ムードの高い今、テレビ・ドラマ化され、なかなかの人気である
何故だろうか?複雑な思いもある
”ミスター通産省”・風越(佐橋)は親分肌で傍若無人の超官僚、開襟シャツ1枚、ノーネクタイで大臣、財界人を睥睨する
テレビではより一層美化されているが、小説では辣腕官僚の傲慢不遜な”強権”ぶりもあからさまに描かれる
我が信念への絶大の自信ゆえ、大臣・財界人を馬鹿にし、吼える、恫喝する
自分の信念を実現する為、権力の頂点を目指し、意に叶った部下を集合し、組織の権限を守る
政治家は”人気取り”が命である、お役人は自分が案出する”政策”実現が命なのだ
その為、お役人は政治家とは比べようもなく勉強する、政治家がゴルフ場で政治を決めている時に、エリート官僚達は政策論争に身体を張る、時にはもろに権力の刃を振るおうとする
官僚の力は絶大、政策は日夜官僚の手で創られる
近い所では反官僚をうたった小泉=竹中氏も結果的には”仕事の出来る”官僚グループを身内に結集する事で”政策”を実現したのだ
日本経済高度成長への突入期、”国際派”対”統制派”の対立の中で、風越は”統制派”のボスである
風越らの立案、命懸けで日本経済を守ろうとした”特定産業振興法”は政治力に負け葬られ、風越の人事構想は挫折する
しかし彼らは生き残る
その精神は官民協調方式と体制金融に生かされ、日本の強力な自動車産業、コンピューター産業を育成し、”日本株式会社”の奇跡を生む
凄腕の官僚達が打ち出す”政策”が正しいかどうか、歴史のみが証明する
しかし、官僚達の”強権”を振りかざした命懸けの戦いを通してしか歴史は前に進まない
汚職や金銭欲・保身に汲々とする木っ端役人も居るだろうが、エリート官僚の”怖さ”はここにある

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紙の本

温故知新で今を考える材料に

2018/12/08 23:27

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読人不知 - この投稿者のレビュー一覧を見る

昭和三十年代の金融業界を巡る経済小説。
 霞が関の官僚、政治家、銀行員、記者などが情報戦で駆け引きの攻防を繰り広げる群像劇です。

 最近、ブラック企業が何かと取沙汰されています。
 この作品を読むと、ブラック企業の経営陣や管理職は、昭和三十年代のノリのまま思考停止しているのがわかります。

 家庭を顧みず、休日はなく、深夜まで働いた後、更に政治家宅で打ち合わせ……それが、勤め人の「勤勉で仕事熱心で正しい姿」とされていた時代です。
 それに付き合わされて、深夜から早朝にかけて宅飲みの酒肴を用意させられる議員の妻もいい迷惑です。
 これに文句を言わないのが「良き妻」とされた時代でもあります。
 仕事最優先で家族は顧みられず、尊重もされず、仕事に巻き込まれて非常識な時間に迷惑を掛けられても、文句を言うことさえ許されません。

 仕事を失えば存在意義を失うところまで「自分=仕事化」していた世代の悪しき側面が如実に描き出されています。
 因みに、作品が描かれた時代には、これらが美徳とされていました。
 時代や世相が変われば、同じ作品でも美徳が底なしの悪徳に変わる好例です。

 作中で唯一人、官僚の片山氏が、定時で仕事を終えて余暇を楽しんで仕事の能率を上げると提唱し、自ら実践していますが、作中では浮いています。
 官僚の片山氏は「不真面目な奴」のレッテルを貼られ、出世コースから外され、他の登場人物からは冷ややかな目で見られています。
 現代の価値観からすれば、片山氏はとても有能な人物ですが、この時代はそうではありませんでした。

 現在、働いている方は、片山氏以外の登場人物の台詞に注目してください。
 上司や経営陣から、ひとつでも言われたことがあれば、その会社は要注意です。
 人事部に一人でも、風越氏のような人物がいれば、社内の風通しが悪くなり、不正や腐敗の温床を醸成しかねません。
 発言者が同僚ならば、会社のブラック化を推進し、同調圧力でまともな人材を圧し潰す「ブラック人材」です。

 作中の時代から高度成長期にかけてモーレツ社員だった人たちは、仕事以外の全てを擲って突っ走り続けました。
 現実の社会で、未だに会社に籍を置くこの世代の人々は、若い世代から「老害」と呼ばれがちです。
 退職後は往々にして、家庭内で「濡れ落ち葉」や「粗大ゴミ」と化し、家庭の収入源でなくなった途端、熟年離婚を申し渡されることも珍しくありません。
 「終身雇用」が定年退職までの幻想だったと気付かず、自らを「単なる収入源」以外に価値のない存在にしてしまった人々です。

 作中の時代にはまだ、頑張れば頑張った分、見返りがありました。
 しかし、その社会の未来にある「現在のリアル」は、皆さんがご承知の通りの有様です。

 古きを温ね新しきを知る。
 本書は、悪い意味での「昭和のニオイ」を感じ取るガイドブックになることでしょう。
 これから就職活動に臨む学生さんや、転職をお考えのブラック企業勤めの皆さんに読んでいただきたい一冊です。

