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商品説明
日本の古代・中世社会では、武士は芸能人だった。古代の武と文、近衛府と武官系武士、武官系武士から軍事貴族へ、中世成立期における国家・社会と武力などを考察し、武士の発生を見直す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
高橋 昌明
- 略歴
- 〈高橋昌明〉1945年高知県生まれ。同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。神戸大学文学部教授。著書に「中世史の理論と方法」などがある。
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紙の本
日本中世史の研究方法を垣間見た。中学高校の日本史で習った中世武士団の成立過程を、大幅に修正
2003/05/13 22:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般読者を考慮して書かれているそうだが、基本的には論文をまとめた専門学術書であり、読み通すにはそれなりの努力がいる。中学高校の日本史で習った中世武士団の成立過程を、大幅に修正させられる新しい考えが示されており、興味深い。通説では、地方の任地に土着した皇族の末裔である源平の下級貴族が中心となり、開拓農民の武装化した集団を糾合して武士団を結成したのが、武士の成立と言われていた。頽廃していく都の中央貴族と、東国農村で農業経営や開発に励みながら成長していく武士という、比較対照がなされていた。しかしこの書では、もう一度武士の定義や武の性格・機能に遡り、この通説を見直している。武を一種の技能としていたと考えられる律令制度における武官系武士、それにとってかわっていく軍事貴族、弓馬の武芸が都で洗練され地方へ伝わっていく、こういった視点が多数の文献資料と先人の研究を基に展開されている。芸能としての武芸、特定の家系の家の業としての武芸、衛府官人の構成、平安貴族にとっての武芸、弓箭携帯の意義、騎射の行事、これらを丹念に調査研究していることによって、新しい見方ができていることが解り、日本中世史の研究方法を垣間見た気がする。