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  • 販売開始日: 2017/03/10
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • ISBN:978-4-10-211403-2

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ペスト(新潮文庫)

著者 カミュ , 宮崎嶺雄/訳

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪...

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ペスト(新潮文庫)

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商品説明

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。

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みんなのレビュー362件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

新型コロナウイルスが拡大している今こそ読むべき名作

2020/03/06 07:37

42人中、41人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この長編小説は、44歳という若さで1957年にノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュが1947年に発表し、不条理小説として世界中の読書を惹きつけた作品である。
 カミュは1913年に生まれたフランス文学者だが1960年不慮の自動車事故で47歳で亡くなっている。
 個人的な思い出として、私は1955年生まれだが、この長編小説が新潮文庫のラインナップにはいったのが1969年、つまり私が14歳の頃で、当時新潮文庫版のカミュ作品は銀色の素敵な装幀(麹谷宏)でそれでカミュの作品を揃えるのがたまらなくうれしかったものだ。
 その頃読んだ作品の何ほども記憶していないのだが、ずっと残っていたのはいい作品だったという獏とした、けれど作品の評価としては侮れない、印象である。

 そんな作品をほぼ半世紀近く経って読み返すことになったきっかけは、2020年になって日本だけでなく世界中に広がった新型コロナウイルスだ。
 カミュが書いた「ペスト」という感染病は「黒死病」とも呼ばれ、世界史の中でも数度最近よく耳にするパンデミック(全地球規模の流行)を引きおこしている。
 そのペストに襲われ、外部と遮断された街にあって奮闘する人々を描いた作品ともいえるし、ペストを描くことで死んでゆく恐怖と対抗するも敗れていく人間の哀れを描いたともいえる。

 主人公として果敢にペストと戦う医師がいるが、長編小説であるからさまざまな人間が、彼らは一様な人生を歩んできたわけでも、また死の感染病に向かう姿勢もまちまちであるから、読者によっては医師以外で気になる人物も出て来る。
 この長編小説は決して読みやすい訳ではない。しかし、最後の最後に医師が直面する友人の死妻の死など劇的な構成の巧みさは読ませる。

 ペストはある日突然広がり、ある日収束を迎える。その期間はほとんど半年。医師たちの努力はあったが、その収束の理由はよくわからない。
 人間が勝ったのではない。
 長い物語の最後にこう記されている。
 「人間に不幸と教訓をもたらすために、(中略)どこかの幸福な都市に彼らを死なせに差向ける日が来るであろうということを。」

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紙の本

隙のない作品

2005/02/18 22:05

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひつじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ペストの災禍に見舞われたアルジェリア郊外、オラン市。そこに偶然居合わせた新聞記者のランベール、医師のベルナール・リウー、作家志望の小役人ジョゼフ・グラン。閉鎖された市門の中、彼らはそれぞれの静かな闘いに身を投じる……。
緻密な文章が描き出す小説世界もさることながら、そのじわじわと迫り来る心理的な閉塞感が見事に描出されている。
果たしてこの作品を超える小説が21世紀中に現れるのかどうか、私には分からない。

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紙の本

テーマ性はもちろん、娯楽作としても

2018/07/15 14:28

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは単なる娯楽作品ではないと言われますが、僕はやっぱり娯楽作品としても優れていると思います。
一つの町が伝染病によって封鎖される恐怖や、囚われた人々の苦しみや足掻き、そして地道な戦いの末の解放。
感染パニック作品が溢れている現代の目で見ると多少読みにくい文章ではありますが、当時は殆ど初めてのジャンルだったんじゃないでしょうか。
一人のヒーローの話ではなく、それぞれが出来ることで戦う群像劇。
逃げ出そうとする者、上手く立ち回ろうとする者、戦いの先の見えなさ敵の大きさに壊れてしまいそうな者たちにすらも寛容な視線が注がれていて、語り手のくぐり抜けて来た戦いの厳しさを感じさせます。

