紙の本
こちらの方がミステリー要素が強め。
2020/10/10 16:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
『探偵AIのリアル・ディープラーニング』と対になっている本。こちらの方がストーリーが長く、ミステリー小説という趣がありました。どの登場人物にも言葉遊びをしているような名前が付けられていて、面白いと思いました。右龍が立派な成人なのに人前で「お母さん」と呼んでいるのは気持ち悪かったです。
投稿元:
レビューを見る
探偵AIシリーズ第2弾。人工知能探偵・相以に復讐すべく人工知能犯人以相が挑戦状をたたきつける。前作では、人工知能ならではの齟齬があったのだが、今作ではそんなシーンはなく、それだけ成長したということなのかもしれないが少々寂しい。ミステリ的には面白いのだが、登場人物の人間性がどうにも好きになれず、読後感がすっきりしない。
投稿元:
レビューを見る
新潮文庫nexのシリーズも2冊目。
こうやって他レーベルから出た長編を読むと、早坂吝という作家は、物凄く『メフィスト賞のDNA』が濃い人だなぁ……と思う。多分、こういうキャラクター造形を出来る人って、メフィスト賞からしか出て来ないように感じられるのだ。
続きが楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
『探偵AIのリアル・ディープラーニング』の続編が刊行されるとは。今回は、タイトルに『犯人IA』とあり、前作で相以に敗れた以相が、相以に復讐するのか? 前作の内容をかなり忘れているが。
輔と「探偵」AIのコンビは、捜査協力を要請されて壱岐へ飛ぶ。密室状況で漁協長が殺されたという。一方、対馬には死体を乗せたゴムボートが漂着していた。死体の身元は…。さらに、首相公邸内で殺人事件が…。
あらすじだけで何だこりゃと言いたくなるが、読みながら少しずつ前作を思い出す。そう、右龍司法(かずのり)という公安刑事がいたな。しかし、この右龍家というのが、あまりにも理解不能なのだった…。倒錯した司法の心理と、弱みを突く存在。何より、何だこのふざけたネーミングは。
舞台が東京から韓国、対馬、壱岐と広範囲に及ぶ、スケールの大きさ。それなのに、こぢんまりした印象を受けてしまうのは、本作が薄いからだけではあるまい。2つのAIの大勝負を描いているはずなのに。
首相公邸のあの設定だけはいただけないが、韓国・対馬・壱岐を股にかけたアリバイトリックは、さすが曲者の早坂吝。荒唐無稽ではあるが、不可能とも言い切れない微妙さ。そのシーンを想像して苦笑するしかない。このトリックだけで、十分に元は取れた。
それでも、本作は、右龍家のゴタゴタや愛憎劇に、全部持っていかれている気がするんだよなあ。それはそれで面白いけれども。何より、一世一代の大勝負を仕掛けたはずの以相が、気の毒に思えてくる。探偵AI、敗北!?と帯にはあるが、誰が勝者で誰が敗者なんだか。
で、最後のそのオチは…。本作の勝者は、以相でも相以でもなく、この人物なのかもね。架空の話とはいえ、日本という国家が心配になってくる。
真面目にSFネタとして興味深い設定もあったものの、全体の印象はやや消化不良かなあ。さらなる続編を匂わせているが、第3作を読めるかどうかは、本作の売り上げ次第か。
投稿元:
レビューを見る
シリーズ第二弾。言葉遊びを基調とした軽快な台詞回しはいかにも短編向きだが、大トリックは中々の本格バカミスだった。
そうはいってもやはり前作ほどの目新しさは無かったかな…
投稿元:
レビューを見る
IAさん反撃の狼煙を上げる。
ラーニングが進むにつれ、人間の思考と
徐々に違いがなくなっていくのは、避けられぬ道理なのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
犯人IAの逆襲。
複雑な三つ子トリック。
残酷なテロリスト。
謎を解く探偵AI。
それを悪意をもって利用する。
いやぁなんだかんだで面白いな、AIバトル。
AIバトルって言ったって書いてるのは人間なんだけど。
そう考えるとなんか虚しいな。
投稿元:
レビューを見る
探偵AIの続編ということで
推理ではなく、エンターテイメントとして。
前作もそうだったけども。
登場人物が多くて、総理の息子たちがハチャメチャで総理もハチャメチャで、おかげで主人公の影の薄さたるや。でもカステラさんは好き。
投稿元:
レビューを見る
