紙の本
精神論ぬきの電力入門
2013/01/02 18:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
計画停電で暗い夜を過ごしただけで結構大変だった事を思うと、原発廃止して再生エネルギーに置き換えが簡単に出来るものなのか。電力は足りるのか。続けるのと止めるのと、本当のところどんな影響があるのか。特に今、続けた方が良いという話はほとんど聞かないので、比較しようがなく良く分らなかったけれど、少し整理出来たように思う。どちらにせよ、色々覚悟しないといけなさそうだし、今のままではどうしようもなさそう。
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僕的には一番信用できる環境エネルギー分野の論客。
原発ゼロが云々される今だからこそ、読みたい一冊。
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日本の電力に関するこれまでの歴史、他国の現状、各エネルギーのメリット/デメリットが分かりやすく書かれています。この問題を考える上での大事な情報源の1つになると思いました。
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電力、じゃなくてエネルギー、で考えなきゃいかんのじゃないのかな。
ソフトウェアの節電にこれ以上期待していない(生活エネルギーは今後も膨れ上がる、と考えている)点で、やはり「電力側」の書き方だなあ。おっと、こういうくくりをしてはダメですよ、という本なんですよね。市民・文化人は経済的視点を持たずに脱原発を唱えますが、そんなのは当たり前です。みな自分の都合を言い、それを調整するのが政治であり、実施するのが行政ではないですか。では解決策は。電力卸売会社を作るのだと。みんなが不満なものはいい政策だと。
そうかなあ。俺、感情的だ。
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至って現実的な内容だと思います。この話は現実的ではない話が非常に多いので,この本の内容で現実的な状況を把握したいと思います。
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本書の内容は、3.11以前のエネルギー事情のベース。いわば常識。これを前提に日本のエネルギー政策は遂行されてきた。
3.11以降もこの常識は正論となりうるか。私は現在でもこれが正論であると思う。
極論はびこるエネルギー論が多々あるが、議論する際は、本書の内容を前提としなければならない。
果たして、多々ある極論の仮説は、本書を論破できるのであろうか。
クルマの存在を否定する現代が成り立たないのと同様に、今すぐ原発をゼロにすることはできない。
人類は原子力なしでは成り立たないところまできてしまった。
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*寄付
全部の卵を同じカゴにいれてはならない 多様化
原子力:LNG火力:石炭火力:残りを石油火力、水力その他 3:3:3:1 原子力がストップしてもその他でなんとかなった
LNG 液化天然ガス 調達先が分散 CO2排出量が比較的すくない 供給安定 燃料輸送費が高い 価格高め(石油価格と連動するように契約)備蓄2−3週
石炭 安価、調達先分散、埋蔵量豊富 CO2排出量が多い 大気汚染関連設備必要 備蓄1ヶ月
石油火力 今は8.3% エネルギー密度が高い 運搬貯蔵が容易 中東に偏在 価格高め、変動 備蓄 民間とあわせて200日
*寄付
原子力 ウランが政情安定地域にある CO2排出ない 事故の被害が大きい
再生可能エネルギー CO2排出ない 経済性ない 出力不安定 エネルギー密度低い 量、コストいづれも未熟
2011 日本に導入可能な再生可能エネルギーの大半は洋上風力
再生可能エネルギーは環境にやさしいが、周辺環境にやさしいわけではない
原子力にみあった太陽光発電にしようとすると、千葉県に匹敵する面積が必要、コスト高
再生可能エネルギーは原発に代わる基幹エネルギーにはなりえず、補完的な電源になるのが精一杯
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法的な根拠もないまま原発を止め続け、毎年3兆円もの国富を垂れ流している日本。反原発派は、原発をゼロにすることだけが至上命題なようですが、今後のエネルギー政策について何か考えとかあるんですかね。放射能が原因で死んだ人は一人もいないのに、このまま原発を止め続ける理由が分からない。リスクを考えるんだったら、車も飛行機も電車も全てやめろ、という話になる。
で、澤さんの「東日本卸電力」構想は、今の現状を考えると非常に合理的な案でしょう。反原発派の「原子力ムラ・地域独占・利権構造」のような考え方を、分かりやすいロジックで一蹴し、うまくまとめられています。すぐ読めるので、ぜひ一読を。
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即時の脱原発は非現実的だという論旨には賛成。ただ、「再生可能エネルギーに技術革新は起きない」と断言していいのだろうか。確かに買い取り価格は固定されているが、発電効率が上昇する可能性をなぜ完全に排除するのだろう。確かに現時点ではその発電量は原子力の数十分の一であり、生活基盤を維持するのには如何にも心許ないが、100年後を見据えて技術革新に賭けても良いのではと思う。それまで原発には十分に稼動してもらえば良いのだ。
なお、「全部の卵を一つのカゴに・・・」の喩えには次のようなアンチテーゼもある。
…見よ、愚者は「全部の卵を一つの籠に入れるな」と言うが、それは「あちこちに投資して、注意を散漫にせよ」と言うに等しい。一方、賢者は次のように言う。「全部の卵を一つの籠に入れて、その籠を見張れ」と。 …マーク・トウェイン「ノータリン・ウィルソンの悲劇」より
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領土問題が燃焼中で最近やや下火な気がしないでもない脱原発運動・・・
でも国民の意思は2030年代に原発ゼロなのだとか・・・
7割だっけ?
