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ノンフィクション書評サイト「HONZ」の10周年を記念して、約3000本のレビューから100本を選抜してまとめた本。10年間の歳月から選抜しただけあって、懐かしさを感じるレビューもちらほらある。サイエンスや社会、ビジネスなどジャンルで区切っていて読みやすいし、読書リストには最適な本だ。100冊中で既読は13冊、積読と再読を含めて読みたい本は17冊。この本があれば、しばらくノンフィクションの本を読むのに困ることはなさそうだ。
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ノンフィクションが大好きだ。
ノンフィクションは「実際にあった物事」をベースにして話が組み立てられているため、その時点で内容に厚みが出る。「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、「こんなことが実際にあったのか!」という驚きが、本の面白さを底上げしている。やはり自分の中で軍配を上げるのは小説よりもノンフィクショだと、本書に綴られた書評の数々を読んであらためて感じてしまった。(もちろんですが、小説も素晴らしく面白い作品ばかりです!)
ノンフィクションの中で特に好きなものは、自分の生活と遠いところにあるものを描いた作品。そしてなにより、自分の中にある常識とかけ離れたところに着陸し、そこから冒険を始めてくれる作品である。本書で紹介されているものの中では、「バッタを倒しにアフリカへ」「謎のアジア納豆」「チョンキンマンションのボスは知っている」あたりだろうか。どの本も、自室にいながら異国の地へ旅をさせてくれる冒険活劇である。
ノンフィクションを読むことは、自分の中に橋を作ることだと、私は思う。化学、生物、社会学、事件、エッセイ、教養、歴史…最初はとりとめなく林立している橋の土台も、書を読了するごとにそれぞれが有機的に関連しあい、橋げたと橋げたをつなぎ、やがて蜘蛛の巣のようなジャンクションを作り上げる。
すると、初見の本に対しても全くの未知が無くなる。異国へ向かう橋を渡っていたつもりが、いつの間にか自分の生活圏内に戻ってくる。異世界の出来事が、知識の積み重ねによって自分の世界に吸収されていく。そうなってくると、もはや遠い彼方で起こった事件が他人ごとではなく、自分も洞察しなければならない喫緊の課題へと変わる。
これがノンフィクションのいいところ。読めば読むほどジャンクションの網の目が濃くなり、どんどん自分の世界が広がっていくのだ。
HONZの代表である成毛氏は、本書とサイトで以下のように述べている。
「ノンフィクションは読者の視点を時空の彼方まで拡大してくれるがゆえに、21世紀を生きるための糧となると、わたしたちは信じています」
「『非日常を感動すること』の対立項があるとしたら『日常を倦む』でしょう。感染症が世界で蔓延する時代では行動が制限され、感じることができる空間や時間は驚くほど小さく短くなってきています。結果的にわたしたちは日常に倦み、思考力や感性は鈍麻してきます。この本はそんな危機感を持っている読者にとって、最適の読書リストとなると思うのです」
とっても素敵な言葉だと思う。地に足のついた生活を送りすぎて、当たり前の日常に関心を持てなくなった今、思考を彼方にジャンプさせ、あらためて日常を俯瞰的に見直してみる、そんな行為が求められているのではないだろうか。
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HONZは、元・マイクロソフト日本法人社長の成毛眞(1955年~)氏が代表を務め、2011年に開設された書評サイト。評者は、成毛氏、東えりか(書評家・HONZ副代表)、堀内勉(『読書大全~世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊』の著者)、鎌田浩毅(地球科学者・京大名誉教授)などのプロ・著名人のほか、その道では素人とはいえ、厳選された本好き20余人である(私の記憶では、メンバーは随時入れ替わっている)。対象は、サイエンス、歴史、社会、経済、医学、教育、美術、ビジネスなどあらゆる分野のノンフィクション作品(即ち、小説以外のすべて。但し、自己啓発書、IT専門書は除く)で、本の入手性を考慮して、出版されてから3ヶ月以内の新刊書という配慮がなされている。
本書は、HONZ開設10周年を記念して、10年間に取り上げられた本の中から100冊を厳選して、まとめたもの。
私は、成毛氏の『本は10冊同時に読め!』、『本棚にもルールがある』などをこれまで読んできて、「できるだけバラバラのジャンルのノンフィクション作品を並読する」という基本的なスタンスに大いに共感を覚えており(成毛氏の過激な表現には少々当てられたが。。。)、そのコンセプトを基に運営されているHONZのサイトは頻繁に覗いて、本選びの参考にしているのだが、その10年分の選りすぐり100冊をまとめて読めるというのは、大変ありがたい。
100冊の中には、私がこれまでに読んだ本も、『スノーボール・アース』、『地球の履歴書』、『ピアニストの脳を科学する』、『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』、『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』、『人新世の「資本論」』、『でっちあげ~福岡「殺人教師」事件の真相』、『ふたつの日本』、『改訂完全版アウシュヴィッツは終わらない~これが人間か』等、10数冊含まれているが(中にはさほど印象に残っていない本もある。特に、外国人の著作の中に肌が合う・合わないがあるように思う)、本書を参考にして、また新たな世界を広げていきたいと思う。
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開設10周年を迎えるノンフィクションの書評サイト「HONZ」。これまでのレビューから100本を精選した、10年間の決定版!