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紙の本

そして時代は経過していく。

2022/02/19 18:02

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

名作というか、もはや古典になりそうな域の一書と言えそうです。以前から知ってはいましたが、この歳になって読む事になりました。
 本書に描かれている時代、それは所謂『モーレツ』の時代だったのではと思います。泥臭い事も多々あり、いかにも昭和、を色濃く滲ませていると思いました。
 他方で本書には幾つか金言がありました。それらのワードは令和の時代になっても褪せる事なく息づいており、それらのワードが何より私にとっては大きく印象に残りました。

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紙の本

官僚たちの政治的力学が学べます

2016/01/16 09:17

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

少し古い作品ではありますが、日本の官僚たちの政治力学といいますか、どのように政治を陰で支えてきたのかがよくわかる作品です。主人公がかなり型破りな感じではありますが、こうした型破りな人材も、統率された官僚組織の中にあっては必要なものでしょう。なかなか味のある作品です。

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紙の本

日本を支えた男たち

2017/08/11 16:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

高度経済性長期の日本を支えた通産省の官僚たちの働きぶりが生き生きと描かれている。

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紙の本

人事権者

2010/11/23 09:52

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

官僚たちの夏 城山三郎 新潮文庫

 ひと夏のお話かと思っていたら違っていました。昭和30年代~40年代の出来事です。国家公務員たちの権力闘争で、夏が人事異動の時期なのです。
 人事権者である主人公通産大臣官房秘書課長風越信吾氏が人事カードをもてあそぶところから始まります。生臭い話です。前半部では、結局、人間界の答えには「解(かい、真実の答)」はないと感じました。力の強い者の発言が「解(かい)」らしきものになるのです。仕事キチガイたちが働いていた時代です。無定量、無際限に働くのです。帰宅しないのでしょう。結婚は見合いです。
 この小説は人事権者の物語です。昭和時代における組織の歴史書を読むようでもありますし、働き方の手引き(マニュアル、テキスト)を読むようでもあります。
 官僚が発想した「指定産業振興法」なるものを官僚がつくり、法案を国会で採決することが目標となっています。法律の案はだれでもつくれるものではありません。関連法令と矛盾が起こらないように照合作業には時間と手間を要するでしょう。学歴にこだわる世界でもあります。初対面では、まず、どこの生まれでどこの大学かを聞かれます。この社会では、自然に大卒は大卒同士、高卒は高卒同士で仲が良くなる気がします。気力・体力のいる仕事なので、人間が自然淘汰されていきます。この小説はどういう人が読むのだろう。権力闘争は、国の機関だけではなくて、その他の組織でもあるでしょう。
 官僚がつくった法案を国会で通すために、官僚が大臣を操作する。小説のなかでは、官僚全員が大臣にぺこぺこするわけではありません。向かっていく人たちもいます。何かを達成するためには、大臣の任期はあまりにも短い。国づくりをしてきた主体は官僚です。議員だけで法案をつくることは現実には無理です。
 小説の中では銀行が大きな力をもっています。今となっては、銀行も倒産する時代となりました。昔は、銀行や病院、車会社、航空会社がたちいかなくなることは考えられませんでした。今はだれも威張れない古いものから新しいものに変革していく過程にある先行きが予測できない時代です。
 登場人物たちは「議論を!」というけれど、本当に心ある人は黙っている。人事権者を恐れているのです。

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紙の本

通産官僚の栄枯盛衰

2002/07/30 19:26

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時は昭和30年代後半。日本国内は高度経済成長の波に乗り資本自由化を目前にしていた。資本自由化によって国内産業が大打撃を受けると考えた通産官僚は特定産業振興法(略して特振法)を制定して国内産業の保護を図ろうとする。
 しかし時代の波は自由化に動いており、保護政策よりも競争政策だという通産官僚と対立する。

 経済産業省(旧通産省)は省庁の中でも比較的規制の少ない省庁である。それは国内経済が発展するにつれて国内産業の保護を段階的に無くしてきたからである。それが自然な流れだと思う。

 最後は保護政策を主張した官僚たちが破れて幕が下りるのだが、それは時代の要請であり避けられなかったことなのではないだろうか。もしも特振法のような法律が制定されて国内産業の保護という名目で過保護に国内産業の育成を図ったとしても、数年後には外圧などによって廃止される流れなのは間違いない。

 もし実際に特振法のような法律が制定されていたとすると、他国の産業は世界競争という荒波の中で体力を付けているのに、日本企業だけ体力を付ける間もなくそこに放り出されるのだから、その中で現在まで生き延びることが出来た企業は今よりももっと少なくなっただろう。もしかしたらソニーやホンダは存在しなかったかも知れない。

 今の官僚にもこれを読んで頑張ってもらいたいものだ。

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紙の本

今の官僚はどう思うのか

2021/05/28 18:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る

今将来の夢で官僚という人は少なくなっている。東大卒の人々もどのくらいが官僚になっているのだろうか。
それでも中にはこういう環境で仕事をやりぬきたい!と思って受験や就職活動を行うのかもしれない。自分はもう就職し定年まであと十何年か~という立場になっているから一時代の話として面白く読めた。