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紙の本

不条理に立ち向かう人々

2019/10/12 01:22

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

読者は『ペスト』という題から、この町の人々にペストの災いが襲い掛かることを事前知っているわけだが、それを踏まえたうえで、徐々に町に病が侵攻していく様子を描いた序盤の描写がすごかった。幼い子どもにも容赦なく襲い掛かる不条理に人々が立ち向かうさまもよく描かれている。

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紙の本

自分だけの言葉を見つけてください

2015/08/23 16:31

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しろくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

これほど深い感動を味わった小説はありません。カミュを独特の難解さというものはありますが、不条理といかに戦うべきか、その術を身をもって教えてくれます。それは戦い続けるカミュ自身に重なっても見えます。決してはぐらかすことはせず、正々堂々、正面突破。カミュの肉声が詰まっている、そんな印象を受けます。
「異邦人」よりも本作を薦めたほうがファンが増えると思うのですが…。もっとカミュの長編を読んでみたかった。

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紙の本

名作中の名作

2020/03/31 18:50

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yu - この投稿者のレビュー一覧を見る

新型コロナウイルスの世界的流行の影響で、今注目されている本です。
わたしは昔読みましたが、改めて読み返しました。
名作中の名作といってよい本だと思うので、ぜひ一読することを勧めます。

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電子書籍

後半から読める自分になった

2020/04/22 23:49

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わに♂ - この投稿者のレビュー一覧を見る

医師リウーが書いてあることは後々分かりだす。半分まで読むのが難しいけど、6割超えたあたりから慣れて読めるようになり、感情も入れやすくなった。
1番報われるはずの人が、友と愛する人を亡くした。ただ、それだけの話し合いではないものの、「ズルイ奴が笑う世界」なのかもしれない、と、今日感じたことと繋がった。
神が何であるか、や、死刑を知らずに受け入れていることについて、そこから本質というモノを考える新たな価値観が芽生えた。爺さんのように世を俯瞰して悪態をつくようになりたくもなったし、でもそれは逆に若者からすれば頭が堅いと言われかねないことだと思う。歳を取った人は経験からわかる、歳を取ってない人は経験を得てわかろうとする。歳を取った人は経験あるからモノを言うか言わない、歳を取ってない人は経験ないからモノを言えないか言う。いつまでも若くありたいと思ってた自分は体のことと気持ちのことであって、心と考えは老いぼれたいのだろう。
今のコロナが終息しかける時が怖い。再爆発もあるだろうし、ペストに書いてあったけど幸福が急にくるから噛みしめられないだろう。コロナ前は味の薄いガムで、今は味のしなくなったガム。もう(1年はかかるだろうが)捨てられる。次に食べる味のするガムは美味しく感じられるけど、また味は薄くなるんだろう。みんなのは、な。そこは違くありたい。俺は味をずっと感じてようとしたいし、感じたい。新しい味も噛みしめたい。絶対に俺はそう。「今だからできること」は前も今も後も出来ることだから。むしろ今はこれしかできないって言うべきだし、後ろ向きだけど前向きにその言葉を使って合ってると思う。
でも、ただこの本を読んだのも、読んでこんな想いがあるのも、それ全部コロナがあるからだから。その点においては、俺もその周りとなんら変わらない。みんな違う一緒なんだな。

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紙の本

「リウーを待ちながら」からの

2020/12/30 08:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひめやまとおさがに - この投稿者のレビュー一覧を見る

コロナ禍の下で親の読んでた「リウーを待ちながら」を部屋にこっそり持ち帰って読み切って、次にこちらをセレクト。きっちり漫画の内容に影響されてます。漫画から活字へと自由自在に行き来する子供に驚愕。漫画一辺倒の親は。。。。

