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電子書籍
アカペラ(新潮文庫)
著者 山本文緒
身勝手な両親を尻目に、前向きに育った中学三年生のタマコ。だが、大好きな祖父が老人ホームに入れられそうになり、彼女は祖父との“駆け落ち”を決意する。一方、タマコを心配する若...
アカペラ(新潮文庫)
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アカペラ (新潮文庫)
商品説明
身勝手な両親を尻目に、前向きに育った中学三年生のタマコ。だが、大好きな祖父が老人ホームに入れられそうになり、彼女は祖父との“駆け落ち”を決意する。一方、タマコを心配する若い担任教師は、二人に振り回されて――。奇妙で優しい表題作のほか、ダメな男の二十年ぶりの帰郷を描く「ソリチュード」、独身の中年姉弟の絆を見つめた「ネロリ」を収録。温かくて切ない傑作小説集。
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紙の本
登場人物には、全員幸せになってほしい
2019/07/06 23:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2001年に第124回直木賞を「プラナリア」で受賞しているが、2003年、40歳の時にうつ病を発症し、治療のため執筆活動を中断していた。この作品集は2002年に発表された「アカペラ」は発症前、2007年の「ソリチュード」、2008年の「ネロリ」は再起後の作品。そういう前提で読んでみて「アカペラ」とその後の2作品には何か違いがあるのか考えてみたが、こじつけで何か変化があると書いてみてもいいのだけれどとくに何の変化もないように思える。彼女の作品には弱者へのいたわりが感じられる、というか「私たちを弱者と決めつけるな、そんなやわに生きていないわ」という叫びが感じられる。「アカペラ」のたまこ、「ソリチュード」の一花、「ネロリ」の日出男、みんな幸せになってほしい
紙の本
物語が終わっても、人生は続く
2015/08/31 09:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくまりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中編三作品を収録。いずれも、長編小説ならラストシーンとなるような鮮烈なエピソードがあるが、そこで話は終わらない。たとえば、痴呆が続く祖父に恋して駆け落ちを決行する女子中学生。しがらみや常識を振り払うような、人生のクライマックスのあと、思いがけない現実に直面して、疾走は終わっても人生は続く、と思い知る(「アカペラ」)。あるいは、従妹との恋と父親との確執からくる閉塞感から逃れた家出少年は、天性の女たらしの才が開花し、東京の夜の世界でしたたかにのし上がっていく。それだけでも刺激的な物語なのだが、「ソリチュード」では、そんな虚飾に満ちた日々に行き詰った男の帰郷と従妹との再会、追いかけてくる日常、退屈な地方都市での、どうにもならない不細工な時間が描かれる。
病を得て六年間、小説を書けなかった筆者だから得ることができた、小説のような物語のあとの、ほんとうの人生の物語。不格好で悲しい、それでいて目が離せないストーリー。
電子書籍
すごいなーと素直に。
2021/07/02 14:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すぱこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の本をよみあさった時期があったのに、この本は見落としていた。
自分が病気や人生の大きな転機など経験したあとに
読めるタイミング良く出会えたことに感謝!
最近の著書も読んだのですが、この時代の本が好みです。