電子書籍
風俗嬢に偽身分証
2024/03/11 23:12
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
たしかに、風俗嬢は、欲しいだろうな。身分証明書。でも、そんなに簡単にはね、今は、結構、戸籍をごまかすのは至難の業です。マイナンバーも出来たし。ところで、それを業務にするサチが主人公です。訪ねてきた少女の一人が死亡し……
紙の本
人殺し?
2021/06/21 13:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は人殺しだよね?
服役したのかな?
その後で今の職を思いついた?
自分はどうやって偽名を入手したのかな?
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本当の幸せとはなんなのか、考えさせられる作品。
アンナパートは幸福のピースとなるものを自分で破壊していた場合、その世界には残れない、と終わり方が呆気なかった。
しかし、久保寺パートはあり得たかもしれない幸福を受け入れることで現実の世界を見捨てるという視点が面白かった。
現実世界で久保寺とより絡ませられるとより味が出たのかな。
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先の「地べたを旅立つ」に続き、これミステリーって言うの?いずれも受賞作品だが…しかも、あまりに理屈っぽくて楽しめない。「人間は自分のためにしか生きられない」「ここではない何処か」
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新潮ミステリー大賞受賞作。さまざまな事情を抱えた顧客に偽りの身分を与え、あるいは誰にも見つからない場所に逃がすこともできるサチ。彼女のもとを訪れた少女が死亡した事件に否応なしに巻き込まれることになり、少女たちの過去を探るうちに明らかになってくる絶望の記憶。そしてサチ自身の過去。どうしようもなく苦しい立場で生きる人たちの、それでも力強く救いも感じさせられる物語です。
この世界に絶望した者だけが行くことができる「美しい世界」が、あまりに素晴らしく魅力的すぎて逆に苦しく感じられました。たしかにほとんどの人がこちらの世界を選ぶのは当然だと思うし、どう考えてもそちらの方が幸せで。だけれど、まったくの現実とかけ離れた異世界じゃなくてありえたかもしれない世界だというのがあまりに悲しい。とはいえ、拒否なんてできないだろうな、きっと。
自分の人生に「正解」を求めると、ただつらくなってしまうだけなのでしょうね。あのときああすれば、という後悔は誰もがするものだと思うけれど、それでもなるようにしかならないし、生きるしかない。何もかもが自分の思うとおりになる世界なんてどこにもない。だから自分の意識を変えなければならないということかな。
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つらいよな~現実。
簡潔に言えば本作は、主人公及び関わった人たちがあり得たかもしれない幸福な現実、いわば過去への後悔を振り切って、未来への希望を勝ち取るために戦う、抗う覚悟を決める話…なんだと思う。
まず、今作における”此処ではないどこか”のシステム。パッと見魔法のような素晴らしい奇跡に感じられるけど、実際はとてつもなく残酷なシステムだよなあと感じた。
今いる現実に絶望して全てを捨て去る覚悟を持っていないといけなくて、もし日数を待てないのなら誰かを殺さなくてはいけなくて。
そうして辿り着けた理想の世界は、過去の自分が行動していたら”在りえた”世界。目の当たりにして、こんな幸せな現実が、あのとき自分がそう動いてさえいたら在りえたんだってわからされることの残酷さったらないと思った。
だって「もうこんな世界捨ててしまいたい」と思う程人生においてずっと真っ暗闇の絶望を歩んできていた人は、きっと”幸せな現実になる可能性なんて一ミリも無かった”と思えていた方が楽だった。”そんな選択自分には与えられてこなかった”と、被害者でいる方が楽だったんだから。
最初はそんな摩訶不思議な設定から始まる一方で、前半は推理小説のように進んでいったように感じた。ひたすら真相を紐解いていく手懸りを、ちょっとずつ知っていく。それに徹していたせいか感情移入するには大変だったし、真相と共に人物たちの感情が爆発する後半は、むしろ食い入るように読んじゃってたな。
これまで積み重ねてきた人生を無かったことにしないために、意味を与えるためにこの先も地獄のような現実で戦い続ける。久保寺の想い。
沢山の人を不幸にした大量殺人をなかったことにしたかったんじゃない。大量殺人の加害者になってしまう弟、を救いたかった。難しいけど、確かに明確な違いがあるよなあ。
それに救えたというのが事実になった現実に居るとして、けれど自分自身が救えなかったという内在的な事実がなくなるわけでも、なくしたいわけでもないっていうのが、難しいけど”久保寺”という人物にとってめちゃくちゃリアルだと思った。
主人公の救いの一部となるよう”此処ではないどこか”を選ばず、地獄のような現実で生きることを選んだのが、いつか誰かを救う警察官になることを志して、夢半ばにそれを諦めたその彼の決意なのがいいよねぇ…。
あとこれって、ずっと主人公が言っていた”擬傷”ではあるんだよな。自分が傷つく可能性の高い方を選んでまで、他者を救う。でも久保寺は、それを自分の為に選んだ。そうしたい自分の為に、その選択をした。
だれかの為に生きていこうとして背負いきれずに投げ出してしまった、結局は自らの為に選択を下した主人公が久保寺のその姿を見て、自分以外の誰かを助けたい自分の為に生きる……地獄のような現実でも擬傷があるのだと信じたい自分の想いを叶えるために、戦い続けるって決意をする主人公が、またいいんだよなぁ。
佐伯は真相が明らかになって、普通にいい人になった……というよりは、めちゃくちゃ大人だったのが明らかになってたね。
自分のしたことは自分で背負っていくしかない。そのうえで生きるために誰かを理由にする。
え?久保寺じゃん……?引き取った老犬ジジを死なない理由にする久保寺と同じ境地じゃん……??貴方何歳…????年相応以上に成熟せざるおえなかった人生を思うと辛いね。
そう思うと佐伯も”門”をひらけた気がするなぁ……生きる理由にしていたアンナを失っていたら、だけど。結局、アンナにその先の人生ごと奪われちゃったんだけど。
アンナは佐伯の件に比例してどんどんあくどい女になってったね~~~?!