前半AIらしさはやや抑えめの展開ながら後半でロボット三原則やトロッコ問題なんかとうまく絡んできてさすがという感じ。この種のテーマの作品は若手だからこそ書けるものであって、大御所作家が書くのは難しいんじゃないかなと思う。『探偵AI』と本書で円環がつながった感じだけれど、続巻があるならまた読みたい。
投稿元:
レビューを見る
かなりファンタジー感がでてきたなあ。そういう世界観だということが明確になってきた。ということは、ちょっと苦手な感じもしなくはない。
ただ、叙述ミステリー的な要素もあったりして、そういう意味で面白さもあった。
全体としてファンタジー要素と、彼らにとっての現実世界の接点が少しうまく結びついていない感じがあり、浮世離れという感じとも違う違和感みたいなのがちょっとずつ積もってしまう。読後感としては、情報量は多いんだけど、読み切った感じに至らないという印象だろうか。
投稿元:
レビューを見る
人工知能探偵相以(あい)と以相(いあ)の対決再び。
以相は、人間の知能を増幅(Intelligence Amplification)させた共犯者で犯罪を起こし、相以に挑戦します。
ゴムボートで漂着した全裸の死体、密室状態で殺された漁協長、首相公邸内での殺人。
事件の背後には壮大な犯罪とたくらみが。
最後まで一気に読ませます。
投稿元:
レビューを見る
前作で探偵業を開始した輔と探偵AIの相以が佐虎刑事経由の依頼で壱岐島で起きた密室殺人の捜査に参加。すると対馬での別の事件との関係が明らかになる。二つの事件の捜査を進めていくと犯人AI、以相から二人に挑戦状が届く。以相が描いたこの事件を相以は解き明かすことができるのか?今回の事件には超マザコン公安、司法と彼の三つ子の兄弟、さらに母親の右龍総理まで関わり事件がどんどん巨大化するがトリックそのものは普通、というか突っ込み所も。最後に大規模な混乱を巻き起こすけど今回は以相の心情が結構語られていて単純な悪ではないのが憎めない。
投稿元:
レビューを見る
前作で人工知能探偵・相以に負けた以相は、人間の知能を増幅させ(Intelligence Amplification)完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。
相以と輔は警察の依頼で壱岐島で起きた密室殺人の捜査に参加するが、事件に右龍兄弟の影が‥果たして以相が作り上げた共犯者は、そして予告された三人の被害者とは誰なのか。
ミステリ的にツッコミどころはあるが面白かった。
前作でインパクトがあったマザコン右龍刑事と三つ子の兄弟が登場するが、重要な役どころのわりに出番はいまいち少なくてちょっと残念。
冒頭のイルカは懐かしくて笑った。
投稿元:
レビューを見る
探偵AIの続編。
前作の内容を忘れてしまいましたが、登場人物たちから前作の内容を思い出しながら読む展開となりました。
スマホで持ち運べる人口知能AIが九州で起きた壱岐の事件の解決に乗り出すが、前作で登場したキーマンの司法が事件に関わることになる。犯人役のIAも関わって、大きな事件に発展していく。
前作はAIのフレーム問題などの説明もあり、どちらかと言うとAIが探偵として成長していくストーリーの様な展開でした。今作はIAの目的を達成するためにAIを使って謎を解かせるというストーリーでしょうか。
AIの感情やAIに対するひとの感情。杓子定規に思えるAIだけど、AIもIAも人間的な感情を持って面白い。これは昔あった「ケータイ捜査官」というTVのAIを積んだケータイ同士の関係に似ているなと思いました。いつかAIとIAの間にも友情が芽生えるのかなと思いながら、続編に期待したいです。
投稿元:
レビューを見る
前作でも登場した右龍の家族をめぐる事件の話。相以と以相のAIコンビのうち、今作では”犯人”の以相がフォーカスされている。…はずなのだけど、表にはほとんど出てこない。物語の終盤で”探偵”相以が披露する推理は、偶然の連鎖に頼るようなすんなりとは納得できない話で、最後に以相がそれを否定してどんでん返し!と思っていたらそういうこともなく。
相以に関しては、前作で起こしたフレーム問題のような不具合は無くて成熟した感じで、それはそれでよいのだけど、その分AI感がなくなっている。もはや人間の探偵と何も変わらないのでは、と思う場面が多かった。AIならではの能力か弱点かをもっと前面に出してほしかった。輔のスマホの中だけにいないで、色んな人のスマホやパソコンを自由に飛び回ることで事件を解決するとか。
登場人物に「モブが簡単に死ぬ映画は嫌いだ」みたいなことを言わせている割に、シリーズ内(特に前作)でけっこう簡単にキャラが死んでいたので、あのセリフは何だったんだろうなあと思った。