もちろんタダで・・・
何の制約も無く、何の負担も無くゼロに出来るのであれば、そりゃ誰だって原発ゼロを希望すると思います・・・
でもさでもさ・・・
原発ゼロにしたら、それこそいろんな負担がボクらに降りかかりますよね・・・
どんな負担が降りかかるのか・・・
それを知らずして、考えずして脱原発なんて言っちゃあいけないよね・・・
命が最優先じゃねーか、って言うけど・・・
原発ゼロにして例えば経済的にさらにさらに苦境に立たされて・・・
ただでさえ不景気でみんな苦しんでいるのに・・・
さらに自分たちを追い込める?
我慢できる?気合で頑張って何とか乗り切れる?ずーっとずっとだよ?
それこそ自殺者が増えたら・・・
それって命を最優先していることになるのだろうか?
脱原発によって得られるものがあると思うけど、失うものもあるよね・・・
それでも原発ゼロ?
ということで・・・
そんなことを考える上での基本的な土台を学べるはずです・・・
原発ゼロにすることによってどんな損失があるのか・・・
そもそも何で原発がここまで増えたのか・・・
原発を含めエネルギー政策を考える上で基本的なこと・・・
原発無くても太陽光発電や風力発電などがこれからはガンガン増えてくからヨッユー!と思いきや、まだまだ、そして将来的にも当面当てにならなそうな再生可能エネルギーの実態だとか・・・
電力自由化に対しての誤解と言うか無知と言うか・・・
そんなんが書いてあります・・・
ごく簡単に読めます・・・
小難しくない・・・
まさに入門・・・
スッゲー入門・・・
著者は通産省(経産省)の元・役人様・・・
ですが、敬遠せずに・・・
精神論で乗り越えられる問題では決してないはずなので・・・
大事なことなはずなので・・・
ゼーヒー
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FB友達のどなたかが推薦していたので、読んでみた。
まじめに電力事情を分析していて好感が持てる。
彼の提案する政策スキーム。
(1)東日本と西日本にわけて大規模卸売り電気会社をつくる。
(2)小売りは自由化する。
(3)原発は、国と民間出資の会社がまとめて所有し管理する。
(4)電気事業者の監督は公益事業委員会が行う。
その他、自然再生エネルギーについて固定価格で高めに買い取る方法は、技術革新を阻害するのでよくあいという指摘もそのとおりだと思う。現状で通常の電力より高い分を利用者が強制的に支払わされるのは理屈にあわない。
先日、NHKのワールドWAVEでもやっていたが、ドイツでは利用者の価格負担が増えてきて、風力発電の買電を抑えるとか、価格を下げるという議論をしている。
自然再生エネルギーが大事なことだが、市場で戦っていけるよう、もっと技術革新を進めるべきだし、技術革新をした企業が生き残れる仕組みに転換すべきだろう。
いずれにしても、反原発の人も含めて電力事情に関心のある人にお勧め。
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元通産省の著者が、電力問題を論じる。
全体的に原発事故を踏まえての論調。
原発、再生可能エネルギー推進賛成反対問わず、「命を守る」「既得権益へのNO」などといった、曖昧な論点ではなく、根拠、理論を述べるべきだというのは納得。
同時に、世論がいかに昔から日和見的な意見しか持っていないかも実感した。
いたずらに原発反対を叫ぶ前に、エネルギー安保、安定供給の程度、長期的なスパンでの電力政策をしっかり考えたい。
半世紀ぐらいかけて原発ゼロ、変換効率8割ぐらいの太陽光パネルの開発とかにしたらいいんでなかろうか。
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先日お会いした澤さんの本。8月以前に書かれているので、最近のゼロシナリオにはフィットしていないのだが、それでも電力をとりまく日本の状況についてわかりやすく書かれている。反対派が主張する「命をまもれ」というスローガンは抽象的すぎるというあたりがメディアには載せられない表現なので面白かった。
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巷に溢れる根拠のない「脱原発」とかいい加減なエネルギー政策について語った本とは一線を画す,非常にまともでちゃんとした本。識者?文化人?がいかにデタラメかが分かるから,国民必読の書といえる。
2012/10/27図書館から借用;11/01出張の新幹線で読了
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日本の電力政策がどうあるべきかを、元通産官僚が親書にまとめたもの。
福島以前の原子力50%目標は行き過ぎだったが、各種電源はそれぞれ長所と短所を持っており、分散する必要がある。また、再生可能エネルギーは、安定性と経済性から予備にしかならず、原子力は少なくとも当面はポートフォリオに残す必要があるとする、全う勝つ普通な主張。特に面白いデータや目新しい点もない。