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紙の本
帝国日本と不戦条約 外交官が見た国際法の限界と希望 (NHKブックス)
著者 柳原 正治 (著)
国際法はなぜ戦争を防げないのか? 稀代の外交官・安達峰一郎の足跡を手がかりに、戦争と不戦条約の関係を国際法の観点から解明。国家自存と平和構築の間で苦闘した、知られざる帝国...
帝国日本と不戦条約 外交官が見た国際法の限界と希望 (NHKブックス)
帝国日本と不戦条約 外交官が見た国際法の限界と希望
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商品説明
国際法はなぜ戦争を防げないのか? 稀代の外交官・安達峰一郎の足跡を手がかりに、戦争と不戦条約の関係を国際法の観点から解明。国家自存と平和構築の間で苦闘した、知られざる帝国日本の姿を照らし出す。【「TRC MARC」の商品解説】
”平和の誓約”は、なぜ戦争を防げなかったのか?
戦間期の1920年代、当事国としてその構築に密接に関わった国際法秩序から、日本はなぜ逸脱し、戦争へ至ったのか。外交官であり、アジア初の国際司法裁判所所長を務めた安達峰一郎の足跡を手がかりに、国際法の観点から「戦争」と不戦条約との関係をいかに説明できるか、当時の関係者がいかに説明しようとしてきたかを問いなおし、「平和構築に腐心した」知られざる近代日本の姿を明らかにする。【商品解説】
著者紹介
柳原 正治
- 略歴
- 〈柳原正治〉富山県生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。九州大学名誉教授、放送大学特任栄誉教授。著書に「国際法からみた領土と日本」など。
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紙の本
国連等の国際機関、国際法、裁判所を効果あるものにするあくなき努力が必要だ
2023/05/21 20:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
「平和を望むならば、戦争のための準備をしなさい」という警句がある。古代ローマの著述家の表現にあるという。表現を変え、近代まで続いたというが、戦争という点では近代は良くも悪くも転換の時代にきたと思われる。それは戦争の質が変わっていることが多いだろう。近世までの戦争は、戦闘員同士の戦争が大半であるが、第一次世界大戦、第二次次世界大戦は総力戦で、交戦国は国富を使い果たし、けた違いの死傷者を出し、旧日本軍の場合、戦死者よりはるかに多い戦場での病死者、餓死者を出したことから、近世までの戦争とは異質と言える。第一次世界大戦後、戦後処理とともに、国際連盟の発足、不戦条約の制定等の動きが出てくる。しかし、日本を始め、多くの国がこれを骨抜きにしようという動きも顕著となるが、それに抵抗する日本人外交官の努力が本書で描かれる。これを知っている日本人はどれだけいるだろうか。
1928年8月27日に署名され、不戦条約により国際紛争解決のために戦争を行うことを非とし、国家の政策の手段としての戦争を放棄したにもかかわらず、1931年の満州事変、37年の支那事変から1941年の大東亜戦争に突入していく。そもそも、戦争放棄と言いながら、国家の自衛権を認め、軍事行動を否定されたわけでないことを利用し、自国民保護を口実にして、実質的な戦争を遂行し、軍部の暴走を政府が止めることができず、拡大を容認していき、先頭に立ってしまったことを本当に反省したのであろうか。
本書では、戦争を回避し、平和な世界を作るべく努力した日本人外交官の軌跡を追いながら、その実態をつぶさに追いかけている点は貴重である。ロシアのウクライナ侵略を見ると、20世紀に戻ったかのように見えるが、ロシアは戦争でなく、特別軍事作戦と称するところは、時代の変化があるということだろう。目次を見ると、
はじめに
序 章 満州事変の勃発と安達峰一郎の苦悩
第1章 「強大なる国」を目指してー近代国際法の受容
第2章 新しい国際法秩序構築に向けてー集団安全保障体制と国際裁判
第3章 戦争違法化運動と日本の対応
第4章 不戦条約はなぜ「戦争」を防げなかったのか
第5章 世界万国の平和を期してー安達峰一郎の遺したもの
関連年表
参考文献一覧
あとがき となっている。
ハーグの常設国際司法裁判所の所長となった安達峰一郎が、国際機関、国際条約、国際司法での戦争回避による平和を希求したことは、日本国憲法の規定の価値を再認識させるところであろう。戦争を違法化していく過程は未だ歩みつつあると言える。本書でも外交官の努力を踏みにじる軍部だけでなく、マスコミの扇動も重大な問題であったことが理解できる。第5章で、2015年の安全保障法制で集団的自衛権を容認されるところは、国連憲章を厳格に解することを避け、いささか飛躍している感があるが、国際情勢の変化に流されやすい現実からだろうか。しかし、ここに提示されている素材は学ぶべきところが多い。一読してほしい本である。
紙の本
日本は、紛争解決の手段としての戦争を否定していたのではなかったのか
2023/05/04 23:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1次世界大戦後、紛争解決の手段としての戦争を否定し「不戦条約」を各国が結ぶということに当事者として心血を注いでいたはずの日本が満州事変後、坂道を転がるようにして戦争へと突き進まなくてはいけなかったのか、それを考察できる一つの資料であった