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紙の本

これは人間についての本

2020/04/29 23:11

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:孤島の姫君 - この投稿者のレビュー一覧を見る

病気の蔓延というパニックものなのかと思いながら読むと見事に裏切られます。これは危機に直面した際の人間についての本。今現在コロナ渦ですが、今とまったく同じような対策・行動にでる人が文中で沢山出てきます。時を得ても人間はそんなに変わらないのだと改めて認識します。その中でも出会いがあり、友情を育んだり煌めきもある事。古い作品ですが学ぶべきところが多いです。名著として残る作品は違いますね。

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紙の本

力をもらえる小説

2023/08/14 21:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藤兵衛 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「絶望小説」と言われているらしい。確かに主人公たちの陥った状況は絶望的だ。しかし、登場人物たちの歩みは力強く、自分ももっと頑張れるはずだと力をもらった。災厄が去り、徐々に平常化する世界に少し寂しさを感じたのは、多分私だけではないだろう。

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紙の本

そうだ

2021/02/28 23:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒマラヤハマラヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間は恐れながら生きる人もいれば、忘れながら生きることのできる面白い生物やなと思いました。ぜひ一度手に取ってみては!

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紙の本

勝者のいない死闘劇

2005/10/01 16:49

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯シリル - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ある夏の日、アルジェリアの架空の都市オランをペストの猛威が襲う。街は軍隊と警察によって世界から遮断され、誰にとっても平等な死の恐怖が舞い降りる。
 主人公(語り手)は町医者のリウー。彼はただ黙々と医師としての仕事を繰り返し、ペストという名の殺戮者に反抗する。
 リウーは英雄ではない。そもそもこの物語に英雄は登場しない。キリスト者であるオランの司祭はペストの災禍を神の審判だと説く。しかし司祭自身、自らの教説がゆるぎないものという確信はない。たまたまこの街に滞在した新聞記者はパリに残した恋人と逢うために戒厳令下のオランの街から不法な脱出を試みる。しかしその直前になって、いかなる災禍も愛にかなわないと信じていたはずの彼は街にとどまることを選ぶ。ヒロイズムもキリスト思想もロマンチックラブもニヒリズムも楽観主義も悲観主義も、あらゆる思想や感情がペストの前で試され、無力さを露呈し、そうしてペストはあたかも禍々しい季節風のように、ある期間、思うがままに殺戮した挙げ句、ふいに姿を消して小説は終わる。

 繰り返すが、この物語に英雄はいない。勝者もいない。いかにもカミュ好みの不条理人である医師リウーは、ペストに勝てる見込みなど万が一にもないのを承知の上で、患者に血清を注射し、手厚く看護し、予測どおりの死を待ち、臨終を確かめ、泣きすがる遺族を威圧して、感染防止のために死者を特設墓地へ運び去る。彼には希望はない。絶望もない。悲哀も憐憫もない。ただひとえに、息を抜けない仕事があるだけで、そのせいで人並みな感情を抱く余裕がないのだ。
 私の手元にあるのは薄墨枠と朱色の二重枠の、昔ながらのデザインのガリマール叢書版の『ペスト』である。学生時代の仏語のテキストであり、何度再読したか知れず、日本語版の翻訳に飽き足らず自分で完訳した初めての原書でもあり、影響を受けたと言っていい数少ない小説のひとつでもある。

 カミュはこの小説を構想するにあたって、メルヴィルの『白鯨』を念頭に置いたことを手記で語っている。
 メルヴィルはキリスト教の異端宗派であるソフィア派の信奉者だった。この宗派によれば、地球に君臨している神は「狂える神」であり、生きとし生けるものに災禍をまき散らすのを喜びとし、そのあまりの暴虐を見かねて、この神の母であるソフィアは、狂える我が息子に対抗するための武器を人間に与える。武器とはすなわち知恵であり、それを人間に手渡す使者とは蛇である。しかしこの武器で神を倒すことはできない。勝利は不可能であり、せいぜい抵抗しかできない。
 以上がソフィア派の思想の骨子なのだが、メルヴィルの『白鯨』は、狂える神であるモビーディックと、それに反抗するエイハブ船長との死闘を描いた物語だ。カミュはモビーディックを「ペスト菌」に置き換えた。世界の不条理性を描いた文学の歴史は古いが、この書はそのジャンルにおける二十世紀の傑作と言えよう。