全部うそ!捏造!将来を語る望実のことだって憎んでた!でも理解できなくないのよね……。
「未来とは、その言葉を知っている賢い人間たちが内輪で作っている代物でしかない」
って言葉は痛いほど真理なんだよな……。初めに与えられなかった人間には”未来”を考えることすら思いつかない。
他人を、ではなく自分を信頼できないアンナは全て縋って疑って切り捨てかなければ、不安で不安でたまらない。その結果選んだ選択は幸福にはつながらないものだったけど、それを『お前のせいだ、お前が間違えたせいだ』と責めてもいい選択だったとは言えないよなあ。
総じてなんだか、綺麗な文章だった。終始さっぱりとした風味を感じる文体で、でも内容もきちんと作られていて、こういうんのもいいな~とにっこりで本を閉じたお話だったなと、個人的に。
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「門」の向こう側にある世界は、魅力的であるがゆえに気持ちが悪い。だから最後の選択は当然の帰結なのだが、意外性はない。それだけにもう少し説得力がほしかった。
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雨乳母の異名で逃がし屋を兼ねるアリバイ会社=身分詐称代行を生業にしているサチが主人公。
ファンタジーを絡めたミステリー。
先が読めるような微妙な展開だったが、個人的には読み応えあり。
話としてはありがちな展開だか、自分には帰る選択はないな。
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21/08/15読了
ここの評価低くて面食らった。ひっかかるところはなくはないけども、ひきこむストーリーと興味深い設定、予想から少し外す展開で面白かった。
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ボリュームがとてもあり、現実と幻想の塩梅が良かった。生きる目的について考えさせられた。
現実は残酷で辛いもので、あのときこうしていればと自分が切り捨てた未来について考えることもあるが、人生に正解も不正解もなければ、良し悪しなんてものは人それぞれで、到底二元論で語るべきものではないと思った。
だからこそ人間には希望があって、夢があるのだと思った。一度読んでみてほしい。
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本の雑誌・上半期ベストから。ファンタジー要素ありのミステリでした。同誌が好む、いわゆる贖罪系に位置する一冊。各人のトラウマ的過去に対する向き合い方を通じ、その清算についての可否ないし是非を炙り出す。そんな内容。もう少し掘り下げて欲しかった部分(拒否された彼女のその後)もあり、個人体にはそのあたりはちょっと惜しい感じ。
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反省はしても、後悔はしない。
もう一度同じ条件を与えられたときに、同じ選択をするだろうと思える行動をとっているか。
これが、私が作る門のルールだろうか。
門には、サチのルールが投影されている。
サチは、自分の手で自分の一番求めるものを壊したことが許せなかった。
だから、それが門の禁忌となっている。
取り得た選択肢の中で最良を選んだと仮定した世界を「奇跡」と呼ぶサチ。
あとだしじゃんけん。
それが気にならないほどの地獄がこの世には存在するのだ、と繰り返される。
怠惰ゆえにその選択肢を選ばなかった場合。
気力体力の限界に達するまでの努力を重ねずに、その選択肢を選ばなかった場合。
サチの門は、資格ありと認めるのだろうか。
私のルールでは、前者は☓、後者は○になる気がする。
後者のとき、あともうちょっと頑張っていたら全てが変わっていた、と目の当たりにする気分はどんなものだろうか。
逃げる、足掻く、逆らう、立ち向かう、切り捨てる、決別する、曖昧に保つ。
すべての要素が、ストーリーとして盛り込まれている。
だからこそ、情報が多すぎて疲れてしまった。
物語としては、好きではない。
でも、考えるためのよい時間を得た。
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週刊ダイアモンドの本の紹介コーナーで珍しく、ミステリーもの3編の一つ。新潮ミステリー大賞受賞。
クライムミステリー、ハードボイルドなどと帯にはあり、ちょっと読むのを躊躇ったが、主人公が女性ということもあり完読。
最後のサチの部分は助長な感じもして、もう少し謎のままで終わっても良かったのではと。
次回作、期待しています!
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異世界×ハードボイルドなミステリーということで読んでみましたが…いやぁ、重かったです(^_^;)重いというか、哲学的なのかな?「門」に拒否されたアンナと自ら拒否した久保寺の対比、その久保寺を見てようやく「有り得たかもしれない世界」と決別したサチ、という構成は有りがちなのかもしれないが分かりやすかった。本当に、幸福とは人それぞれだよな…小説とはいえ、いわゆる不幸な人物たちの物語を読むたび、如何に自分が幸せであるかを痛感します。久保寺とサチにはぜひ幸せに生きて欲しいなと思った。ていうか、右隣の本との落差が激しすぎるわ(^_^;)
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2022.1 自分が一番苦手とするタイプのストーリー。後半は淡々とした、あっさりした流れになってしまったけれど文章が上手だったのでよしとしましょう。