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HONZ選りすぐりの書籍をまとめたもの。
書評自体の文体も面白く、掲載されている書籍はどれも読みたくなってしまう。
といって、あまり欲を出しても積読になってしまうので、特に気になるものだけをピックアップして購入した。
・スノーボール・アース
・鳥類学者だからといって、鳥が好きだとおもうなよ。
・饗宴外交
・哲学と宗教全史
・翻訳できない世界の言葉
・スパイス、爆薬、医薬品
割と、科学系と歴史系に偏っているかな。
あと、出口氏の全世界史は積読になっていたので読み始めた。
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元日本マイクロソフト社長の成毛氏が主宰するノンフィクションのブックレビューサイト「HONZ」が開設から10年を経過した。その十年間にレビューされた3,000冊の中から100冊を選抜。
どの本も読んでみたい! と思わせる見事なレビュー。100冊のうち既読は8冊のみ。たくさんの未読の興味深い本を知ることができた。
ただ、いざ読もうとすると・・・品切れの本が多い。キンドル版もない。改めて、つくづく本は読むか読まないかは別にして、とりあえずちょっとでも関心を持った瞬間に買っておかなければならないものだと、思った。
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元日本マイクロソフト社長の成毛さんが主宰するノンフィクション本の書評サイトHONZが、これまでの約3000本から選りすぐった100本を紹介するもの。
HONZはノンフィクション好きにとっては外せない情報源で、自分にもHONZのおかげで読むことができた本が結構な数ある。書評に個性と熱が込められていて、時には首根っこを掴まれて、「さぁ、これを読め」と言われているような気になることがある。
ここで紹介された本で、実際に読んだ本をいくつか挙げてみる。
『量子革命』
日本語訳までされるような海外科学ノンフィクションものはやっぱり質が高くて面白い。単なる科学的発見の歴史ではなく、きちんと人間模様になっている。翻訳もHONZでも高評価の青木薫さん。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4105064312
『地球の履歴書』
大河内直彦さんの存在を教えてくれたのはHONZだった。成毛さんがHONZ立ち上げのきっかけにもなったという『チェンジング・ブルー』は素晴らしい。こちらはより一般向けなのかもしれないが、読みやすい。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4106037769
『重力波は歌う』
LIGOによって重力波が本当に検出される前に出版された本。丁寧な取材に基づいた上質の科学ノンフィクション。重力波がタイミングよく検出されたことで著者も報われただろう。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152096195
『ホモ・デウス』
言わずと知れたユヴァル・ノア・ハラリのベストセラー。これはHONZで紹介されなくても読んでた。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309227368
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309227376
『LIFE SPAN』
老化は病気であり、医学によって治療可能である、とするハーバードのデビッド・シンクレア教授の本。これは読まれるべき本。そしてどこまで信じるか考えるべき。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046747
『ほくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』
うかつにも涙腺が緩みそうになった。TED Talkにも映像がある。原題の”The Spark, a mother's story of nurturing genius”が内容をよく表している。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4041106621
『冒険歌手』
これぞHONZがなければ絶対に手に取ることはなかったであろう本。そして、文句なく面白い。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4635886247
『謎のアジア納豆』
高野秀行さんの本なので、面白いことは間違いない。まさか納豆にここまでいかれてしまうのは関西生まれとしては驚き。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4103400714
『弱くても勝てます』
息子が中学校(開成ではない)の弱小野球部に入部したこともあって読んでみた。開成の生徒は基本的にはみな素直。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4104738042
『最後の秘境 東京藝大』
娘が美大(東京藝大ではない)を目指したいと言ったこともあって読んでみた。幸か不幸か東京藝大ではない美大に合格した。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4103502916
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
山口周さんの本では『武器になる哲学』の方���好みかもしれない。でも、学問に裏打ちされた主張は気持ちがいい。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4334039960
『バブル』
これもHONZで紹介されなかったら読まなかったかもしれない。バブル当時はまだ大学生。こんなことが起きていたとはつゆ知らずな歴史が垣間見れて面白い。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4103505214