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紙の本

感想

2020/08/30 18:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る

人事のおもしろさと儚さ。
これが「人の事」だから、おもしろいと言ってられるが、ポストが全ての世界で人事権を握られたら、そりゃ忖度するわ。というのは現代の構図。
国を動かすという熱量はすばらしい。壮大なモチベーションの反面、自分の将来のために上司や政治家の顔色をうかがい、省内の空気に敏感になるという、建前世界の身内思考の世渡り術。めんどくさい。

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紙の本

官僚の矜持

2017/05/07 15:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レンテン - この投稿者のレビュー一覧を見る

高度経済成長期の日本の、司令塔となったのが通商産業省だった。この本は日本が最も勢いがあった時代、その基礎を作った通産官僚の物語である。
「産業振興法」成立を巡り、政界・財界と渡り合いながら、同時に同じ官僚とも渡り合う、激しい駆け引きが見られます。主人公風越だけでなく、他の登場人物の活躍も見どころです。

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紙の本

城山三郎の作品は注意して読め!

2009/08/27 21:27

21人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

城山三郎は平然と歴史を捻じ曲げ大ウソをつく。これ、すべて売文のためであり、カネ儲けのためである。無知な大衆というのは単純な勧善懲悪を好む。城山の戦略は正にこれで、複雑で思いもよらない展開に満ちた歴史というドラマを城山は、まるで遠山の金さんや水戸黄門のように編集し直してしまう。ここに城山「文学」の最大の問題点がある。

今、「官僚たちの夏」がTBSで放送され話題を呼んでいる。これはこれで結構なことではあるが、ここで展開される「米国=強大な国力をバックにいたいけな弱小国に圧力をかける悪者」「自由貿易・国際派=新自由主義者=弱肉強食の信奉者で悪者」「貧しいながら焼け跡から懸命の努力を重ね立ち直ろうとする日本=善玉」「保護貿易派=弱者の味方=善玉」という極端な二項対立の図式は「自信を失った日本国民の浅薄なナショナリズム」に付け込んだ大ウソである。事実は、多少の摩擦はありがらも引き続き日本に広大な自国市場を寛大に開放し続けた地球の父にして母である慈愛に満ちたアメリカさまに日本製品が大量に輸出できたお陰で日本の奇跡の高度成長は完結したのであり、その意味でアメリカという偉大な大国こそが日本の大恩人であり、世界でほとんど唯一の「儲かる市場」「大のお得意様」であったのである。そして、なぜそこまで日本がアメリカに日本製品を輸出し続けることができたかといえば、最大の理由は「共産主義という人類共通の悪魔に対抗する為には多少の犠牲は甘受する」という冷戦下でのアメリカの割り切りと、「統制経済派=保護貿易派の姑息な抵抗を日本が抑え込んで自由貿易に踏み切った結果、トヨタ自動車以下の日本メーカーの競争力が劇的に向上した」ことに尽きるのである。日米自動車摩擦華やかなりし頃、当時の日本政府の交渉責任者の地位にあった通商産業省の天谷直弘審議官は言ったものだ。「昭和30年代、当時のトヨタ自動車社長だった石田退三氏は通産省に毎日のように現われては、日本は米国からの自動車輸入を解禁してはならない。解禁すれば日本の自動車メーカーはひとたまりもなく壊滅し、日本は米国の自動車メーカーに乗っ取られることになるだろうと力説していた。しかし当時の通産省は彼の言い分を抑え込んで自動車の貿易自由化に踏み切った。いま日本はアメリカから日本の自動車メーカーの競争力が強すぎると文句を言われているが、これすべてあの時自由化をわれわれが決断したからだ」。諸君、事実はこの通りなのである。

まあ、城山三郎ごときが書いた売文のための売文はマンガとして読めばよい。これぐれも「昔の官僚は優秀だった。それに引き替え今の官僚は」などと間違った原因に基づく間違ったあさってな悲憤慷慨をしてはならない。時間とエネルギーの無駄である。

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紙の本

佐橋大臣、三木次官

2002/02/24 20:14

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 当時の通産省の官僚が如何に思い上がっていたかを上手く描いている。先日NHKでドラマ化されたが、そのあまりの時代錯誤振りに視聴者から総すかん、ドッチラケとなった事件はあまりに有名。佐橋は結局岸信介の亜流か。でも佐橋は飛ばされ、産業統制法はお蔵入りになって、日本は高度経済成長に突入する。所詮、官は黒子という一歩下がったサービス精神で行かないと社会から浮き上がってしまうのよ。城山は官僚を美化しすぎだ。こんな小説は作り話。真に受けてはいけません。現実は相当違いますぞ!

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2004/11/08 18:50

投稿元:ブクログ

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2006/12/08 19:00

投稿元:ブクログ

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2007/03/06 01:57

投稿元:ブクログ

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