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紙の本

2、3日「放置」して、後半は一気に

2010/11/25 11:40

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

辺見庸さんが推薦したのを目にしたので読んでみた。
アルジェリアのオランという市がペストに見舞われる話。
正直に言って、途中までなかなか読み進めるのに苦労した。
文章は多くが報告の文体になっていて、書き手は最後に明かされるのだが、そのために、なかなか読みづらい文章になっていると思う。
それから翻訳が若干古くなっている部分もあると個人的には感じた。

だが、2、3日、読まずに放っておいて、
「さて、腰を据えて読むか」
と残り半分を開いたら、一気に読んでしまった。

この小説はペストという病疫に閉ざされた町において、
人びとがどんなふうに変わったのか、あるいは変わらなかったのかという物語だ。
で僕としては登場人物が変わっていく方に心を動かされ、
そして、ある登場人物の長い独白などに心を揺り動かされた。

つまり、ペストが町を覆い、人々に変化をもたらしてから、
物語に吸い込まれていったという感じだった。

この小説が発表されたとき、
人びとの頭にあったのは対ナチスの闘いだったようだ。

たしかに読みやすい文体ではないのだが、
読了後には深い充実感をもたらした小説だった。

カミュは哲学論文も書いていて、
僕にはそれはさっぱりよくわからないのだが、
そういう形而上学的な部分がこの小説にも出ていると思う。

でもそれだけでなく人間模様も描かれているので、
興味のある人は読んでみることをおすすめする。

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紙の本

新型コロナウイルス感染症が終息したあとに教えてくれるもの

2020/05/14 13:46

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

オランという港町に突然ペストが発生し、ロックダウンされた社会の中で、
人々の行動や心理状態を描いた作品です。
ペストという巨大な殺人兵器に立ち向かうすべはなく、ターゲットにされるのは
悪人も善人もなく、大人も子供もなく、老若男女の区別もありません。
そのため、この町から脱出するか、神にすがるか、愛する人と今ままでどおり暮すか、
好きなように欲望を満たすかしかないのです。
こんな時でも、医師は患者の命を助けるのが仕事で、これは命懸けの行為です。
仕事なのか、責任なのか、役割なのか・・・・・・・
この本は、「不条理の絶望」ということがテーマにあり、この町の全ての住民が
その絶望の対象者としてこの不条理な世界で生きることになります。
やがて、ペストは終息していきます。

このペストとの勝負で勝ち得たものは、
「ペストを知ったこと、そしてそれを思い出すということ、友情を知ったこと、そして
それを思い出すということ、愛情を知り、そしていつの日かそれを思い出すことになる
とういこと」と本文にあります。

現在、2020年、
世界的なパンデミックとなった「新型コロナウイルス感染症」が終息したあとに得るものは、
「新型コロナウイルスを知ったこと、そしてそれを思い出すということ、友情を知ったこと、
そしてそれを思い出すということ、愛情を知り、そしていつの日かそれを思い出すことになる
とういこと」と、思います。

この本は、新型コロナウイルスによって自由を奪われ、不条理な世界に生きることの困難さを
感じている人にお薦めです。

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電子書籍

閉塞感が今の状況にピッタリ過ぎて…

2020/04/26 02:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:イリ玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

新コロナで苦しむ現在と似ていると友人が言うので読んでみた。病魔の足踏み。あまりに今の状況に似ていて辛い。大変面白いが、若干訳が難解。表現は素晴らしいのだが。50年以上前の訳の様なので是非この機会に新訳でお願いしたい。

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