『人新世の「資本論」』
想定以上に売れているようだ。こういう本を批判的な目を持ったうえ読めるようになりたい。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4087211355
『殺人犯はそこにいる』
この本を読んだのもHONZのおかげだったかもしれない。桶川ストーカーの方が先だったか。とにかく心を打たれた。それ以来、清水さんの本は敬意をもって読んでいる。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4104405027
『ヒルビリー・エレジー』
2016年のトランプ大統領当選の理由のひとつを知ることができるかもしれない。マイケル・サンデル『実力も運のうち』を読んでから振り返るとさらに深く違った洞察を得られるかもしれない。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4334039790
『アウシュビッツは終わらない これが人間か』
アウシュビッツ体験したプリーモ・レーヴィの本。『夜と霧』よりもどちらかと言われるとこちらを薦めたい。さらに同著者の『溺れるものと救われるもの』も。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4022592516
『SHOE DOG』
これは文句なしに面白い。ナイキの歴史において日本が少なからず影響を与えていたのもある種誇らしい。日商岩井のスメラギとイトーは格好いい。
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046178
まだまだ読んでいない本もたくさんある。『バッタを倒しにアフリカへ』や『でっちあげ』はkindle積読状態であるのも思い出した。早く読まねば。
また、改めていちいち読みたくなるので困りものだけど、『テロメア・エフェクト』、『生命科学クライシス』、『狂うひと』、『ブルシット・ジョブ』、『分水嶺』、『黄金州の殺人鬼』、『恋する文化人類学者』あたりを読んでみたいなと思った。
HONZさんには引き続きお世話になるかと思いますが、よろしくお願いします。
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見逃してる本がたくさんあるかなと思ったけど意外にもそんなに目新しいものはなかった
随時HONZのサイトを見ていたからだろう
それでも10冊くらいはそういや手にとってないなと思うのがあり参考になる
何よりノンフィクションのレビューを読むことが楽しい
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成毛氏が主宰するノンフィクション好きが
持ち寄る書評集です。
皆、熱い思いと共に非常に分かりやすく、
あらすじを巧みに織り交ぜ評しています。
でも「おっ!」って思う本は少なかったか
あ。ノンフィクション好きではありますが
ちょっと波長が合いませんでした。
まあこういうこともあるかな。
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何か読みたいと思ったときに、参考にしました。読んだことがある本や、4,5冊読みたい本が見つかりました。
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書評サイトHONZが選んだ100冊のノンフィクション。どの書評も素晴らしく読みたい本は増える一方。
ノンフィクション限定ではおるが、10年間の書評の選りすぐり。まだまだこの世には読まねばならぬ本がある。長生きしたいと強く思った。
HONZ在籍の方々の書評、素晴らしいです。
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紹介されている本の中には面白そうなものも、絶対に読まないタイプのものもあるが、それでも紹介文としてはどれも楽しく読めた。書評というよりは本屋さんのポップに近いかもしれない。
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すごく参考になりました。今までいかに偏った本ばかり読んでいたのか、発見することができました。
この本を読んで以降、紹介された本を読み、新たな発見の連続です。
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書評を含めたブックガイド本は結構好きで、小説系なら中野翠さん、児玉清さん、倉橋由美子さんあたりを、ノンフィクションなら立花隆さん、佐藤優さん、成毛眞さん、米原万里さんとかのブックガイドを読んできた。
この本は、ノンフィクションのめぼしいのを探すときによく閲覧しているサイト「HONZ」の編集者たちが10年かけて扱ってきた本の中から、オススメを100冊厳選して掲載するという、いいとこどりのブックガイド。
HONZが始まったのが2010年なので、実質、この10年ちょいの間で世に出たノンフィクションの中で、特に面白いと思われるものがセレクトされているわけで、「いわゆる古典」が排除されているのがいい。そうしないと、ノンフィクションだとなんだかんだで古典であるマルクス経済学とか共産主義の本とかが出てきてしまうので。
紹介されている本のうち、読んだことあったのは10冊もないぐらい。残り90冊の中で、面白そうなものを選んで探して買って…という作業が、本読みにはまた楽しい。
近所に大きな書店が無く、自力で面白い本を探して辿り着くというのが地理的にも時間的にも難しいので、他人の評価とはいえ、「これはオススメだよ」という本を出してくれるのはありがたい。
ここから、また読書の幅を広げていければ良いかなと。
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HONZ10周年、2021年時点の100冊
数冊しか読んでいない、面白そうなものはぜひ読んでみよう